「自然との共生を」ニコル氏の講演に1,500人
生物資源科学部の春季公開講座が科学技術週間行事の1つとして4月15日,同学部湘南校舎大講堂で開かれた。地球環境保護に活躍しているC・W・ニコル氏の「ヒトと自然との共生」をテーマにした講座とあって,近隣の人たちも含め約1,500人が会場に詰めかける盛況だった。
17歳でイギリスの北極探検隊に参加し,カナダ・イヌイットに魅せられたニコル氏は,以来,彼らと共に暮らしたり,北極圏をはじめ,地球環境の保護活動を続け,わが国の恵まれた自然を愛して日本に帰化し,長野県黒姫で執筆活動を続けるかたわら,北極圏の研究も続けている。
40余年にわたる多彩な体験の中から,イヌイットの人たちが,極北の地で生きるために必要なアザラシやトナカイ猟をしてきた暮らしが,動物保護の名目で皮革の売買が禁止されて成り立たなくなってしまったことや,同様に日本の捕鯨漁業もできなくなったことなどを説き,さらに工場地帯とは遠く離れた北極圏でもPCBやダイオキシン汚染が見られることなどを語り,「自然との共生は,やり方を考えればむしろやさしいが,人と人との共生の方がよほど難しい」と,会場の笑いを誘い,「北極圏といい交流ができるようにしていきたい」と結んだ。