臓器移植への理解を深めてもらおうという本学主催の公開シンポジウム、第2回「ハートtoハート」が6月25日、日本大学会館で開かれた。一般市民や学生、医療関係者など約500人が参加。移植体験者や医師、国会議員、元五輪選手らが移植医療推進に向け、法整備と移植医療教育の重要性を訴えた。シンポの様子は衛星中継で日大三高にも紹介された。
P在幸安総長のあいさつの後、移植体験者らが移植までの苦しみや不安、その後の生活などを語った。
昨年も心臓移植の体験を話した石田恵梨佳さんは今年成人式。「これまではどんな20歳を迎えるのか不安だった。いまは平凡な生活がどんなに素晴らしいかを感じている」と移植で得た幸せを伝え、「胸の傷は命ある証…」と自作の詩を朗読した。
子供が心臓移植のためドイツに渡った後容態が急変して脳死状態となり、当地で臓器を提供した森本隆さんは「提供は息子の意思。いつも話し合っていたからちゃんと理解していた」と家庭内での移植医療についての話し合いの必要性を語った。
続いて、心臓移植の第一人者で総合科学研究科の南和友教授が講演。脳死状態と植物状態の患者の違いやドイツなど先進国に比べて立ち遅れている日本移植医療の現状について語った。
討論会では、河野洋平衆院議長に肝臓を提供した長男の太郎衆院議員が「いま国会で、家族の判断で臓器提供ができるよう検討しています」と報告。大阪大学の福嶌教偉教授は「医師への教育も重要。大学には移植に関する講座が少なく、理解も足りない」と話すなど、教育と移植医療普及の問題についての意見が相次いだ。
また、元五輪選手で、心臓移植を受けたハートビッヒ・ガウダーさんはドイツでの移植医療普及への取り組みや多くの有名運動選手が参加している「スポーツマン臓器提供協会」の活動を話した。
最後は元五輪選手らによるメッセージ。現在、海外での心臓移植を待つ本田裕美さんを見舞った岩崎恭子さんが「海外での移植は大変なお金がかかる。早く国内で移植ができる国にしてほしい」と訴えると、参加者は海外のように運動選手や芸能人など著名人に呼びかけて、移植医療普及のための啓蒙活動を行っていくことを約束した。このほか医学部・澤充教授が角膜移植についての講演を行った。
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