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構造改革は国民をどこへ導くか

偽政者が奏で続ける「構造改革」路線への怒りを、時流に拘泥することなく労働者・国民の目線で綴った警世の書である。著者は「長期不況と経済のグローバル化への対応と称して、財界と政府が一連の構造改革、規制緩和(財界新戦略)を強行した」とし、「財界・政府が用意したドロ船に労働者・国民がすすんで乗り込んでいる」と今日の日本を概嘆する。

この批判の上に「構造改革を正当化する国際競争力論」(一章)、「雇用問題を深刻化させる構造改革の強行」(二章)が指摘され、三章では、一九九五年以降の日経連の労働問題研究委員会報告を精査しつつ、「構造改革の名のもとの大企業本位の大改造」「人間の顔をした市場経済がもたらす痛みの山」の先に労働者・国民の疲弊を見通す。労組が構造改革に断固反対し福祉重視社会建設を国民に訴える運動の広がりに希望を託す研究者の情念が熱い。

書籍名 構造改革は国民をどこへ導くか
著者名 副総長 牧野富夫・著
月号 2004年冬季号 No.98
価格 2,300円(税別)
出版社情報 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-25-6、新日本出版