湘南ベルマーレ 2020年シーズン 加入内定 舘幸希選手

本学サッカー部を副将として牽引する舘幸希選手(文理・4年)が、来季からJリーグ・湘南ベルマーレに加入することが内定した。初めての練習参加からわずか1週間という電光石火の展開だったが、それは舘選手へのクラブの期待の表れを示すもの。2月に北海道コンサドーレ札幌に加入内定した金子拓郎選手に続いて、2020年シーズンは2人の本学出身Jリーガーが誕生することになった。

7月2日(火)、湘南ベルマーレの坂本紘司スポーツダイレクター(SD)と本学サッカー部・川津博一監督の同席のもと、「スポーツ日大 アスレティックパーク稲城」に新設されたパフォーマンスセンターで舘選手の内定記者会見が行われた。
 
冒頭、川津監督から湘南ベルマーレ関係者への謝辞と「サッカー界で長生きできる選手として成長してほしい」という舘選手へのエールが贈られた。

続いて、現役時代は“ミスター・ベルマーレ”と呼ばれた坂本SDから、加入内定に至る経緯が語られた。
新人選手のスカウト活動を行う中で、大学のリーグ戦でのパフォーマンスを見たスカウトから、来季の補強ポイントであるセンターバックでは「新卒で大学生を獲るなら日大の舘選手がいい」という意見が挙がり、急きょ舘選手に6月15日(土)の大学生との練習試合への参加を打診。「プレーが良ければ即契約をしたい」と考えながら、生憎の悪天候の中でも真摯にプレーする姿を見守った坂本SDと曺 貴裁監督は、館選手の将来性を感じたという。
「初めてうちの選手たちとプレーしたにも関わらず、非常にすんなりと我々の戦術の中で彼の特長が活きていた。監督が最初に言っていたのは“しっかりとプレーするね”ということ。グラウンドの状態が非常に悪い中でも90分間集中力を切らさず、ディフェンダーとして大事な部分を忘れずにプレーしていました」と振り返る坂本SD。

また曺監督は「体のぶつかり合い、体の入れ合いっていうところでほぼパーフェクトだった」と、大学生相手ではあったが守備時の対人能力を高く評価し、「それを継続的に続けていけば今後もっと伸びる。伸びしろを感じる選手」と話したという。
 
翌週も湘南の練習に参加した舘選手は、2日目の練習が終わった後に坂本SDから呼び出され、契約のオファーを受けた。「合否は最終日かと思っていたので、正直びっくりした」という舘選手だったが、その場での回答を求めるクラブ側の評価と熱意を受け止めて「湘南でプレーしたい、挑戦したいです」と即答。さらにJリーグ特別指定選手としても認定され、今季からJリーグの試合に出場することが可能になった。そして6月21日(金)、湘南ベルマーレが舘選手の2020年加入内定を公式に発表。出会いから7日目というスピード契約だった。
坂本SDは「今はクラブの練習に長い時間参加してもらっていますが、それは来季に向けての大きなアドバンテージ。まずは来年、新卒開幕先発を目指してやってもらいたいし、1年でも長くプロサッカー選手生活を続けてほしいので、クラブとしても全力でサポートしていきたい」と期待を寄せる。

日本大学サッカー部・川津博一監督
舘選手は、大学サッカー界では無名でありながら、練習参加において評価を頂き、こうした流れになったことを湘南ベルマーレ関係者の皆様に心より感謝申し上げます。残された大学4年の日々の中で、さらに高みを目指して精進し、チームでのポジション獲得はもとより、サッカー界で長生きできる選手として成長してほしい。

湘南ベルマーレ・坂本紘司スポーツダイレクター
サッカーのスタイルが合って、その力がチームで活かされるだろうと予測した選手には、時間を置かずにオファーするのが我々のスタイル。それに彼は本当に合致した。いろんな意味で将来を期待できる選手だなと感じられたというのが、オファーをさせて頂いた大きなポイントでした。

最後に館選手が「来季から歴史ある素晴らしいチームに加入することが決まり、喜びの気持ちでいっぱいです。サッカー選手としての自覚や責任を今まで以上に持たなければいけないと思っているので、チームの皆さんやサポーターの方々に少しでも早く認めてもらえるように全身全霊を尽くしてプレーしたいと思っています」と挨拶。

プロサッカー選手を目指して3月頃に他のJクラブの試合に帯同する機会を得たものの、そこでは自分のプレーが全く通用せず実力不足を痛感したという。また、並行して行なっていた就職活動で6月に入り一般企業の内定を獲得。心が就職に傾きかけていたタイミングで、湘南から声が掛かった。

「これがラストチャンスだと決めて、後悔のないよう、自分の良いところを出し切れるようにプレーしたいと思って臨みました。自分でも練習試合での手応えはありましたが、その結果を高く評価して頂きました」

さらに「現段階では自分よりレベルが上の選手はたくさんいると思います。そうした選手たちを追いつけ追い越せの気持ちで、日々の生活から努力していきたい。いずれは日大の同期の金子拓郎選手(北海道コンサドーレ札幌・内定)や、四日市中央工高の同期のサンフレッチェ広島・森島司選手らと、Jリーグの舞台で戦いたい」と意気込みを見せる舘選手。最後に「この内定は、いろいろな方の支えがあってのことだと思っているので、感謝の気持ちを忘れずに、日々精進していきたいと思っています」と決意を語った。

― 記者会見はどうでしたか?
結構緊張しました。控室でも、何を話そうかなとずっと考えて待っていました。でも、こうして会見が終わると、改めてクラブに加入するんだという実感が湧いてきました。
 
― 契約オファーをもらえるという予感はありましたか?
その日は坂本SDと日大の小田島(隆幸)コーチが練習を見にいらしていて、二人で話しをされているのを見て「何かあるかな」とは思ったんですけど、練習での手応えがなかったので「帰らされるのかも」と、ちょっとビクビクしてました(笑)。逆の話だったので良かったです。

― 契約の話を言われた時はどう思いましたか?
4日間の練習参加だったので、そのあと何日かしてから結果が出るのかなと思っていたので、正直「エッ、これでいいんだ?」って感じでしたね。こんなにあっさりと決まってしまっていいのかと…。技術的にJリーグで通用するのか不安もありましたが、曺監督とお話をさせて頂いて、自分のストロングな部分を評価してもらえたという実感があったので、そこは本当にうれしかったですね。
 
― その場で返事を求められたそうですが…
オファーをもらえたら、もうここに決めるぞという気持ちで練習参加に行ったので、その場で決断を求められたことにも抵抗はなかったです。また、ベルマーレには高校の先輩の坂(圭祐)選手がいることも大きな要因です。練習参加のことを伝えて、チームのことを尋ねたりもしていたので、話を聞いて好いクラブだなというイメージがありましたし、自分のプレーが湘南のサッカースタイルにフィットするなと思っていました。

― 同時にJリーグ特別指定選手にも認定されました。
それは二重の喜びでしたね。今シーズンも機会があれば出場できるということなので、早いうちから試合に出たいと思っています。
 
― 最初の練習試合に召集された日は大変でしたか?
当日に初めての合流だったのですが、若手中心のメンバーでしたし、大卒で顔なじみの選手もいたので、自分から積極的に話しかけていきました。試合の中でのコミュニケーションもスムーズにできたと思います。
 
― その後のチーム練習に参加して感じたことは?
大学レベルと違ってプレーが速いということ体感しました。フィジカルの部分も全く違いますし、練習がキツイなと。ただ、湘南の選手は、若手もベテランもみんな同じ温度でやれているというか、若手でもベテランに強く言うこともあって、そういうのも好い雰囲気だなと感じました。来年は自分もそういうようにやっていかなければいけないと思っています。

― 周囲の方へ「内定」を伝えた時の反応は?
両親には仮契約をしてから電話しましたが、「エッ、ほんと?」みたいな感じで、その時はさほど喜んでいるようには感じませんでした(笑)。ただ、就職のことも相談していましたが「自分の好きなようにしなさい」と言われていたので安心はしたと思います。また、高校時代の恩師の樋口(士郎)元監督に電話をしたら、第一声で「スゴイやん!」って言われて、それはメチャメチャうれしかったです。サンフレッチェの森島からも電話が来て、「早く試合に出ろよ」って言われました。彼はゆくゆく代表に選ばれる選手だと思うので、自分も早くそのレベルに行きたいと思います。
 
― 同期の金子選手がJリーグで活躍しているのを見てどう思っていましたか?
やっぱりうらやましいなと。就職活動をしている間も「本当にこれでいいのか」と自問することがあり、コーチからも「プロにチャレンジしてみろよ」と言われていたので、Jリーグの試合に出ている金子選手の姿を見ると悔しさもありつつ、チームメイトなので活躍するとうれしい気持ちもあって…。自分の中では、金子選手の存在がプロへのチャレンジを後押ししてくれたように感じています。
 
― 自分の武器はどういうところですか?
やはり持ち味は対人の強さだと思います。守備では絶対に抜かせないとか、相手のストライカーを絶対に封じてやるとか、そういう気持ちもありますが、一番は最後まで走るとか、球際で負けないとかというストロングポイント、戦う姿勢を見て欲しいと思っています。
 
― 逆にプロとし戦っていく上で必要なことは?
まずはプレースピードへの対応。ボールを止めてから速くとか、判断も早くしないといけないと思います。また、DFでありながら小柄な方(173cm)なので、Jリーグにいる190cm代のFWの人たちとどう戦っていくかも考えなければいけないですし、そのために予測とか準備を大切にしていきたいと思います。さらに足元の技術がまだ足りないと思うし、クロス対応とかの面でも使いづらいと言われたこともあるので、そういう点を残りの大学生活や湘南の練習参加の間に補っていきたいと思っています。
 
― プロサッカー選手になるということをどう感じていますか?
バックアップメンバーとしてリーグ戦を見に行った時、チームがサポーターの方々から強い口調で色々言われたりすることもあって、そういうのを見ると「サポーターのため」とか、「誰かのために」というのが増えるのかなと思いますし、サッカーを仕事にするということは、そうした責任につながるのかなと思います。
 

― 改めて抱負と目標を教えてください。
今は、湘南で試合に出られるようになることを一番に考えています。それができたら、また次の目標を立ててといこうと思いますし、どんどんステップアップして、いずれは日本代表というレベルの高いところでプレーすることが目標です。A代表で日本を背負って戦うというのは、小さい頃からの憧れであり、サッカー選手として忘れてはいけないことだと思うので、そこを目指して頑張っていきます!

 「クラブに評価して頂いたように、常に堅実なプレーを心掛けていきたい。その姿勢を忘れず謙虚にやっていくことで、ファンの方にも応援してもらえる選手になりたいと思います」

【たち・こうき】
1997年12月生まれ。
三重県出身。四日市中央工高卒。文理学部4年。
小学2年生の時に鈴西サッカースポーツ少年団に入団。伊賀FCジュニアユースを経て強豪・四日市中央工に入学すると、1年生で全国高校選手権の登録メンバー入りし、国体選抜にも選ばれる。3年時はDFのレギュラーとして全国高校選手権に出場を果たす。日大進学後はボランチにコンバートされ、1年生から主力として活躍。4年となりチームの副将を務め、大学リーグ戦1部復帰を目指している。