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与謝野鉄幹研究―明治の覇気のゆくえ―

与謝野鉄幹・晶子を研究する著者にとって、晶子に比べ鉄幹の業績評価があまり注目されないことに不満がある。明治期、教育制度など近代化を急ぐ日本の諸制度確立期にあって、鉄幹(本名寛)は「それらの狭間を縫って這い上がり、詩歌人・ジャーナリストとして最も注目を浴びる時代をもった人物の一人である」と書き出す。『与謝野鉄幹伝―東京新詩社成立まで―』刊行から二十年を経ているが、本書はその後の展開という位置づけである。

雑誌『明星』の編集者である鉄幹の明治三十年代における存在感は際立ち、森鴎外も高く評価した。晶子との出会い、『明星』の廃刊前後の鉄幹、衆院選出馬と背景―と書き進む。明治人としての覇気が時代の先端を形成していた訳だが「鉄幹の本意は別のところにあり、現実に苦しんでいた。そうした覇気の展開を考察しようとした」と結んでいる。

書籍名 与謝野鉄幹研究―明治の覇気のゆくえ―
著者名 通信教育部教授 永岡健右・著
月号 2006年秋季号 No.109
価格 15,000円(税別)
出版社情報 東京都千代田区猿楽町1-3-1、おうふう