オンラインで海外学生と授業 COILを推進

文理学部

学び・教育
2021年10月15日

文理学部は、オンラインで海外の大学と協働学習を行うCOIL(Collaborative Online International Learning:オンライン国際協働学習)への取り組みを進めている。

ドゥアンテム・クリサダーターノン准教授(チュラーロンコーン大学)、バーチャル背景はチュラーロンコーン大学キャンパス。マスクはコロナ・ウィルス対策のため

ドゥアンテム・クリサダーターノン准教授(チュラーロンコーン大学)、バーチャル背景はチュラーロンコーン大学キャンパス。マスクはコロナ・ウィルス対策のため

タイのチュラーロンコーン大学との間で行われたCOIL型授業では、日本のポップカルチャーをテーマに、Zoomを通して同大の学生4人が日本の漫画やライトノベルについて日本語や英語で発表、合計40人程度の学生が参加した。両大学の学生・教員を交えて意見交換が行われ、互いの文化への理解を深めた。

米ワシントン大学とのCOILでは、『鬼滅の刃』を取り上げた。合計14人の学生が参加し、作品の時代設定(関東大震災以前)やジェンダー・身体の表現、鬼とアイデンティティの問題など、文化批評的な議論が盛り上がりを見せた。

スロベニアのマリボル大学とのCOILでは、社会学の古典であり、精神病院等の「隔離された施設」における人間関係などを描いた『アサイラム』(E・ゴフマン著、1961年)の現代的読解を試みる3回の授業が展開され、同大学の学生5人と文理学部の学生4人が英語で発表・議論を行った。「日本によくある講義形式ではなく、参加型の海外らしい形式だったことに刺激を受けた」(文理学部学生)、「自分たちのクラスだけでは得られなかった新しい視点が得られた」(マリボル大学生)など、両校の参加者に好評。国際交流を深めた。

米テンプル大学とのCOILでは無料ビデオアプリ「Flipgrid」を利用して述べ58通のビデオレターを交換。「英会話サロンFlipgrid特別版」と銘打った企画では、テンプル大学日本校の協力を得ながらZoomを通して交流を持つことができた。「英語と日本語による国際交流の機会は楽しく面白かった」(文理学部学生)などの感想が寄せられた。

本年度後学期には、タイのチュラーロンコーン大学の学生と文理学部の学生間で「タイの風景・日本の風景」というトピックで2回にわたるディスカッションが予定されているほか、COIL以外にも、海外の教員がオンライン上で講演をし、文理学部の学生が質問をする連続講演会を実施中である。

これらの取り組みは「ICTを利用した文理学部の国際化」プロジェクト(研究代表者:閑田朋子)として、文理学部人文科学研究所総合研究費を受け、同学部グローバル教育研究センター(GREC)外国語教育部門と国際交流委員会の協力を得て、行われている。

また、本研究グループとは別にGREC主催で、日本大学文理学部とテンプル大学日本校(TUJ)との「英語と『やさしい日本語』を使った交流会」が開催された。文理学部の参加者20人は、事前に日本語を母語としない方と会話するための「やさしい日本語」の講習を受け、オンラインで交流を行った。「こんな楽しいイベントは初めてだった」(TUJ学生)、「日本語教育学の授業で学んだことが実践できた」(文理学部学生)などの声が聞かれた。

 

※ COIL:オンラインで日本と海外の学生たちをつなぎ、協働しながら何かしらのプロジェクトに取り組んで学ぶ手法。「COIL型教育」などとも呼ばれる。