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サイゴンの昼下がり

著者は1971年(昭和46年)3月、本学芸術学部写真学科卒の写真家。広告、ファッション、ヌード、ドキュメンタリーなど幅広い分野で活躍しているが、本書は1994年に初めて訪れたベトナムの虜になり、その魅力をまとめた写真紀行集。 フランスの香りとアジアのけん騒が溶け込む旧サイゴン(ホーチミン市)、豊じょうのメコンデルタ、色気あふれるアオザイ姿の女性などの写真を、モノクロを織り交ぜながらふんだんに載せ、随所に軽妙なタッチの紀行文をちりばめている。

写真では、南国の強烈な太陽に光輝く海や川、旧サイゴンの美しい町並み、子供や若い女性はじめ躍動する人々の姿などが生き生きと描かれている。ここであの激しかったベトナム戦争が本当に繰り広げられたのかと、思わせるような新生ベトナムの美しさ、人々の平和な生活ぶりを見事に浮き彫りにしている大作だ。

書籍名 サイゴンの昼下がり
著者名 日本大学芸術学部OB 横木安良夫・著
月号 1999年春季号 No.79
価格 2,700円(税別)
出版社情報 東京都新宿区矢来町71、新潮社