企画展「神田発信! 大学スポーツの軌跡」

『神田大学スポーツ』の歴史に触れてきました!

取り組み・活動
2020年02月08日

東京都千代田区神田には日本大学の法学部、経済学部、理工学部、歯学部があります。前身の日本法律学校がこの地に移転してきたのは1895年なのですが、明治期には神田界隈に多くの法律学校が点在していました。その後日本大学、明治大学、中央大学、専修大学は総合大学に発展し、現在も校舎や施設が神田にあります。いずれの大学も明治期から学生スポーツの先導的な役割を担い、さまざまなスポーツで競い合ってきました。

今回は学生スポーツだけでなく日本近代スポーツの普及と発展に大きく貢献した「神田大学スポーツ」の1世紀あまりの歴史が展示されている「神田発信! 大学スポーツの軌跡」(入場無料/会期:4月12日まで)をリポートします!

 

【注意】3月2日(月)~3月31日(火)まで、明治大学博物館は臨時休館となります。詳しくは同館ホームページをご参照ください。https://www.meiji.ac.jp/museum/
 

 

御茶ノ水駅からすぐ!

会場入口(明治大学博物館特別展示室)

会場入口(明治大学博物館特別展示室)

企画展を見るためにやってきました、御茶ノ水! 会場は明治大学で、JR御茶ノ水駅の御茶ノ水橋口改札から徒歩4分ほどのところにあります。東京メトロの御茶ノ水駅、神保町駅からも近いようです。

展示場所は明治大学博物館特別展示室(明治期~現在までの神田大学スポーツ)と明治大学中央図書館ギャラリー(箱根駅伝)の2か所。まずはメイン会場の博物館に行ってみました。

特別展示室は地下1階にありまして、エスカレーターを降りた正面が会場です。博物館での展示は大きく分けて3つに分類されていました。他にも、明治大出身の作詞家、阿久悠記念館が同じフロアにありますので、昭和歌謡がお好きな方も来てみてはいかがでしょうか?

近代スポーツのはじまりと学生(明治~大正期)

特別展示室を入って左手のブロックでは、近代スポーツが日本にもたらされた当時の写真や年表などがありました。明治期には運動場を持つ学校がなかったということで、各学校は北区の飛鳥山で運動会を開催していたそうです。日大はこのころに陸上運動会をしていたという記録はないそうですが、水上運動会を行っていました。日大の競技部で最初に創設されたのはボート部(1905年)ですし、当時は水上運動会に力を入れていたようですね。ちなみに、1920年に大学令による大学となって以降、夜間から昼間に通う学生が増えたことで、日大の競技部数も増加したそうです。

大学スポーツの組織化と飛躍(大正~昭和戦前期)

こちらのブロックでは、武道・格闘技/陸上競技/球技/競泳/ボート競技/馬術・登山・ウインタースポーツ/応援団と、競技ごとに分類して展示がされていました。神田の大学初のオリンピアンは加賀一郎さん(明治大出身)で、彼が出場したアントワープ大会から今年はちょうど100年の記念すべき年になります。他におもしろかったのは応援部、明治大初代応援団長の相馬基さんで、この方が「三三七拍子」のリズムを創案されたそうです。神田発の応援が全国で定着したのはすごいことだなぁと感心してしまいました!

日大に関しては、ロサンゼルス大会で日大初の金メダリストとなった遊佐正憲さん、ベルリン大会で金メダルを獲得した葉室鐵夫さんの写真、墨田川を舞台に行われた漕艇競走・レガッタの応援風景、自動車部や馬術部の写真が印象的でした。

精華を競う―体育会の活躍(第二次世界大戦後~現在)

第二次世界大戦後〜現在の展示

第二次世界大戦後〜現在の展示

ここでは「フジヤマのトビウオ」と呼ばれた日大の古橋廣之進さんの資料が多く展示されています。戦後初のオリンピックであるロンドン大会に日本は出場できませんでしたが、オリンピックと同時刻で開催された日本選手権大会の貴重な写真、その後の全米世界選手権の記録証明書などがありました。某ドラマを見ていたので、個人的には胸が熱くなる展示でした!

古橋さんの展示横には1964年東京大会のポスターがありました。ポスター1号の日の丸の大きなデザイン、2号の陸上のスタート直後の「走る人々」の両方が展示されています! こちらは撮影禁止となっているので、写真を撮ることができなかったので、是非実際にご覧いただきたいです!

特別展示室の中央には各大学の現在が紹介されています。そこには「NU CATCH-UP」にも登場していただいた陸上競技部3選手(北口榛花、橋岡優輝、江島雅紀)の写真もありましたー!

トピック展示 神田の大学と箱根駅伝

箱根駅伝の展示コーナー(明治大学中央図書館ギャラリー)

箱根駅伝の展示コーナー(明治大学中央図書館ギャラリー)

博物館を後にして、隣にある明治大学中央図書館ギャラリー(リバティタワー内)に移動します。こちらでは神田の大学と箱根駅伝についての展示がされています。

歴代の優勝校一覧を見てビックリ! 第1回~44回大会までのほとんどは、日大、明治、中央、専修が優勝していました! 4校合わせて32回! 正直、過去の箱根駅伝についてあまり知らなかったので、かなり驚いてしまいました。日大はこれまでに12回優勝していて、最後に箱根駅伝を制したのは1974年でした。古豪復活に期待したいですね!

日大初代監督・丸三郎さんが使用していた木のメガホン

日大初代監督・丸三郎さんが使用していた木のメガホン

記念メダル、優勝旗、優勝盾など貴重な展示品が数多くありましたが、個人的に興味深かったのは日大初代監督・丸三郎さんのメガホンです。戦前に使用していたもので、なんと木製のメガホンです。木製のメガホンは見たことがなかったので、くぎ付けになってしまいました!

日大でもう1つ興味深かったのは、戦時中の第22回大会の資料です。1941年から2年間、戦時下ということで箱根駅伝が中止されていたのですが、靖国神社と箱根神社を往復し、戦勝祈願をするという趣旨で開催されたのが第22回大会でした。日大はその年に見事優勝しています。当時の写真、選手の日記、参加メダルが展示されているので、是非こちらもご覧いただきたいです!

博物館、中央図書館ギャラリーともに素晴らしい展示品ばかりでした! そして2月29日(土)には「神田発信! 近代スポーツと大学スポーツ」というシンポジウムが明治大学グローバルホールで開催されます。日大、明治大、中央大、専修大出身のオリンピアンと学識経験者が大学スポーツの過去・現在・将来を語り尽くします! 日大からはスポーツ科学部の西川大輔教授が出席されますし、これは見逃せません。

入場無料ですが要申込です。先着150名なので、お早めにお申し込みください!

 

※シンポジウム「神田発信!近代スポーツと大学スポーツ」は新型コロナウイルス感染症の予防対策に配慮し,「中止」となりました。