熱くなれ2020!!
日大アスリートとともに

アーティスティックスイミング 塚本真由 選手

スポーツ
2020年02月21日

ウクライナを破り2大会連続のメダル獲得へ!

2019年の世界水泳韓国を経験し、東京オリンピックのアーティスティックスイミング・チームの代表に選出された塚本真由(スポーツ科学部4年)選手。代表選手としての心境、今後の課題、東京オリンピックの目標などについて語っていただいた。

塚本真由選手

塚本真由選手

―東京オリンピックの代表内定、おめでとうございます。選ばれたときのお気持ちはいかがでしたか?

うれしさよりも不安が強かったです。他競技では選考会などで結果を残した選手が選出されますが、アーティスティックスイミング(AS)は井村雅代ヘッドコーチ(HC)に選んでいただく形でしたので、本当に私の技術で大丈夫なのか? 初めてのオリンピックでわからないことだらけの中で緊張感もあるのにしっかりと泳ぎ切れるのか? などと考えてしまいました。

―選出されてから数か月が経ちましたが、気持ちの変化はありましたか?

開会式まで200日を切って、ここまで来たら頑張ろうという吹っ切れた気持ちで今はいます。大舞台で演技をできるのが楽しみです。

―井村HCからは何か言葉をかけられたのでしょうか?

特別私だけにというのはありませんが、全体ミーティングで「私に選ばれたのだから自信を持ちなさい」というお言葉をいただきました。その言葉と合宿を通して、徐々に気持ちが前向きに変化していきました。

―ASの合宿は厳しいとよく耳にしますが、合宿期間はどれぐらいなのでしょう?

基本的に2週間の合宿、4日間家に帰る、また2週間の合宿という繰り返しです。仰る通り、合宿はとても厳しいですが、練習の厳しさはASをやっている人でないとわかりにくく、言葉で表現するのはとても難しいです。

―間の4日間はどのように過ごされるのですか?

この期間はオフではないので、練習をしています。家では録画していたテレビ番組を見たり、家族で食事に行きますね。私は嫌いな物がなく、食べることが好きなので、リラックスできる時間です。

―コンディションを保つためにも食事は重要な要素になりますが、何か心掛けていることはありますか?

バランスの良い食事をしっかりと3食摂ることです。合宿ではグラム数や主菜は2種類という決まりがありますが、各自がその日のコンディションに合わせて自分で調整して食べています。

選手たち自らが最初に振付の基本をつくり、コーチらと調整しながら全体をつくりあげていくのだという。今から楽しみでならない

選手たち自らが最初に振付の基本をつくり、コーチらと調整しながら全体をつくりあげていくのだという。今から楽しみでならない

―昨年は世界水泳に出場されましたが、振り返ってみていかがでしょうか?

世界水泳ではメダルを獲得してオリンピックにつなげるという目標を立てていましたが、4位に終わりました。私の調子は良過ぎることもなく悪くもなくという状態で、その時に持っていた力を出し切れたと思っていますが、メダルに届かなかったことで力不足を痛感しましたし、もちろん納得もできず、悔しさが残る大会になりました。

―塚本選手個人の課題、チームの課題をそれぞれ教えてください。

個人では筋力と体力です。日本人選手は海外選手と比べて身長が低く、華奢に見られてしまいます。それを補うためには足技では高さを出す、上半身の表現では水面から出ている体積を大きく見せる必要があります。ですから重りを付けるなど、負荷をかけて練習し、課題克服に努めています。チーム全体としては隊列など、同調性を高めることに取り組んでいます。

―憧れの選手はいますか?

乾友紀子選手です。練習の取り組み方、メンタル面、技術力、表現力など、全てにおいて素晴らしいです。憧れであり、目標です。

―2020年の目標を教えてください。

東京オリンピックでのメダル獲得です。もちろんいい色のメダルを目指していますが、世界水泳で4位だったので1つでも順位を上げられるように頑張ります。世界水泳3位のウクライナには、絶対に負けたくありません。

―メダル獲得に対するプレッシャーはありますか?

まだプレッシャーを感じるほどの余裕はありません。今は必ずメダルを獲ると考えながら必死に練習をしています。

―リオ大会では本学出身の三井梨紗子さんが銅メダルを獲得しています。三井さんとお話をされることはあるのでしょうか?

はい。いつも優しく相談に乗ってくださります。練習の取り組み方やメンタルコントロールなど、いろいろとアドバイスをいただいています。三井さんだけでなく、上野広治監督をはじめとした先生方、職員の皆さんも温かいお言葉を掛けてくださりますし、競技に専念できる環境を与えてくれた大学にはとても感謝をしています。

―最後に、東京オリンピックでASのここを見てほしいというポイントを教えてください。

フリールーティンは「日本のお祭り」がテーマなので、会場に来られる方はお祭り気分を味わってほしいです。私たちも自分たちの演技で会場全体を巻き込み、「お祭り」を楽しみたいと思います。テクニカルルーティンは空手がテーマで、注目してもらいたいのは振付に入っている「型」です。実際に道着を着て、空手の先生の指導を受けているので、本番では練習の成果を多くの方に見ていただきたいです。

<プロフィール>
塚本真由
つかもと・まゆ/スポーツ科学部競技スポーツ学科4年。
1997年4月生まれ。千葉県出身。昭和学院高卒。東京アーティスティックスイミングクラブ所属。
国際大会:19年世界水泳韓国 チーム・テクニカルルーティン4位
国内大会:19年第95回日本学生選手権 ソロ2位。