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古典派経済学の自由観と財政思想の展開

本書は、経済学の黎明を告げたアダム・スミスを中心とした古典派経済学の自由観とその財政思想への影響を分析研究したものである。本来、財政学は資金調達の学問として、ドイツを中心に発達したものと理解されているが、財政に関する考え方は、ドイツ的な全体・国家主義的なものとともに、個人・自由主義的な原理をもつイギリス的な思想の展開が存在する。

日本の財政思想に多大な足跡を残した福沢諭吉が『文明論之概略』の中で、「或いは自由は不自由の際に生ずと言うも可なり」と述べているように、自由とは、それに対して制限が加えられたときに、初めて強く意識されるものであろう。政府機能の拡充の是非が問い質されねばならない と著者は「序」の中で述べている。されに現代国家は、個人の福祉を増進するために、積極的に民間の経済活動に影響力を行使すべきであるし、経済的目的を達成するために積極的役割を果たしていかなければならないであろう、と結んでいる。

書籍名 古典派経済学の自由観と財政思想の展開
著者名 日本大学短期大学部助教授 大淵三洋・著
月号 1996年夏季号 No.68
価格 3,000円
出版社情報 東京都新宿区筑土八幡町2-21、評論社