みんなと笑顔で再会したい 「最高のレース見せます」

長谷川(バタフライ)×小堀(自由形)×本多(バタフライ・個人メドレー)

スポーツ
2021年01月18日

第96回日本学生選手権水泳競技大会(インカレ)で長谷川涼香、小堀倭加、本多灯はそれぞれ2冠を達成。日本代表経験を持つ3人が実力をいかんなく発揮した。東京オリンピックでも活躍が期待される3人に、コロナ禍での2020年シーズン、本学水泳部への思い、東京オリンピックなどについて語ってもらった。

コロナ禍でのシーズン

本多 灯(ほんだ・ともる)スポーツ科学部競技スポーツ学科1年

本多 灯 選手(スポーツ科学部競技スポーツ学科1年)

―2020年を振り返っていただけますか。

長谷川 新型コロナウイルスの影響で半年ほど試合がありませんでしたが、しっかりと練習できました。結果的にインカレ、日本選手権、ISL(インターナショナル・スイミング・リーグ)で勝つことができましたし、100mも200mも自己ベストを更新できたので、いいシーズンになりました。

小堀 私も試合がない状態が続いていました。練習では手応えをつかんでいたのですが、インカレ、日本選手権では思うようなタイムを残すことができなかったので、少し悔いが残るシーズンになってしまいました。

本多 4月下旬にケガをしてしまい、コロナの影響で練習ができない時期もあって不安もありましたが、インカレと日本選手権で結果を残すことができたので、いい状態でシーズンを終えることができました。

―生活面でのコロナの影響はいかがでしたか。

小堀 私は普段、母校の湘南工科大附属高で練習をしているのですが、緊急事態宣言が出てからは高校で泳げなくなってしまい、セントラルスポーツのプールで練習をしました。そのため4~7月まではセントラルの寮で生活をしたのですが、慣れない環境での練習は少し大変でした。

長谷川 コロナの影響ではないのですが、4月から大学の女子寮に入ったので、生活が大きく変わり、今までの人生で一番家にいない一年になりました。水泳については、クラブ(東京ドーム)のプールは短水路なので、長水路の本学碑文谷
プールで練習することで、持久力がつきました。おかげで満足のいく試合結果を残すことができたと思います。

本多 入学後すぐにコロナで休校になり、緊急事態宣言解除後しか大学生活を知らないので、以前と比較はできませんが、練習で碑文谷プールへ行くのはすぐに慣れることができました。僕も長水路のプールで泳ぐことで持久力が上がったと感じています。

―休校になって大変なことはありましたか。

長谷川 オンライン授業になったので、課題が多いことぐらいでしょうか(笑)。

小堀 通学時間がなくなったので、そういう意味では負担が減ったと私は思っています。

本多 水泳に集中できる環境なのでとても充実しています。ただ、早く他の競技の選手と交流したいとは思っています。

インカレで2冠達成

小堀 倭加(こぼり・わか)スポーツ科学部競技スポーツ学科2年

小堀 倭加 選手(スポーツ科学部競技スポーツ学科2年)

―昨年のインカレは皆さんにとってどのような位置付けの大会でしたか。

長谷川 4月に開催予定だった日本選手権とオリンピックがなくなってしまったので、一年を通してもインカレは最も大きな大会で、シーズンのまとめになると考えていました。当然タイムを出したい試合なので、かなり気合を入れて臨んだ試合でもありました。結果的に、100mは良かったのですが、200mはベストに近い記録を維持できなかったので、泳ぎの技術的なところで修正能力がもう少し必要なのだと感じました。

小堀 私もインカレを2020年のメインの大会として位置付けていました。タイムを出す自信があったのですが、久しぶりの大会ということで緊張もあり、あまりうまく泳げませんでした。それでも状態を確認し、課題を見つけることができたので、次につなげるためにはいい試合だったと感じています。

本多 男子は2連覇が懸かっていたので、総合優勝に貢献し、自己ベストを更新することを目標にインカレに臨みました。200mバタフライではできませんでしたが、400m個人メドレーでは3秒ほどベストを更新できたので、自分にとっていい大会になったと考えています。また大学から出場する試合で活躍できたのが初めてだったので、うれしかったし、今後の自分のためになると強く感じました。

―インカレは大学対抗の要素もありますが、普段個人で競技をするのと違いはありますか。

本多 レースの前にはみんなが「いってらっしゃい」とか「頑張って」と声を掛けてくれたので、すごく力になりましたし、安心してレースができました。日大水泳部は他のどの大学よりも楽しいチームだと思います。

小堀 私は普段リレーに出ることがないので、チームで大会へ出場できるのは楽しいです。あとは自分よりもレベルの高い選手がたくさんいるので、みんなの結果から刺激をもらっていて、特に涼香さんは「自分ももっと頑張らなきゃいけな
い」と思わせてくれる存在です。

長谷川 競泳は個人競技なので、自分一人で集中力を高めるのは精神的にきついのですが、大学のみんなと練習をしたり、チーム戦をすることで「水泳って楽しいな」と改めて感じました。インカレのリレーは本当に楽しかったです。

―3人は普段お会いする機会が少ないそうですが、この場で聞いてみたいことはありますか。

長谷川 倭加ちゃんは練習では長い距離を泳いでいるイメージがないけど、どのような練習をしていますか?

小堀 スピード持久力が中心ですね。100mを12回や200mを7回など、耐乳酸の練習も多いです。

長谷川 800m以上を泳ぐ選手は、100mを30回などの練習をしているイメージがあったので、その練習で結果を残せる倭加ちゃんはすごいと思います!

本多 僕は涼香さんに質問というか、お願いがあります。以前焼き肉を食べに連れて行ってもらう約束をしたのですが、カツ丼もお願いしていいですか(笑)?

長谷川 それはウーバーしてください(笑)。

本多 ウーバーは自宅がエリア外なので、自分で何とかします(笑)。

小堀 灯はいつも明るくて元気だけど何か秘訣はあるのかな? 落ち込むことってあるの?

本多 結果が出なかったり、負けたりしたときは落ち込みますよ。でも寝れば直りますけど。

小堀 うらやましいです(笑)。

東京オリンピックへ

―今年の目標は。

長谷川 東京オリンピックに出場し、メダルを獲得することです。200mバタフライはオリンピックで日本新記録を出したいのですが、それがかなわなくても、次のインカレまでには記録を更新したいです。

小堀 私もオリンピックを一番の目標にしていて、4月の選考会で800mの日本新記録を出せるようにしたいなと思っています。

本多 僕もオリンピックに出場することが一番の目標です。200mバタフライと400m個人メドレーの両方で代表権をつかみたいです。

長谷川 涼香(はせがわ・すずか)スポーツ科学部競技スポーツ学科3年

長谷川 涼香 選手(スポーツ科学部競技スポーツ学科3年)

―目標達成のために必要なことはありますか。

長谷川 レース後半が課題です。前半はかなりスピードがついて、100mでもベストが出ているので、満足できています。200mのラスト50mでスピードを維持する、またはラストスパートをかけるというところ私の一番の課題です。それができればメダルに手が届くと考えています。

小堀 レース後半に疲れることを恐れて、前半を積極的にいけないことがよくあるので、スピードをもっとつけなければいけません。前半にイメージする泳ぎができるようになれば、全体のタイムも上がってくると考えています。あとはパワーもつけながらスピードを上げられるように練習をしていかなければならないとも思っています。

本多 僕もバタフライはレース前半が課題です。前半に飛ばすと後半に体力が持たないことが分かりました。本来自分の持ち味は後半にあったのですが、それが薄れてきてしまったので、スタミナをつけていきたいです。個人メドレーに関し
ては、背泳ぎと平泳ぎのレベルが壊滅的なので、4月の選考会までにしっかり改善していきたいと考えています。

―最後に、本学に在籍する全学生にメッセージをお願いします。

長谷川 私のモチベーションは友人たちです。友人たちと会える日が決まると、その日に向けて頑張ろうと思いながら競技をしています。皆さんもコロナの影響で友達に会う機会は減ってしまったと思いますが、またみんなで会える日までやるべきことを頑張り、会えた日にはそのことを報告できるように日々を過ごしていきましょう。

小堀 今はオンラインでしか友人に会えていないので、他競技の人とも対面したいと私も思っています。皆さんも私と涼香さんのような考えを持っていると思いますが、こんな状況でも頑張っていきましょう。オリンピックに向けて私は競泳に取り組んでいますので、日大生の皆さんにぜひ応援してもらいたいです。

本多 コロナ禍で目標を見失ったり、やる気がなくなっている人もいるかもしれませんが、そんな方には僕のレースを見てもらいたいです。みんなが元気になってくれる最高のレースを絶対に見せますので、ぜひ応援をしてください。よろしくお願いします!

<プロフィール>

本多 灯(ほんだ・ともる)
スポーツ科学部競技スポーツ学科1年。2001年12月生まれ。神奈川県出身。日大藤沢高卒。
19年世界ジュニア水泳選手権・ブダペスト男子200mバタフライ準優勝。20年日本学生選手権男子200mバタフライ/400m個人メドレー優勝。日本選手権男子200mバタフライ優勝/400m個人メドレー準優勝。

長谷川 涼香(はせがわ・すずか)
スポーツ科学部競技スポーツ学科3年。2000年1月生まれ。東京都出身。淑徳巣鴨高卒。
16年リオデジャネイロ五輪女子200mバタフライ9位。19年世界水泳日本代表。20年日本学生選手権100m/200mバタフライ優勝。日本選手権女子200mバタフライ優勝。

小堀 倭加(こぼり・わか)
スポーツ科学部競技スポーツ学科2年。2000年8月生まれ。奈良県出身。湘南工科大附属高卒。
18年パンパシフィック水泳選手権日本代表。19年ユニバーシアード・ナポリ女子800m/1500m自由形優勝。20年日本学生選手権女子400/800m自由形優勝。日本選手権女子800m自由形3位。