活字文化公開講座開かれる


日本語表現力鍛えよ
活字文化公開講座 作家・奥泉氏ら講演

講演終了後、参加者の質問に答える梶川信行教授(左)と作家の奥泉光氏本学と活字文化推進会議(読売新聞、出版業界などで構成)主催の「活字文化公開講座」が5月29日、日本大学会館で、450人の聴衆を迎えて開かれた。
 P在幸安総長、内山斉読売新聞グループ本社社長のあいさつのあと、近畿大学教授で芥川賞作家の奥泉光さんが「読むことの創造性」と題して講演した。その中で「小説を読んで面白いと思うのは、読者一人ひとりが高い創造性を発揮して自分の世界を作り上げ、その界での経験が面白いのであって、一つの小説でも読者の数だけ世界がある。小説は作者と読者の合作」と説明。
 また「日本語は、母国語だけで高等教育ができ、西洋哲学も語れる、世界でも数少ない言語。抽象的な表現、抽象的な思考ができる力が日本語にはある。しかし日本語は自然に習得できるものではなく、学習して身に着くもの。筋肉と同じで、使わなければ衰えていく。英語が世界の基軸言語となる流れの中で、日本語は危機を迎えている。日本語の表現力を鍛えていくことが必要だ」と訴えた。
 続いて本学文理学部の梶川信行教授が「古典を身近なものに」をテーマに講演。「古典の学習はまず楽しみ方を身に着けること。万葉集でも、面白い歌、共感できる歌を文法の説明などを抜きにして口ずさんでみてほしい」「万葉集や古事記を読むというのは異文化の世界を理解すること。神話の世界など古代という異文化と正面から向き合う体験をし、自分たちの生活文化や、自分たちを取り巻く自然を見直す機会にしてほしい」と語りかけた。


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