五輪特有のプレッシャーに苦しみ、力を出し切れずに初戦敗退となったリオ五輪。当時の悔しさをバネに5年の研鑽を積んだ青木選手は、今再び五輪の舞台に立とうとしている。

東京五輪出場が決まった時は、「やっとリオ五輪での悔しさを晴らす場に立てる」という思いでした。前回大会では雰囲気にのまれてしまい、自分の持ち味を発揮することができませんでした。その経験があってからは、「緊張したらもったいない、いつも通りでいい」と自分に言い聞かせて試合に臨むようにしています。
コロナ禍の影響を受け、年間を通じて定期的に行われていた試合がなくなってしまい、不安はありましたが、目標を見失うことなく、毎日できることを常に考えて、工夫しながら練習してきました。例えば、屋外でできるような、スピードや体力づくりにつながるトレーニングなども採り入れていました。時には、予定通りに練習ができなくなって、ストレスを感じることもありましたが、次第に先を予測して臨機応変に対応できるようになってきたと思います。

五輪までの期間でやるべきこととしては、開催前に本番のトーナメントが組まれるので、対戦相手の分析をしっかりしていこうと考えています。その上で、自分の得意なところをさらに磨いて、相手選手の苦手なところでポイントが取れるように練習を重ねていくと共に、技の正確性を上げること、自分のペースを崩さないことも心掛けていきたいと思います。楽しんで試合に臨めば結果もついてくると信じています。
今の自分があるのは、地元、大学、会社など、全ての過程で関わっていただいたみなさんのおかげです。五輪の舞台で個人、団体共にメダルを獲って、これまでお世話になった方や応援してくださった方々への恩返しがしたいですね。

プロフィール

Chika AOKI ​[あおき・ちか]

1990年生まれ。福井県出身。武生商業高卒。2012年商学部卒。ネクサス所属。種目はサーブル。'13年・'14年と全日本選手権を2連覇、'15年のアジア選手権で銀メダルを獲得して注目される。'16年、初出場のリオ五輪は初戦敗退に終わったが、3ヵ月後のW杯フランス大会では3位。'17年の全日本選手権で3度目の優勝を飾り、'19年・'20年は準優勝。日本の女子フェンシング界において長きにわたり第一線で活躍し、2大会連続となる五輪切符を手にした。瞬発力とフットワークに定評があり、本番でもメダル争いが期待される。