生物資源科シンポジウム「農業と生態系−水田の多面的機能」


「農業と生態系ー水田の多面的機能」を テーマに開かれた公開シンポジウム 生物資源科学部国際地域研究所の「農業と生態系―水田の多面的機能」をテーマにした公開シンポジウムが2月19日,農業や環境分野の研究者,学生らが出席して同学部大講堂で開かれた。  同研究所は食糧としてのコメを取り巻く問題を「水田」「コメ」「稲」の3回に分けてシンポジウムで取り上げることにしており,今回がその第1弾。まず佐藤晃一・今治明徳短期大学長が「日本の水田の多面的機能」と題して講演し,洪水防止,自然景観の保全,多様な生物の生息の場など,さまざまな機能を持つ水田を守っていくことの重要性を訴えた。  続いて「農と自然の研究所」の宇根豊代表理事が「百姓にとって自然環境とは何なのか」,勝野武彦生物資源科学部教授が「里山の景観と水田の多面的機能」をテーマに講演した。  この中で,実際に水田農業を営む宇根氏は「開発から田んぼを守ろうと訴えても成果が上がらなかったが,メダカを守ろうと訴えたら周辺住民の態度が変わった」とメダカの価値で水田の価値が伝わる“悲しい現実”を紹介するとともに「多面的機能を守る技術は百姓仕事の中にたくさんある。国民がご飯を食べることが水田を守り,自然環境を守ることになる」と述べた。  また勝野教授は「都市近郊の緑地を保全するには,点在する雑木林や屋敷林などをつなぐ緑のネットワークを,水田を中核にしてつくり上げること。あぜ,ため池,湿地などの小さなシステムを見直すことが重要だ」と提言した。  このあと3人の講演者と同学部の教授ら4人のほか,会場からの質問も受ける形で総合討論が行われ,生産性の向上と自然環境保全との接点をどこに見いだすかなどについて意見を述べ合った。

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