核軍縮をテーマに模擬国連

札幌日大高生ら40人、保有・非保有に分かれ議論

付属校
2022年04月05日

札幌市近郊の高校生が国連に加盟する国の大使として国際問題を議論する「札幌高校生模擬国連大会」が3月13日、札幌日大高の中高一貫校舎体育館で開かれた。

2020年12月の第1回に続く第2回。今回は「核軍縮」をテーマに核保有国、非保有国のそれぞれの立場に基づいて意見を交わし、作成した決議案について交渉を重ねた上で決議を採択した。

企画・運営したのは札幌日大高の生徒を中心に組織されたサークルSHMUN(Sapporo Highschool Model United Nations)。模擬国連の全国大会への出場経験も豊富で、現在は他校の生徒も含め10人程度で活動している。

21年11月に兵庫県で開催された高校生の全国大会には参加できなかったが、その時と同じ「核軍縮」をテーマに設定し、近隣の高校生と国際情勢について理解を深めたいという強い思いで企画した。

第2回大会に参加したのは20組40人。札幌日大高から7組のほか、北嶺、立命館慶祥、札幌第一、札幌国際情報、札幌開成が顔をそろえた。20組はフランス、中国、ロシアの核保有国と日本、ドイツ、オーストラリアなど非保有国の計20カ国のそれぞれの代表としての立場を明確にして行動した。

ロシアによるウクライナ軍事侵攻のさなかで、核兵器が使用される懸念もある状況だったが、侵攻を議題にすると収拾がつかない恐れがあったため、今回はあえて「アウトオブアジェンダ」として取り上げなかったという。

それでも議論は白熱し、異なる立場が反映された決議案を一つの決議にまとめていく作業は難航。各国が軍縮と核不拡散、核兵器減少の取り組みを推進していくなどとした決議が全会一位で採択にこぎつけた時は拍手が議場に響いた。

参加者にとって、国際情勢と各国の立ち位置を深く理解し、意見の取りまとめの困難さや会議を成功に導いた時の達成感を学ぶいい機会となった。

SHMUNを担当する札幌日大中等・高等学校の佐々木貴久教頭は「模擬国連は国際問題を身近に考える場であるだけでなく、議論のノウハウや交渉力、リーダーシップ、コミュニケーション能力が鍛えられる場でもある」と話す。学校側は引き続きSHMUNの自主的な活動を見守り、第3回の開催に向けて後方から支援していく方針。