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日本大学『健康と生活に関する調査』の目的は高齢者の健康と生活全般に関して様々な専門分野から 研究を行うためのデータを収集することにあります。この調査は、日本全国の65歳以上人口を対象とし、 調査票を用いた縦断面接調査です。多くの質問項目は米国で1984年から1990年まで行なわれた Longitudinal Study of Aging Iおよび1994年から2000年にかけて行なわれたLongitudinal Study of Aging IIで使用されている質問項目、1992年から始まったHealth and Retirement Study (HRS)、 1993年から始まり1998年以降HRSに統合されたStudy of Assets and Health Dynamics Among the Oldest Old (AHEAD)を参考にしています。そのほかにも東京都老人総合研究所が行っている60歳以上 を対象として1987年から始まった縦断調査、台湾、オランダで行なわれている縦断調査、そして中 国で行なわれている80歳以上を対象とした縦断調査の調査票等を参考としています。調査票に含まれ ている質問項目は大きく分けて次の18に分類できます。基本属性、居住形態、家族構成、家族関係、 経済状況、世代間の相互援助、保健行動、慢性病、身体機能、精神保健、視聴覚、口腔保健、介護、 介護サービス利用状況、価値観、保健医療利用状況、情報機器利用状況、余暇活動などがあります。
日本大学「健康と生活に関する調査」は日本大学の付属機関である 総合学術情報センターがその研究プロジェクトの 一環として計画・実施したものです。したがって、日本大学が「健康と生活に関する調査」の データの所有者であり、第三者へのデータの貸与に関しての決定権は日本大学が有するものとしま す。日本大学「健康と生活に関する調査」は、その実施経費の一部が日本私立学校振興・共済事業団 から助成金として補助されています。
| 齋藤 安彦 | |
| 日本大学総合学術情報センター | |
| 埼玉県所沢市中富南4-25 | |
| 郵便番号 359-0003 | |
| 電話 :0429-96-4500 | |
| ファックス:0429-96-4590 | |
| E-mail : |
調査の対象および標本数
日本大学「健康と生活に関する調査」は日本全国の65歳以上人口を調査の対象としています。 全国から6,700人を抽出して調査の標本としています。この標本数はこれまで行なわれた調査 などを基に、この調査の期待回答率を75%、必要標本数を5,000人と設定して計算しました。 必要標本数は65歳以上人口の死亡率、第2回調査以降の調査対象者の損耗、および財政的制約 により決定されています。
標本抽出
標本の抽出は層化2段無作為抽出法により行いました。標本数は6,700人、調査地点数は340地 点としました。調査地点数の内訳は市部244地点、郡部(町村)96地点と設定しています。社会 調査では高齢者の中でも特に年齢が高い後期高齢者と言われる年齢グループの標本数が少なく、 詳細な分析をする際問題になることが少なくありません。また、『健康と生活に関する調査』は 縦断調査であるため死亡率の高い後期高齢者は年が経つにつれて減少することが予想されます。 そこで、『健康と生活に関する調査』では75歳以上人口の標本抽出率を65‐74歳の抽出率の2倍に なるよう標本数を配分しました。したがって、平成11年1月1日現在の65歳以上推定母集団数より、 65‐74歳人口の標本数を2,922人、75歳以上人口の標本数を3,778人としました。 標本抽出の手 順は、まず、都道府県を単位として全国約3,300の市区町村を次の11地区に分類しました。
地区 |
該当都道府県名 |
| 北海道地区 | 北海道 |
| 東北地区 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 |
| 関東地区 | 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 |
| 北陸地区 | 新潟県、富山県、石川県、福井県 |
| 東山地区 | 山梨県、長野県、岐阜県 |
| 東海地区 | 静岡県、愛知県、三重県 |
| 近畿地区 | 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 |
| 中国地区 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 |
| 四国地区 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 |
| 北九州地区 | 福岡県、佐賀県、長崎県、大分県 |
| 南九州地区 | 熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
さらに、各地区において市区町村の人口規模により次のように分類し、層化しました。ただし、 ここでいう市とは平成11年4月1日現在市制施行の地域です。
‐13大都市(東京都区部、札幌市、仙台市、横浜市、川崎市、千葉市、名古屋市、京都市、大阪市、 神戸市、広島市、北九州市、福岡市)
‐人口20万人以上の市
‐人口10万人以上の市
‐その他の市
‐町村
ここで、各層における標本数を計算して調査地点の抽出数を算出しました。第1次抽出単位となる調査地点として、 平成7年国勢調査時に設定された調査区の基本単位区を使用しています。調査地点の抽出数については、1調査地点 あたりの標本数が65‐74歳で6‐11程度、75歳以上で8‐12程度になるように、各層に割り当てられた標本数より算 出して決定しました。北海道を例とすると次の表のようになります。北海道の13大都市、札幌の75歳以上推定母集 団数は75,631人でその日本全国の75歳以上推定母集団数、7,172,086人に対する割合を標本数の総数3,778人にかけ ると40という値が計算されます。したがって、調査地点数は4となります。
| ? | 年齢階級 | |||
| ? | 65‐74歳 | 75歳以上 | ||
| ? | 推定母集団数 | 標本数 | 推定母集団数 | 標本数 |
| 北海道 | 524,629 | 138 | 317,736 | 168 |
| 13大都市 | 130,717 | 34 | 75,631 | 40 |
| 調査地点数 | ? | 4 | ? | 4 |
| 20万以上 | 63,075 | 17 | 37,886 | 20 |
| 調査地点数 | ? | 2 | ? | 2 |
| 10万以上 | 90,768 | 24 | 52,396 | 28 |
| 調査地点数 | ? | 3 | ? | 3 |
| その他の市 | 87,779 | 23 | 52,613 | 28 |
| 調査地点数 | ? | 3 | ? | 3 |
| 町村 | 152,290 | 40 | 99,210 | 52 |
| 調査地点数 | ? | 5 | ? | 5 |
調査地点の抽出は、層内での抽出地点が2地点以上割り当てられた層については、
層における利用可能な国勢調査人口(65-74歳人口)の合計 ÷ 層で算出された調査地点数 = 抽出間隔
あるいは、
層における利用可能な国勢調査人口(75歳人口)の合計 ÷ 層で算出された調査地点数 = 抽出間隔
を算出し,等間隔抽出法によって該当番目が含まれる基本単位区を抽出し、抽出の基点としました。また、 抽出に際して各層内における市区町村の配列順序は自治省設定の市区町村コードに従っています。抽出 調査地点における対象者の抽出は、調査地点の範囲(町・丁目・街区・番地・部落などを指定)内によ り、住民基本台帳あるいは選挙人名簿により等間隔抽出法によって抽出しました。
調査の方法
調査員が調査対象者宅を訪問し、面接聞き取りの上、調査票に記入する方法により行いました。
調査の実施期間
調査は平成11年11月に実施しました。ただし、地域によっては10月末からまたは12月初旬まで調査が行なわれて います。回答率を改善させるために11月の調査で長期不在、入院、施設入所または拒否の程度が強くなかった調査 対象者に対して平成12年3月に2次調査を行いました。
調査実施の準備
プリテストの実施
本調査の前にプリテストを2回行いました。1回目は平成11年7月27日から8月4日まで、2回目は平成11年9月2日 から9月12日まで行なわれました。1回目・2回目ともに調査地区は東京で、5地点でそれぞれ10人合計50人を対象 に面接で調査を行いました。本調査同様、事前に調査対象者を抽出し面接調査の依頼文書を送付しています。65歳 から5歳階級で85歳以上までの年齢グループから男女各1人を抽出しました。このプリテストは質問文や回答選択肢 の作り方、質問の順序、質問の量とかかる時間などが適切であるかどうか確認するために行ないました。1回目の プリテストでは質問が作成者の意図どおりに調査対象者に理解されているかどうか、質問の流れ、面接調査にかか る時間などに重点を置き回答自体に重きを置かなかったためデータのを分析することはしませんでした。調査員か らの報告により質問、特に子供と子供の配偶者に関する質問の順番を大きく変えることになりました。また、質問 の量が多く時間がかかるとが指摘ありました。2回目のプリテストでは1回目のプリテストを基に改定された調査票 を用いて面接調査を行いました。調査終了後データの入力を行い、質問の内容などを確認するため度数分布などの コンピュータによる分析を行いました。2回のプリテストを通じて調査の題名が調査対象者に不快感および猜疑心 を抱かせる可能性があることが明らかになりました。計画当初、調査の題名を『高齢社会と情報』としていました が、「高齢」という語に対して反発する対象者や、「情報」に対していぶかしく思われた調査対象者がいたとの報 告が何人かの調査員から出されました。この情報を基に『健康と生活に関する調査』という非常に一般的な題名の 調査になりました。
該当地市区町村への抽出台帳閲覧協力依頼文書の発送
標本抽出の章で述べた方法により確定した調査地点から対象者を抽出するため、該当市区町村長あるいは該当市 区町村選挙管理委員会委員長宛て、総合学術情報センター長名で依頼文書を送付しました。
調査対象者への協力依頼状
プリテスト、平成11年11月本調査、平成12年3月2次調査すべてにおいて調査対象者に対し依頼状を郵送により事 前に調査への協力を依頼しています。さらに、調査対象者を訪問する際にも同様の依頼状を携帯し調査への協力を依 頼しています。個人のプライバシーが問題になる昨今、調査への協力を本人から同意を得た上で始めることに注意し て面接調査を行っています。依頼状送付の際、読売新聞で紹介された本調査の記事のコピーを同封しました。
報道機関への協力依頼(読売新聞がメイン、北海道新聞、共同通信から配信) 調査対象者に調査に対して関心を持ってもらうためと、この調査が確かなものであることを証明するために、報 道機関に働きかけ調査に関する記事の掲載を依頼しました。読売新聞が調査開始以前の10月17日に当調査の目的の一つ でもある健康寿命に関連して調査の実施について記事を掲載しています。また、11月4日、北海道地域での調査直前の 夕刊に調査に関して記事が掲載されました。さらに、共同通信の記者が調査に関して取材したものを配信し、神戸新聞 等で調査の記事が掲載されています。
調査の実施
調査の実施は社団法人中央調査社に委託しました。
調査員指示
10月28日より開始しました。中央調査社の全国55支社局で調査員を集め、支社局の調査担当者が別紙調査要綱に 沿って調査目的、調査対象、調査方法、注意事項、質問の説明および注意点等を説明しました。東京、札幌、仙台、 名古屋、大阪、広島での調査員指示では、委託側を代表して研究代表者が調査員指示に立ち会っています。質問 の説明では必要に応じてロールプレイング(模擬面接)を行っています。
調査の実施
調査員指示後、10月28日より12月16日までの間、調査を実施しました。期間中、対象者が不在の場合は最低3回 は訪問する、拒否の場合には(代理回答者も含め)無理強いしないなどの一般的注意事項を遵守しながら、対象 者を訪問し、面接で調査への協力を依頼しています。
2次調査
平成11年11月時点で協力を得られなかった2,060人のうち欠票調査票の欠票理由が「長期不在」「一時不在」 「病気・ケガ」「耳が遠い、口がきけない」「情緒不安定」「高齢で調査ができない」「弱い拒否」「入院」 「特別養護老人ホームなどに入所」「痴呆、理解力がない」であった709人に平成12年3月2次調査を行いました。
調査票
2次調査では2種類の調査票を用意しました。一つは前年11月の本調査と同じもので、もう一つは短縮版です。 これは欠票調査票の欠票理由が「入院」「特別養護老人ホームなどに入所」していた対象者に限って使用しま した。短縮版の質問は11月時点での状態を質問できる項目を主に選んであります。
調査の回答率は以下の通りです。
| ? | 合計 | 本人回答 | 代理回答 |
| 平成11年11月本調査 | 4,640 | 4,111 | 529 |
| 平成12年2次調査 | 308 | 264 | 44 |
| 平成12年2次調査(短縮版調査票) | 49 | 16 | 33 |
| 合計 | 4,997 | 4,391 | 606 |
| 6,700に対する割合 | 74.6% | ? | ? |
データを一般公開するにあたり、アメリカ国立加齢研究所 (The U.S National Institute on Aging: NIA)から助成金を受けております。この助成金 は日本大学と南カリフォルニア大学にそれぞれ提供され、 南カリフォルニア大学のThe USC/UCLA Center on Biodemography and Population Healthの協力で関係資料を英語に翻訳しております。 NIA の助成金番号は AG021656 と AG021609です。
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