第74回全日本大学対抗選手権自転車競技大会 総合優勝

第74回全日本大学対抗選手権自転車競技大会 総合優勝第74回全日本大学対抗選手権自転車競技大会 総合優勝

2017年夏、5年ぶりとなるインカレ王座に返り咲いた本学自転車部。今年の2018年文部科学大臣杯・第74回全日本大学対抗選手権自転車競技大会でも、各レースで選手たちがハイレベルなパフォーマンスを発揮し、トラック競技とロードレースのポイント合計で他校を圧倒。完全制覇こそ逃したものの、見事に2年連続52度目となる総合優勝を果たした。

着実にポイントを重ねたトラック競技

 8月17日(金)から3日間のトラック競技の舞台は、2020東京オリンピックの開催地でもある伊豆ベロドローム(屋内250m)。日本代表の沢田桂太郎選手(スポーツ科学・3年)をアジア大会2018ジャカルタ出場のため欠くことになったが、全9種目中7種目に昨年の優勝メンバー5人をエントリーするという強力な布陣で臨んだ。
 初日の第1レースは、いきなり花形の4kmチームパシュート予選。副主将・草場啓吾選手(文理・4年)が貝原涼太(生物資源・3年)、中山駿(経済・2年)、大屋正聡(スポーツ科・2年)の後輩3選手を率いて快走し、全体トップのタイムで最終日の決勝レースへと駒を進めた。また4kmインディヴィジュアルパシュート予選でも、貝原選手が大会新記録のタイムを叩き出してトップ通過を果たすなど、トラック制覇へ幸先の良いスタートを切った。
 
 大会2日目、注目は今年新たにインカレ種目となったオムニアム。1日のうちにスクラッチ10km、テンポレース10km、エリミネーション、ポイントレース25kmの4種目を走って獲得ポイントを競うというもので、この過酷な戦いには経験豊富な草場選手が挑んだ。終盤に勝負を賭ける作戦が奏功して1位となった3種目目のエリミネーションを終え、トップと4ポイント差の総合2位。しかし、最後のポイントレースでは思うような走りができず、ライバル校に逆転を許して悔しい4位に終わった。

エリミネーションは草場選手が実力を発揮して勝利。

チームスプリント決勝は明治大に惜敗(右から中島選手、坂本選手、治田選手)。

 また、午前中の予選を2位通過して臨んだチームスプリント決勝には、昨年のこの種目の優勝メンバー・治田知也選手(スポーツ科学・2年)を中心に坂本紘規(文理・4年)、中島詩音選手(文理・3年)が出場。しかし、予選トップの明治大にあと1歩及ばず準優勝となった。
 
 その一方で、インディヴィジュアルパシュート決勝では、貝原選手が前日に引き続いてスピードとパワーを見せつけ、最後は追い抜き勝ち目前まで追い込んで京都産業大の選手に圧勝。「自分が最初の決勝種目だったので、勝ててホッとしています」という言葉通り、チームに勢いをつける優勝となった。
 さらに、2020東京オリンピックの正式種目で、今回オムニアムと共に新種目となったマディソンでも貝原選手と武山晃輔選手(スポーツ科学・3年)のコンビが輝く。120周30kmを2人1組で交代しながら周回し、得点やラップを重ねて合計ポイントを競うレースに14校が出走して大混戦となったが、巧みなチームプレーによって12回あるポイント周回中10回でポイントを獲得。そのうち1位通過6回と、圧倒的な強さで他校を寄せ付けなかった貝原・武山組が、初代王者となった。

我妻コーチ(右)の指示を受けながらインディヴィジュアルパシュート決勝を走る貝原選手。

表彰式後、貝原選手は恒例のウイニングランへ。

マディソン決勝、走者交代のタッチをする武山選手と貝原選手(前)。

ケイリン7-12位決定戦に回った中島選手。逃げる相手を最終コーナーで抜き去りゴールし、7位を確定させた。

持久力とスプリント力が問われる1kmタイムトライアルで、治田選手は惜しくも2位。

 総合成績で2位・明治大に2ポイント差をつけて迎えたトラック競技最終日。一発勝負の1kmタイムトライアル決勝は、上位8名が1分3秒台を記録するハイレベルな争いになった。2選手が出走した本学は、治田選手が残り2組4人を残して暫定トップに立つも、最後はわずか0.1秒差で2位となり涙を飲む。また、昨年この種目2位だった坂本選手もタイムを伸ばし切れず5位に止まったが、2人の獲得ポイントが加算されて総合成績でのリードが広がった。
 さらに1対1の勝負で2回勝った方が優勝となるスプリント決勝は、順々決勝、準決勝を順当に勝ち上がった坂本選手が早稲田大・中野選手と対戦。だがここでも1勝1敗で迎えた3回戦に僅差で敗れ、惜しくも2位となる。

タンデムスプリントは、中島選手と1年生の遠藤拓巳選手(経済)のコンビで挑むも6位。

スプリント決勝2戦目は、坂本選手が逃げ切り勝ち。

 そしてトラック最終種目は、京都産業大との対戦となった4kmチームパーシュート決勝。館内の盛り上がりが最高潮に達する中でスタートし、序盤は本学がわずかにリードするも、その差は1秒以下という接戦。しかし、相手の隊列が徐々に崩れ始め、終盤に走者が3人になると一気にペースダウン。最後まで4人で走り切った本学は3.5秒差をつけてフィニッシュし、昨年2位となった雪辱を晴らす見事な勝利を飾った。
 実は大学のテストなどでメンバーの予定が合わず練習もできなかったそうで、「このメンバーで走ったのは一昨日の予選が初めて。そこで思った以上にいいタイムを出せたのは驚きでした。実力に見合ったイーブンペースで走れたことが結果に結びついたと思います」と草場選手は笑顔で振り返った。また、貝原選手はインディヴィジュアルパシュート、マディソンとあわせて3冠達成となった。
 最終的に獲得ポイント75点とした本学は、2位明治大に19点差をつけトラック総合優勝を決め、総合2連覇に大きく前進した。

チームパシュートは京産大に圧勝(前から貝原選手、中山選手、草場選手、大屋選手)。

チームパシュートは京産大に圧勝(前から貝原選手、中山選手、草場選手、大屋選手)。

笑顔が広がるチームパシュート表彰式。

トラック競技総合は本学が優勝。表彰台に立ち賞状を掲げる清水主将。

ロード競技は終盤、白熱の展開に。

「連覇は意識していたし、マディソンとの2冠も意識して勝ちたいと思っていた」という武山選手(左)と草場選手(右)ほか、137名が一斉にスタート。

 2週間後の9月2日(日)に行われたロード競技は、長野県大町市の美麻地区公道周回コースで開催された。本学からは昨年に続いてロード連覇を目指す武山選手、トラック競技でも活躍した草場選手のダブルエースをはじめとする8名がスタートリストに名前を連ね、アップダウンに富む13.4km×13周・174.2kmに挑んだ。
 

 1周目は大きな集団のまま進行したが、やがて小嶋健太選手(スポーツ科学・3年)、小口達矢選手(商・3年)を含む18名の先頭集団が作られ、さらにアタックと吸収を何度か繰り返した末に、小口選手ら9人が逃げグループを形成。周回を重ねるたびに後ろの大集団との差は広がり、最大4分近くまでになった。
 

序盤は小口選手らが先頭グループを形成してレースを牽引。

先頭グループを追いかける大集団の中に日大勢が3人。

 しかし、徐々に追走集団のペースが上がり、7周目に入る頃には逃げグループとの差は2分30秒前後に縮まった。8周目に3人が遅れて後続に吸収されると、残った6人の中から京都産業大・中井選手がアタックをかけ、20秒差で小口選手が追いかけるなどグループがバラついてきた。単独で9周目に入っていく中井選手と、追走する小口選手らとの差が1分20秒ほどに開く一方、武山選手ほか各校の実力者たちが集団から抜け出し、やがて先頭グループを吸収して22名の追走集団を形成。そして、11周目に入ったところでついに中井選手を捉えると、そこからは武山選手ほか、依田翔大選手(スポーツ科学・1年)、栗原悠選手(スポーツ科学・2年)、片桐東次郎選手(文理・1年)と4人が残った本学が中心となって17名ほどの集団を引っ張ってペースアップしていった。
 

サポートメンバーから給水を受ける栗原選手。

レース開始直後に先頭グループを走りペースを作った小島選手(左)。

 12周目終盤、上り坂で依田選手がアタックを仕掛けるが、追走してきた明治大学・野本選手にかわされてしまう。単独先行する野本選手を13秒差で依田選手が追い、その後ろ45秒差で16名が追い掛ける展開で、いよいよ最後の周回へ入った。残り7km過ぎ、その集団から抜け出し、逃げる野本選手を追い始めたのは、昨年の王者の意地を見せるべくスパートをかけた武山選手だった。「1・2年生が上手くレース展開を捌けていたので、自分はさほど脚を使わずに走れて、調子も良かった。最初は姿が見えなかったけれど、サポートからタイム差を聞いて縮まっているのはわかっていた」と懸命にペダルを踏んでスピードを上げ、ついに野本選手の後ろ姿を視界に捉える。さらにペースを上げた武山選手は、残り1km地点でその差わずか5秒にまで肉迫。給水エリア近くに陣取っていた井上監督の檄と、「いけるぞ!」というサポートメンバーからの大声援を受け、最後の急勾配を登っていくが、ここにきて相手の脚にはまだ余力が残っていた。「距離を詰め切れなかったのは自分の実力不足」(武山選手)と、逆に24秒差をつけられ野本選手の先着を許すことになった。

残り2周で先頭グループに迫る武山選手(右)と片桐選手(左)

ラスト200mの上り坂で懸命に前を追う武山選手。「残り4周くらいから優勝するつもりでいたが、野本選手の飛び出しにはあえて後輩で勝負した。少し守りに入り過ぎたのがこの結果かなと思う」と振り返った。

最後まで集団から抜け出せなかった草場選手。「今年の経験者が3人残るので、この2年間のいい流れを引き継いで、連覇を途切れさせないように頑張ってもらいたい」

最後の周回でアタックをかけた依田選手。「周りに誰もいなかったので勝負に出た。後ろを見ずに思い切り行ったが、抜かれてからついていけなかったのは今の自分の実力。来年勝つために、いい勉強になった」

ロードの総合成績は、武山(2位)・栗原(6位)・依田(10位)の3選手合計で21ポイント。ベスト10に3選手が入り22ポイントを挙げた中央大学にロード総合優勝を譲ったものの、トラック・ロードを含めた総合成績では明治大に26ポイントの差をつける圧勝で、昨年に続く2連覇を達成した。今年のインカレ出場メンバーの中心が2・3年生だったこともあり、来年の3連覇にも期待が膨らむものとなった。

激戦を終えたロードレースメンバー。左からマッサーのベックさん、依田選手、栗原選手、草場選手、武山選手、小嶋選手、小口選手、片桐選手。

激戦を終えたロードレースメンバー。左からマッサーのベックさん、依田選手、栗原選手、草場選手、武山選手、小嶋選手、小口選手、片桐選手。

総合優勝の表彰を受ける清水主将(左)と草場副主将(右)。

3連覇へ向けての験担ぎとして、井上監督の胴上げでインカレを締め括った。

清水勇人主将(経済・4年)

「周りから言われるほどプレッシャーは感じていませんでしたが、2連覇できてとてもうれしいです。走った選手とサポートメンバーが一丸となることができ、全員の力があってこその優勝だと思います。後輩たちの走りは、みんな気持ちが出ていて、見る者を惹きつける熱い走りをしてくれました。武山選手もあと少しでしたが、来年はきっと勝ってくれると思います」