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平和憲法の歪曲

いまや政府はじめわが国のあらゆる政党は、日本の憲法を「平和憲法」といってはばからない。著者は、わが国の憲法を胸を張って「平和憲法」と呼べるのは自衛隊違憲論に立つ政党だけであるはずとし、憲法九条の原点やなぜ政府などが自衛隊を合憲としているか、について明らかにしている。

この中で憲法が制定されたとき九条はどのようにとらえられ、読まれたかに関しては、専門家の多数説や政府は自衛戦争、自衛戦力の保持は禁じているととらえたとし、だから世界に類をみない平和憲法であると結論付けている。それなのに自衛隊を合憲としているのは、政府などが九条に定める「戦力」という言葉を大きくゆがめた結果であると断定している。著者は「国民に九条をよく知ってもらいたい」と強調しているが、憲法改正論議が活発化している折だけに時宜を得た解説書といえる。

書籍名 平和憲法の歪曲
著者名 経済学部教授 粕谷 進・著
月号 2001年秋季号 No.89
価格 1,000円(税別)
出版社情報 東京都文京区目白台2-13-2、近代文芸社