2017年 セ・リーグ新人王 中日ドラゴンズ・京田陽太選手

2017年 セ・リーグ新人王 中日ドラゴンズ・京田陽太選手2017年 セ・リーグ新人王 中日ドラゴンズ・京田陽太選手

今春本学を卒業し、プロ野球・中日ドラゴンズに入団した京田陽太選手(法学部卒)。開幕スタメンを勝ち取ると、5月後半からは不動の1番打者として出場141試合(セ新人歴代5位)で打率2割6分4厘、盗塁23(リーグ2位タイ)の活躍。球団新人記録を更新する149安打を放つなどの活躍が認められ、2017年のセ・リーグ最優秀新人賞に選出されました。中日からは川上憲伸氏以来19年ぶり、野手では1988年の立浪和義氏以来、歴代10人目の快挙です。
京田選手は去る12月12日(火)、本学の田中英寿理事長、大塚𠮷兵衛学長への表敬訪問のため、恩師である仲村恒一野球部監督と共に来校。新人王受賞の報告と、ナゴヤドームへの「スポーツ日大」の看板掲出に対する感謝の意を伝え、サイン入りのユニフォームとボールを手渡しました。
これに先立ち「スポーツ日大」では、京田選手にインタビューを行い、今シーズンを振り返って頂きました。

多くのことを経験したプロ1年目

「NPB AWARDS 2017 supported byリポビタンD」において最優秀新人のトロフィーが授与されました。

――新人王受賞、おめでとうございます。

ありがとうございます。正直、DeNAの浜口(遙大)投手がクライマックスシリーズや日本シリーズで活躍していたので諦めていました。1年間ずっと1軍でプレーしてきたことが評価されたのかなと思います。野球人生で1回しか獲れない賞ですし、歴史に名を刻めてうれしく思います。

――今シーズンを振り返っていかがでしたか?

ほんとにあっという間でしたね。初めてのことばかりだったし、ナイトゲームも増えて生活リズムをそこにあわせていくのに、どうしたらいいかわからない時期もありました。ずっと1軍でやらせてもらったので、その点はだいぶわかってきましたが…。
成績には、すべての面で満足していません。ほんと、全部です!盗塁はリーグ2位でしたが、正直もっと走れたと思います。秋季キャンプで臨時コーチの福本(豊・元阪急)さんからもいろいろ教えて頂きましたが、試合の中で自分なりに考えながらトライしていきたいと思います。

――練習好きと言われていますね?

僕が一番へたくそだと思っていますから。それに僕はずっと試合に出させてもらっていましたが、出られない選手もいるので、試合に出る以上はちゃんとやらないと周りに迷惑がかかりますから、しっかり練習しないと…。

9月18日の巨人戦で、新人最多安打の球団新記録140本を達成。

――新人最多安打記録が話題になりました。

球団記録(139安打:1959年・江藤慎一氏)の時は、途中からもういけると思っていたので、近づいてきてもさほどプレッシャーはありませんでした。でも、長嶋茂雄(巨人)さんのセ・リーグ新人記録(153安打:1958年)の時は、周りからもいろいろ言われましたし、新聞に「京田メーター」とかが出るようになって、次第にプレッシャーを感じるようになりました。ふつうに生活していても数字のことが気になってしまい、意識しないようにしても意識してしまって…だいぶきつかったですね。「これもプロ野球の一部なのか」といい勉強になりましたが、結果的にあと5本届かなかったのでとても悔しいです。
ただ今思うと、記録を更新していたら、どこかで慢心していたかもしれないので、シーズン終盤は打てずに終わりましたが、ある意味で来年につながるいい形で終われたかなと思っています。

――シーズンを通して印象に残っていることは?

先輩方の節目の記録に立ち会えたことですね。荒木(雅博)さんの2,000本安打とか、岩瀬(仁紀)さんの950試合登板とか…そういう凄い記録を目の当たりにできたことは良かったと思います。
あとは、僕のエラーが大量失点につながって負けた試合(5月28日・ヤクルト戦)。ピッチャーの方にも申し訳ないし、今までそういう経験をしたことがなかったので悔しかった。でも試合後にはコーチや先輩方からいろいろ声を掛けて頂いて励まされましたし、もっとちゃんとやらなきゃいけないなって思いました。次の日がたまたま試合のない日だったので、気持ちもしっかり切り替えられました。

――今季のベストプレーだと思うのは?

そうですねぇ…三塁打を打って、そのまま隙をついてホームまで還ってきたやつ(5月24日・DeNA戦)とか、相手の意表をついて次の塁を獲ったりするという走塁面ですね。その試合ではピッチャーの暴投の時に、二塁から一気に生還したこともありました。チームが掲げる「走塁改革」というテーマもあったので、そういう点ではいいプレーができたかなと思います。

9月9日の広島戦、2回裏2死1・2塁から右中間にタイムリー二塁打を放つ。

――対戦してみて凄いなと思った選手は?

ピッチャーではやはり巨人の菅野(智之)さんですね。すべての球種が決め球になるし、中でもスライダーは凄かった。対戦成績は8の0でしたが、来年は絶対に打ちたいと思います。逆に広島戦は割とピッチャーとの相性が良くて結構打ちました…広島大好きです(笑)。
バッターでは、西武の秋山(翔吾)さんと、うちの大島(洋平)さんですかね。あとは、僕の憧れの選手の阪神の鳥谷(敬)さん。あちらも僕が好きだということをご存知なので、挨拶に行くたびにいろいろ話をしてくださいますし、バットも頂きました。うれしかったですよ(笑)。

――他球団の日大OBと話をすることは?

ヤクルトの山崎(晃大朗)さんは、高校・大学の先輩ですから、いつもいろいろ話をしますし、巨人戦では試合前に長野(巨人)さんに挨拶に行くと気さくに話をしてくれます。村田(修一)さんも見た目より優しいので(笑)、新人最多安打記録が近づいてきた頃には「頑張れよ」と声を掛けて頂きました。

――ファンの声援も力になりましたか?

はい。シーズン前半の頃は、ナゴヤドームでも結構きついヤジがありましたが、それも期待の裏返しだと思って受け止めていました。後半戦はだいぶ落ち着いてきましたね。51番のユニフォームを着た人も日に日に増えてきて、小さい子供たちまで51番を着て応援してくれますし、登場曲の際に“35億!”というコールをファンの皆さんが叫んでくれるのもうれしいですね。
プレゼントも寮に届きますが、お風呂セットとか肌パックとか美容系が多いのは、疲れを取ってほしいってことですかね(笑)。ファンレターも頂いて返信はできませんが、全部目を通しています。子供さんからの手紙は一生懸命書いてくれているのが伝わってきますね。

日本代表チームでは野球を楽しめた

――新人ながら侍ジャパンのメンバーにも選ばれました。

代表入りの話を聞いたときは、とても光栄だと思いましたし、日の丸を背負ってプレーできることに感謝して頑張ろうと。代表ではセカンドを守ってほしいと言われましたが、試合に出られるならどこでもやるぞという気持ちだったので、チームの秋季キャンプでセカンドの動きとかを体に覚え込ませてから、宮崎合宿に臨みました。稲葉(篤紀)監督からは「大変だろうけど頑張れ」と言葉を掛けて頂きましたし、ショートとして出る可能性もあったので、宮崎ではほかの二遊間の選手とコミュニケーションを取りながら両方のポジションで練習していました。

――背番号を「1」にしたのは?

大学時代に慣れ親しんだ番号ということもありますが、何より鳥谷選手の背番号なので、自分から「1」を選ばせて頂きました(笑)。

井端コーチとの個人練習は次第に熱を帯び、約30分におよんだ。

――井端(弘和)コーチからのマンツーマン指導もありました。

セカンドとしての打球への入り方を聞きに行ったら、井端さんからちょっとやろうかと言って頂いて…。投げるためにしっかり捕球せよと言われました。ショートにも通じることで、しっかり捕る姿勢ができていれば、送球もブレずに投げられるんですが、僕はそれがちょっと良くないってことで、捕球姿勢や体重移動などを指導してもらいました。なかなかこういう経験はできないですし、自分の引き出しにしなければと思いましたね。

北海道日本ハムファイターズとの練習試合に、1番セカンドで先発出場。2安打を放つ。

――アジア プロ野球チャンピオンシップを戦ってみてどうでしたか?

稲葉監督の初陣を優勝という形で飾れて良かったなと思います。個人としても3試合スタメンで出て、台湾戦で結果(4打数2安打3打点、1盗塁)も残せましたし、監督には終わったあと「いろいろ迷惑をかけたな」と言って頂いて…。また、ドラゴンズでは年齢の離れている選手が多いのですが、ジャパンでは同世代の選手たちといっしょに野球ができて、とても楽しかったというのが正直な感想ですね。2020年のオリンピックにも選ばれるように頑張ります。

もう一度、レギュラーを獲りに行く気持ちで

――来シーズン、森監督は「もう特別扱いはしない」と…。

そうですね、今年は失敗しても目をつぶって使っていただきましたが、僕もまだ自分がレギュラーだと思っていません。1つのミスでどうなるかわかりませんから、もう1回、今年と同じようにレギュラーを獲りにいく気持ちで臨むつもりですし、成績も含めすべての面でレベルアップしなければと思っています。

――2018年の目標は?

143試合フルイニング出場です。よく「143試合だけ?」と言われますが、143試合フル出場するには結果がちゃんと出ていなければ替えられますから、それだけのものが求められるわけです。しかも、ショートというポジションでフルに出るというのは体力的にも大変だと思うので、まずしっかり体をつくらないと。1年目とやることを特別変えるつもりはありませんが、2月からのキャンプ(沖縄・北谷)では、開幕までにケガをしないように自己管理をしながらやっていきたいと思っています。

――ゴールデングラブ賞を目指してほしいですね。

いや、まだ1年が終わったばかりなので、今はそういう欲はありません。3,4年ずっと出続けていかないと獲れない賞だと思いますが、いずれは獲りたいですね。

――来季の活躍も期待しています。

はい、もっと成長できるように頑張ります。

新人王効果もあって、表彰式やイベントなど多忙なオフを過ごすことになった京田選手でしたが、12月下旬からは地元・金沢に帰って本格的にトレーニングを開始。大事な2年目のシーズン、さらなる飛躍へ向けて、決意も新たに始動しています。

12月20日(水)に行われた「2017年第50回内閣総理大臣杯日本プロスポーツ大賞」の受賞式典では、京田選手が日本プロスポーツ大賞・新人賞を受賞。さらに、新人賞受賞者の中で最も貢献度の大きい選手に与えられる最高新人賞にも選出されました。

式典でのコメント

本日はこのような素晴らしい賞をいただくことができまして本当にうれしく思います。いろいろな方に来年が勝負だ、2年目のジンクスだと言われますが、僕自身来年は年男でありますし、楽しみな1年でもあるので、この賞を励みに頑張りたいと思います。ありがとうございました。