日本民法史論
本書では主として、明治前期の民法を考察することを課題としている。
いうまでもなく日本の民法は、最初旧民法としてフランス法の継受であったし、現行の民法財産篇はドイツ法の継受である。それでは日本固有の民法とはどのようなものであったのか。民法典という法典そのものはなかったとしても、人びとの生活があるかぎり、民法的規制が存在したことはいうまでもない。したがってわが国における古来の民法的規定を少しでも明らかにしたいという思いがある。
民法典に対してもっとも著しい対照を示したのは、刑法典である。慶応4年2月頃には早くも仮刑律、そして明治3年12月には新律綱領、つづいて6年7月には改定律例が頒布された。
本書ではこのうち新律綱領、改定律例に内在する民法的側面を抽出し考察をしようとも試みている。
書籍名 | 日本民法史論 |
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著者名 | 工学部助教授 小林忠正・著 |
月号 | 1998年冬季号 No.74 |
価格 | 4,500円(税別) |
出版社情報 | 東京都文京区目白台1-8-3、法学書院 |