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さ行

思ふまゝに

著者が定年退職後の日々を、折に触れて詠んだ句集である。平成十一年から十四年冬まで、妻敏子さんの句を含め約三百七十の俳句と川柳を掲載するとともに、「二〇〇〇年問題」「小春日和」「年の瀬」など、その時々に執筆した随筆なども織り交ぜた作品集ともなっている。「三年間のいわば『日記』としてまとめた」と言うように、そこには園田家の日常をはじめ、世相、旅先での感動、四季折々の表情が、豊かな感性で詠み込まれている。俳句に接する機会が少ない読者も、素直に共感できる作品が並ぶ。

全編を通して感じられるのは、身近な人々や、自然、訪れた国内外の地など、「対象」に向けた作者の優しいまなざしだ。六十歳を過ぎて知ったという「俳句、川柳への興味」を生活の中に根付かせ、開花させた著者の、行動的で、充実した第二の人生も垣間見える。

書籍名 思ふまゝに
著者名 芸術学部校友会副会長 園田芳夫・著
月号 2003年夏季号 No.96
価格
出版社情報 さいたま市浦和区常盤9-34-12、メディア・ポート