都市環境整備論―地球環境との共生を求めて
日本学術会議で地球環境研連会長を務める田中啓一教授ら七人の研究者が地球温暖化、土地や住宅環境など喫緊の都市問題の解決に正面から取り組んだ意欲作である。行間から街に飛び込み都市政策を練り上げる執筆陣の熱い思いも伝わってくる。
地球環境論、都市環境論、都市環境整備論の三部構成を貫く命題は「経済大国から生活大国への転換」であり、その背景には「適正規模をはるかに超えた大都市集中の潮流は、国際化・情報化の進展により一層加速する」との鋭い洞察と同時に、集積のデメリット拡大への深い憂いがある。
不況にあえぐ日本経済再生の打開策としてストックのフロー化を唱え、持ち家を「リバース・モーゲージ」によって利活用し、不足する年金や介護サービスを補填する仕組みの提言が重い。
書籍名 | 都市環境整備論―地球環境との共生を求めて |
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著者名 | 経済学部教授 田中啓一・編 |
月号 | 2003年春季号 No.95 |
価格 | 3,800円(税別) |
出版社情報 | 東京都千代田区神田神保町2-1-7、有斐閣 |