瀬在総長「心臓外科学」を講義

教授最終の登壇に400人


 教授定年を迎えた瀬在幸安総長の教授としての「最終講義」が4月28日,医学部大講堂で行われた。<写真>
 わが国心臓血管外科学のパイオニアで世界的な権威者でもある医学博士・瀬在総長がライフワークの「心臓血管外科と人工臓器の歴史,発展について」をテーマに講義するとあって,学部4年生や看護学校生,教職員ら約400人が詰めかけ,大講堂は超満員となった。
 総長はまず,大学院博士課程修了後,当時国民病といわれた肺結核の重症患者の外科療法と心臓機能の研究をしているうち,恩師の宮本忍教授や米オレゴン大のアルバート・スター教授に触発されて心臓外科専門となり,人工弁や補助人工心臓の開発に取り組んだことを披露。
 試行錯誤を繰り返しながら発展してきた心臓血管外科学と人工臓器の歴史や科学技術の進歩との関わりやアメリカで実地訓練を受け,わが国で初めて冠動脈のバイパス手術に成功し,以後10数万人が恩恵を受け10年以上の生存率は84%となっており,現在取り組んでいるテーマは「より長く使える人工心臓の開発」で,「完全型人工心臓」開発はまだ先になろうと述べた。
 医学研究の進歩は,20世紀は「医用電子」と「病態生理」だったが,21世紀には「人工臓器」と「遺伝子工学」となろう―などと,130枚のスライドを駆使し,予定時間を約30分超える講義を行い,最後に「私のモットーは『医学は愛情に満ち,常に進歩を求める。現状維持は退歩のはじまりである』」と結び,会場から大きな拍手がわき上がった。
 講義を終え,この日で教壇からは去ることになった総長に,学生や看護婦,職員代表らから”功績をたたえる花束”が次々と贈られた。


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