学祖の生まれた町 萩【後編】

街並み編

取り組み・活動
2020年10月29日

(1)関連史跡(顕義の生きた時代の街並み)

堀内 鍵曲

堀内 鍵曲

堀内 鍵曲(萩市堀内)

鍵曲(かいまがり)は、敵の侵入や攻撃に備えるため、左右を高い土塀で囲み、見通しのきかないように道を鍵の手(直角)に曲げた道筋です。堀内地区は藩政時代の城内三の丸にあたり、藩の諸役所や、毛利一門、永代家老、寄組といった大身の武家屋敷が並んでいた場所です。平安古地区とともに、全国で最初の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。おそらく顕義も通ったであろうこの鍵曲は、江戸時代にタイムスリップしたような感覚を味わうことができます。

萩 明倫学舎(旧明倫小学校)

萩 明倫学舎(旧明倫小学校)

萩 明倫学舎(萩市江向602(旧明倫小学校))

明倫館は享保4(1719)年に創建された長州藩の藩校です。嘉永2(1849)年に明倫館の拡張のため、現在地に移転しましたが、このとき明倫館再興用掛として移転・拡充に尽力したのが、顕義の大伯父である村田清風です。

明倫館の跡地には、昭和10(1935)年に萩市明倫小学校の木造校舎が建築され、近年まで使用されていました。平成29(2017)年に新たな観光施設「萩・明倫学舎」としてオープンしました。館内には、旧萩藩校明倫館展示室、世界遺産ビジターセンター、ジオパークビジターセンター、幕末ミュージアムなどがあります。
 

萩明倫学舎(萩市江向602(旧明倫小学校))
開館時間 9:00~17:00 年中無休
観覧料 大人300円  高校生200円  小・中学生100円

萩城跡指月公園

萩城跡指月公園

萩城跡指月公園(萩市堀内1-1)

萩城は慶長9年(1604)に毛利輝元が指月山麓に築城したことから、別名指月城とも呼ばれ、山麓の平城と山頂の山城とを合わせた平山城で、本丸、二の丸、三の丸、詰丸からなっていました。

本丸には五層の天守閣がありましたが、明治7年(1874)に天守閣、矢倉などの建物は全て解体され、現在は石垣と堀の一部が昔の姿をとどめ、一帯は国の史跡に指定されています。

菊ケ浜(萩市堀内)

菊ケ浜(萩市堀内)

菊ケ浜(萩市堀内)

北長門海岸国定公園内にあり、国指定史跡の萩城跡から萩湾に沿って、浜崎商港まで続く白砂青松の海岸。砂浜からは国指定天然記念物の「指月山」、沖合には笠山や多くの島々を眺めることができます。「快水浴場百選」に選ばれており、美しい夕景も絶景です。

(2)博物館・美術館

萩博物館

萩博物館

萩博物館(萩市大字堀内355)

萩博物館は 『萩まちじゅう博物館』 の中核施設として、萩開府400年の記念日である平成16年11月11日に開館しました。『萩まちじゅう博物館』は萩のまち全体を博物館としてとらえ、萩のおたからを保存・活用しようという新しいまちづくりの取り組みです。萩博物館はその拠点となる施設であり、萩の自然や歴史、民俗、文化などあらゆることが学べる機能を持っています。

平成26(2014)年には、日本大学広報部大学史編纂課(現・企画広報部広報課)協力で「山田顕義と近代日本」展が開催されました。


萩博物館(萩市大字堀内355)
開館時間 9:00~17:00 ※10月以降、特別展開催期間中を除く毎週水曜日定休
観覧料 大人520円  高校・大学生250円  小・中学生100円

松陰神社宝物殿至誠館

松陰神社宝物殿至誠館

松陰神社宝物殿至誠館(萩市椿東1537 松陰神社境内)

松陰神社境内にある展示施設で、松陰没後150年となる平成21年に開館しました。無料ゾーンでは松陰の生涯や萩市内のゆかりの地を紹介し、有料展示室では、松陰神社に伝わる遺墨・遺品類がわかりやすく展示されています。


松陰神社宝物殿至誠館(萩市椿東1537 松陰神社境内)
開館時間 9:00~17:00 年中無休 
観覧料 大人500円  中・高校生250円  小学生100円


 

山口県立萩美術館・浦上記念館

山口県立萩美術館・浦上記念館

山口県立萩美術館・浦上記念館

萩市出身の実業家、浦上敏朗氏が収集したコレクションをもとに平成8(1996)年に開館した浮世絵版画と東洋陶磁器を専門とする美術館。2010年には、萩焼をはじめとする陶芸の振興を目的に新たに陶芸館を増築。歌川広重、葛飾北斎、歌川国芳らの浮世絵約5,500点のほか、中国・朝鮮などの東洋陶磁約570点、近現代の陶芸・工芸作品約780点(2019年現在)が収蔵されています。


山口県立萩美術館・浦上記念館
開館時間 9:00~17:00 月曜日(祝日・休日を除く)
休館日 祝日・休日月曜日の翌平日
観覧料 普通展示:一般300円、学生200円
※特別展示は展覧会によって観覧料が異なります。

【参考文献・URL】
『山田顕義と近代日本』(萩博物館、2014年)
萩市観光協会公式サイト https://www.hagishi.com/