理工学部創設100周年 次代を担う新しい学びや「タワー・スコラ」

「ことづくり」をつかさどる新たな知の拠点へ

学び・教育
2021年03月08日

本学理工学部は、その前身である日本大学高等工学校が設立されてから100年の節目を迎えた。多くの逸材を輩出し、わが国の産業の発展に多大な貢献をしてきたが、次の100年に向け教育研究のさらなる飛躍が求められている。その新たな役割を担う拠点として建設されたのが「タワー・スコラ(La SCHOLA)」だ。長い歴史と実績を誇る理工学部ならではの技術・ノウハウを結集した新校舎にスポットを当てる。

理工系学部に必要な機能を集約。最新鋭の免震・制震構造を採用

理工学部は100年にわたる歩みの中で時代の要請に応える形で発展を続け、現在では14学科という幅広い分野を網羅する教育研究機関となった。世に送り出してきた卒業生は累計約23万5000人に及ぶ。

創設以来、わが国の「ものづくり」を支える実務者の育成に力点を置いてきたが、AIなどの技術革新が暮らしや社会の在り方を根本から変える時代を迎え、「もの」のみならず「こと」の創造へと、さらなる飛躍が要請されることとなった。

タワー・スコラはこの新たなミッションに挑むための拠点として建設が進められ、2018(平成30)年7月に、駿河台の地に竣工した。

最新の教育研究設備を擁する地上18階、地下3階の高層建築で、地下階に各学科の授業や研究に対応する実験室群、低層階に講義・教室群、中・高層階には研究室・院生室・演習室、そして屋上には音響実験室や環境緑化エリアが設けられるなど、理工系学部に必要な設備・機能が集約されている。スペースの確保が困難な都心で、教育研究から実験まで一つの建物で賄える理工系の大学施設は他に類を見ない。

タワー・スコラの建設に際しては、設計から施工に至る各工程に多くの卒業生がさまざまな形で関わった。まさに理工学部出身者の層の厚さ、社会への貢献度の高さを象徴している。

最新鋭の建築として注目すべき点は、高機能の免震・制震構造を取り入れた複合型対地震構造建物になっていることだ。本学独自の地震エネルギーを吸収する装置の設置等、工夫が凝らされ、耐震構造建築の第一人者であった佐野利器・初代学部長以来の伝統を堅持してきた成果であるとも言えるだろう。

タワー・スコラは、次世代を見据えた駿河台キャンパス整備の第1フェーズに位置付けられている。隣接する敷地に新棟の建設も検討されており、今後はニコライ堂をはじめ周辺環境との共生を図りながら、地域社会にも開かれた「知の拠点」として、さらなる進化を遂げることが期待される。