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ピンポンさん 異端と自己研鑽のDNA 荻村伊智朗伝

水泳の古橋広之進、ノーベル賞の湯川秀樹に続く戦後の国民的ヒーローだった荻村伊智朗。名選手、名指導者、そして国際卓球連盟会長として活躍、「ミスター卓球」と呼ばれた。卓球とは無縁の元新聞記者の著者が故人となっていた「天才荻村」の才能と劇的な人生をつづった。

荻村は都立大から日大芸術学部映画学科に編入した。選手としてヨーロッパを転戦中、荻村は一人でルーブルなどの美術館に足を運んだ。ミケランジェロの作品にショックを受ける。「一度ぐらい世界のトップになったからといって、自分はまだまだ大したことのない存在だ」

文化大革命で孤立する中国を卓球で国際舞台に引っ張り出し、米中の雪解けという「ピンポン外交」での立役者の一人という評価もある。著者はあとがきで「荻村という人はその生涯のどこを切りとっても一冊の本ができる」と書いている。

書籍名 ピンポンさん 異端と自己研鑽のDNA 荻村伊智朗伝
著者名 城島充・著
月号 2007年秋季号 No.113
価格 1,800円(税別)
出版社情報 東京都文京区音羽2-12-21、講談社