ニチゲー力―日大芸術学部とは何か
なるほど、日大芸術学部というより日芸(ニチゲー)の方が通りがいい。一学部がこれほどまでにアイデンティティーを確立している例は他大学でもあまりないだろう。ニチゲー力(りょく)の源をあらゆる角度から探り、ニチゲーとは何か、を明らかにしようというもの。筆者は日本女子大卒後、日芸大学院に学んだ。
大正十年に法文学部の美学科として産声を上げた。映画学科創設時には「わが大学が不良学生の温床になる」といった学内の無理解。その時々の時代背景、さらには日大闘争といった荒波にもまれ続けた。しかし、他の芸術大学と違ってあくまで「実技中心」を貫き、個を重視。サブカルチャーの担い手を発掘、メディアやクリエイティブな世界に多彩な人材を輩出し続けている。
群ようこ、三遊亭白鳥ら五氏のインタビューで日芸をあぶり出す。巻末の出身者一覧表は見ていて楽しい。
書籍名 | ニチゲー力―日大芸術学部とは何か |
---|---|
著者名 | 芸術学部助手 山下聖美・著 協力・文化会議 |
月号 | 2006年秋季号 No.109 |
価格 | 1,400円(税別) |
出版社情報 | 東京都台東区下谷1-5-34、三修社 |