先生俺(おい)らについて来い
「生徒よ俺について来い」が普通の教師だが、著者はその逆で生徒から「先生おいらに…」といわれ、独自の教育観を持つ教師である。
職業系クラスの担任で、生徒に「じいちゃん」と呼ばれるが、一向に気にしない。必ずしも〝出来のいい生徒〟ばかりではなく、生徒とぶつかり合いながら、ともに泣き、笑う日々。そんな中で女生徒から「糖分取らないと体がもたんよ」とアメやガムをもらったり、男子生徒にはアルバイトの稼ぎでお好み焼きをおごってもらったり。「おまえらがいるから教員が続けられる」と言えば、「おれも先生がいるから学校を続けている」と生徒。これでコミュニケーションが十分取れている。
教師歴三十五年の体験を通し「教育とは、教師とはどうあるべきか」を追求している。若い教師や教師を目指す人びとには一つの教師像として参考になり、一読を勧めたい。
書籍名 | 先生俺(おい)らについて来い |
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著者名 | 宮崎日大高校教諭 飛田 武紀・著 |
月号 | 2001年冬季号 No.86 |
価格 | 1,300円(税別) |
出版社情報 | 宮崎市大塚町正市5595-2、中川印刷 |