台風被害からの復興へ、
ロハス工学の新たな挑戦

工学部

取り組み・活動
2022年02月02日

「ロハスの家」再生へ向け

本学工学部50周年記念館(ハットNE)大講堂でこのたび、『第10回ロハス工学シンポジウム』がウェビナー(WEBセミナー)形式で開催され、「水害からの復興とロハス工学の新たな挑戦」をテーマに、ロハスの家群跡地再生プロジェクト第1回報告会を実施した。

本シンポジウムは、これまでに検討してきたプロジェクトのグランドデザインについて、教職員や学生の代表から報告を行い、このエリアをロハス工学の発信源とし、さらにここに集う利用者の憩いの場として活性化させるための方策に関して議論するための場として設けられた。

工学部では、健康で持続可能な社会を実現するための「ロハス工学」を提唱している。その中枢であるロハス工学センターの活動拠点「ロハスの家」が、2019年10月の台風19号(令和元年東日本台風)で被災した。

被害を糧に挑戦へ。プロジェクトを立ち上げ

工学部は2007年より「ロハスの家研究プロジェクト」を始動させ、2009 年から毎年ロハスの家1号、2号、3号を構築するとともに、「浅部地中熱採集蓄熱システム」や「ロハスの花壇」、「ロハスの橋」、「ロハスのトイレ」を設置。工学部が掲げる「ロハス工学」の研究を推進し、その成果を公表して活用してきた。

台風被害で最大約2m浸水し、研究継続を断念せざるを得ない状況に、教職員で議論を重ね、水害からの復興とロハス工学の新たな挑戦の取り組みとして、ロハスの家以上に魅力的な施設を作ろうという結論に至った。

そして2020年、「ロハスの家群跡地再生プロジェクト」が立ち上がった。その目的は、この跡地を学生・教職員・地域住民にロハス(健康と持続可能な生活スタイル)を体感してもらう研究施設として再生させることであり、短期(1年)・中期(3年)・長期(10年)・超長期(20 年)にわたり、キャンパス計画を進めるための拠点とすることにある。

学生も参画。地域貢献も視野にワークショップ

2021年2月24日、「ロハスの家群跡地再生プロジェクト」の第1回ワークショップを開催。現在までに5回のワークショップを開催している。プロジェクトメンバーは運営委員会教職員16人、大学院生および学部生8人で構成されている。

第5回ワークショップ(2021年10月28日)では、水害からの復興とロハス工学の新たな挑戦の取り組みの第1回報告会として、これまで検討してきたプロジェクトのグランドデザインやコンテンツについて、教員と学生が発表を行った。

二つのワーキンググループ(WG)に分かれ、教職員メンバーの研究コンテンツ等検討WGは敷地条件の調査・研究を開始し、将来の設計・施工を検討。学生運営WGは学生が主体となり、ものづくりをきっかけとしたさまざまな学生のコミュニケーションによる相乗効果により、学生発のイノベーションを生み出すための検討を行う。

発表のほか、学生たちも係員として会場の設営や進行に携わった。学生たちは普段では関わることのできない貴重な経験をしながら、自分たちの力で学べる拠点づくりに奮闘している。

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