【自主創造プロジェクト】
ゲーム感覚の化学教材考案

理工学部・生産工学部・短期大学部

取り組み・活動
2020年05月25日
カードゲームに子どもたちも夢中

カードゲームに子どもたちも夢中

難しいと敬遠されがちな化学の世界――。「しかし、ゲーム性に富んだ教材作りを続けていたら、意外に楽しくて……」と語るのは、「化学教材研究会」代表である大学院理工学研究科博士前期課程の阿部里奈さんだ。

同会の元々の母体は短期大学部(船橋校舎)の生命・物質化学科での卒業研究。その際に参考にと示されたのがアメリカ化学会の学会誌で報告されていたゲーム性に富む教材の作成・改良で、それに触発されたのがそもそもの出発点である。

最初は1人で取り組んでいたが、同好の士が1人、また1人と増え、現在は会員数14人。阿部代表の所属する研究室が会員のたまり場になっている。

最初に開発したオリジナル教材は「有機合成カードゲーム」。有機化合物の部分構造(官能基)や反応式が書かれたカードを七並べの要領で配り、手札がなくなった順に勝ちとなる。当初は中高生の自習向けにと考案したものだ。

「それをトランプ大の形にしたり、官能基を種類別に色分けしたりして、化学の知識のない子どもたちでも遊べるよう工夫を凝らした」(阿部代表)。その結果「日大生のやってみたいを実現するプロジェクト」に採択。その後もゲーム性やデザインの改良に努力を惜しまない。

ゲームの種類も、バッチを利用したボードゲーム、さらにはストローを使った分子模型作りなど、計5種類に増えた。

併設校とのショップも計画

自作教材を前にした阿部代表(右端)ら

自作教材を前にした阿部代表(右端)ら

開発したゲーム感覚の化学教材は好評で、理工学部や文理学部からのワークショップ・出前授業の要請、千葉市の科学イベント、日本理科教育学会の全国大会からの招聘などが相次ぎ、準備に忙しい。

さらに「有機合成カードゲーム」については、クラウドファンディングを活用した商品化を検討中。一方で、理工学部の併設校である日本大学習志野高と千葉日大一高との間で、一緒にワークショップを進めていく計画もある。

「元々が子どもたちの理科離れ対策を目的にしていただけに、そんな教材が生まれれば……。化学を学ぶ学生たちだからこそ、オリジナルの教材が開発できるんです」と、より良い教材を目指す阿部代表の決意は固い。