医・血流測定装置を開発


心臓バイパス手術の完成度高める血流測定装置を開発
民間に技術移転、事業化へ


心臓の冠動脈バイパス手術例 移植されたバイパス血管によじれや折れは発生していないか。全部スムーズに動いているか―。本学医学部外科学講座2部門(根岸七雄教授)の中田金一助手らは、心臓冠動脈バイパス手術の際、移植されるバイパス血管の能力(血管特性)をリアルタイムで把握することで手術の完成度を高める「血流解析・評価システム」を構築した。
 同システムは本学国際産業技術・ビジネス育成センター(NUBIC)を通じ、今年1月、血流測定装置の開発を目指す日野エンジニアリング(本社・東京都八王子市)に技術移転=実施許諾契約=され、同社と本学医学部は2年後の事業化に向けて共同研究に着手した。
 筑波大機能工学系の研究者と合同で開発された同システムの特長は、手術中にバイパス血管の血流・血圧を測定、演算・解析することによって血管特性や手術の完成度が評価・判定できるのみならず、術後の予備能(負荷に対する能力)まで予測できる点にあり、いわゆるバイパス不全(バイパスの閉塞・狭窄)の状態をいち早く察知できるなど、医師が患者に迅速適切な措置を取ることが可能となる。
 内胸動脈などがバイパス血管として用いられるバイパス手術においては、患者の病理状態からくる血管組織のばらつき、医師のスキルのばらつきもあって、移植時によじれ、折れなどが発生することがあり、一部には、心機能が改善しても再手術が必要な例があるといわれる。
 今回の研究は、こうした難度が高い心臓バイパス手術の現場から術後の負担を抑えた測定法と手術の完璧さを望む患者の声にこたえるものであり、NUBICでは「1999年に日本で14,542件を数えたバイパス手術の完成度を高めるニーズは高まるばかりであり、この分野で医学界をリードしてきた本学医学部の研究が技術移転の形で実る意義は世界的にも大きい」と話している。

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