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思いやりの日本人

日本人は自分をアピールするのが苦手だと言われるが、近年はスポーツ選手のインタビューなどを見ても自己表現の上手な人がずいぶん増えた。日常生活における自己表現をテーマに、一九七九年からパフォーマンス学の教育・研究に打ち込んできた著者は、そのことを歓迎しつつも、日本人は自己表現のスキルが身についた代わりに、その根本にあるべき心の軸を失ってしまったのでは、と危惧する。そして、かつて日本人の美徳であった「思いやり」の心を取り戻すことこそが、真のパフォーマンスを身につける鍵だと明言する。

外面のパフォーマンスに長けているだけでは、ライブドア事件のホリエモンや村上ファンドの村上世彰のように、モラルのない個人主義に陥りかねない。皆が仲良く思いやりでつながれる「思いやり社会」が一刻も早く来ることを願う著者が、「思いやり」の大切さを訴えた一冊。

書籍名 思いやりの日本人
著者名 芸術学部教授 佐藤 綾子・著
月号 2007年夏季号 No.112
価格 720円(税別)
出版社情報 東京都文京区音羽2-12-21、講談社