法学部
創設130周年記念シンポジウムを開催

要人迎え世界政治を考察

取り組み・活動
2019年12月03日

パネルディスカッション

法学部政経研究所は10月24日、政治学分野における世界的要人、トーマス・ポグントケ独デュッセルドルフ大教授を迎え、法学部創設130周年記念シンポジウム「議会制民主主義の揺らぎ ヨーロッパと日本の比較から」を10号館講堂で開催。世界政治の現況について考察した。

政経研究所は2018年度から3カ年計画で共同研究プロジェクト「議会制民主主義の揺らぎ」を実施、今シンポはその中間報告となる。

英仏独伊日の先進国では議院内閣制を採用し、連立政権を形成するとともに「政治の大統領制化」が指摘されている。

世界の大統領制化研究の中心的存在であるポグントケ教授は大統領制化の概念について「議会や政党といった集団的アクターから、個人のリーダーへの権力シフト」とし、大統領制化の下では選挙戦はリーダーのキャンペーンのように展開、メディアの政治報道もリーダーに焦点が置かれ、ポピュリズムの増大にも影響を与えていると述べた。世界では今後も政党政治が黄金時代を迎えることはないと予測した。

このあと登壇した岩崎教授は、日本の55年体制期の平均政権日数が528日だったとし、「93年に始まった日本の連立政権は安定的とされるが、実は自民党単独政権の方が安定していた」と述べた上で、ポスト55年体制における相対的に安定した政権の特徴を5タイプに分類した。

これを受けた神戸大の新川匠郎講師は各タイプの安定度を分析。連立与党の数が3以下で、かつ主導権を握るシニアパートナーが穏健な主張をしているケースが連立安定に寄与するなどとした。

パネルディスカッションでは欧州連合(EU)からの英離脱、大統領制化と民主化の成熟度など、さまざまな論点から議論を深めた。

記念展示会も開催。第1~3期に分け

法学部は創設130周年を記念した展示会を図書館の展示ギャラリー・学生ラウンジで開催している。第1~3期にわたるまとまったシリーズ展示会で、初の試み。

第1期(9月末~令和1年1月中旬)は法学研究所との共催による第3代総長を務めた「山岡萬之助と法学部の130年」および「法学の歩み(西洋)」で山岡氏の私物も公開。

第2期(同1月中旬~3月)は経済学部との共催による「アダム・スミスとその業績」でアダム・スミスが生存中に所有していた書籍などを展示し、その業績を振り返る。

第3期(同9~12月)は「西洋法制史コレクションの調査と保存」で、現在、修復作業中の貴重書も公開する予定。

この間、毎年新入生を対象に行っている自主創造展「日本法律学校と学祖山田顕義」も同4~8月に実施する。

日本大学管弦楽団、サントリーホールで創立記念演奏会

日本大学管弦楽団(会長・川又祐通信教育部長)は12月1日、東京・赤坂のサントリーホール大ホール(2千人収容)で創立130周年記念特別演奏会を開催する。同ホールでの演奏会は創立100周年以来30年ぶり2回目。法学部と同校友会が後援する。

曲目は、サン=サーンス・交響曲第3番『オルガン付き』、ボロディン・歌劇「イーゴリ公」より『韃靼人の踊り』などで、指揮は団の首席指揮者である佐藤雄一氏、オルガン奏者は橘光一氏。

川又会長は「130周年を自主的に祝いたいという学生の熱意でここまできた。同ホールならではのパイプオルガンも楽しんでほしい」としている。