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「国語表現」入門

「寝転んで読まないで」の前書きで始まる本書のミソは、単なる国語表現の技術指導を超えて、文を綴り、話す人の立ち居振る舞いにまで及んでいるところにある。

「何が書いてあるのか他人が分からない文章ではいけません」。著者の思いは、第一章「日本語の表現」のこのくだりに凝縮されている。現代の日本語が漢字(表意文字)とひらがな(表音文字)の混ざった「漢字かな交じり文」である事実認識に基づいて、ひらがなだけの文章を漢字に直す練習を勧めるのも、それが「達意の文へ」の正道だからだ。

二章は手紙の書き方、三章はビジネス文書の書き方が紹介され、付録「話し言葉とマナー」には、接客時のエレベーター、列車の席順まで親切に図示されている。B6判、百四十二ページとコンパクトながら、就職する我が子にそっと渡したくなるような人の世の機微が詰まっている。
書籍名 「国語表現」入門
著者名 理工学部助教授 小野末夫・著
月号 2004年冬季号 No.98
価格 1,500円(税別)
出版社情報 東京都千代田区飯田橋2-16-3、牧野出版