施設設備を
充実してほしい

KAIZENプロジェクト
2022年05月13日

学生の街 お茶の水で学ぶ
~日本大学図書館歯学部分館~

読書も学修もディスカッションも。
気軽に立ち寄り、仲間と夢語り合える場に。

日本大学には、学部や大学院独立研究科ごとに計17の図書館分館・図書室が設置されている。蔵書は、重要文化財・重要美術品等さまざまな学問分野の和洋図書・学術雑誌資料約570万冊(令和3年4月現在)と国内屈指の規模を誇る。各分館を統合したオンラインデータベースやデジタルミュージアムなども整備され、学生・教職員の学修や教育研究活動を幅広く支援している。

主体的に学べる新図書館がオープン

図書館入り口

2022年春、学生の街お茶の水にある本学の歯学部に完成したばかりの本館新校舎(地上7階、地下2階)。ここに移転してきた図書館分館は、利用しやすい書架やラーニングコモンズ、グループ学習室(グループスタディルーム)など学生が主体的に学べる環境が整えられている。新たな図書館のあり方を検討し、実践に取り組む分館長の髙橋富久教授(解剖学第Ⅰ講座)に話を聞いた。

豊富な蔵書、探しやすく

歯学部図書館分館長 髙橋富久教授(解剖学第Ⅰ講座)

歯学部図書館分館長 髙橋富久教授(解剖学第Ⅰ講座)

歯学部図書館分館(以下、分館という)は今回、JR御茶ノ水駅からほど近い、歯学部の学生が毎日のように通う同学部新本館に移転し、館内も都会型で明るい雰囲気になりました。

新分館についてまず注目していただきたい点は、蔵書の豊富さと利用のしやすさです。最新版の歯学系図書や歯科医師国家試験の問題集を中心に、書架の配置を一新しました。医学系図書をはじめ理工系、人文系図書の配置も工夫し、格段に探しやすくなったと自負しています。

分館ホームページもリニューアル

分館ホームページ

分館ホームページ

移転とともに分館のホームページもリニューアルし、見やすく使いやすいページになりました。学生が持っているスマートフォンやiPadから簡単にアクセスでき、分館の図書・雑誌をはじめ日本大学図書館が有する資料・電子ジャーナルなどを、知りたい分野・テーマに沿って簡単に検索できます。新着図書などのお知らせも見やすくなりました。電子書籍にも気軽にアクセスができ、貸し出し状況の確認や予約もオンラインで可能です。

学生による学生のための「学生選書」

学生による学生のための選書「学生選書」コーナー

学生による学生のための選書「学生選書」コーナー

新分館では、日ごろあまり本に親しんでいない学生にも気軽に足を運んでもらえるよう、歯学・医学に関連した手に取りやすい読み物や、話題の小説なども豊富に取りそろえています。薬学部との共同購入を進めている電子書籍の種類も充実してきました。

また歯学部では、学生による学生のための選書「学生選書」も始めました。出退館ゲート付近に学生選書コーナーを設けています。ほかの学生がどんな本を選んでいるか、眺めてみるだけでも意外に楽しいのではないでしょうか。旅行ガイドやHow toものなど幅広く扱っていますので、実際に本のページをめくりながら、活字を読む習慣を身につけていってほしいと思っています。

共に学べる場

地下1階には、学生の学修支援に向けた新たなスペースとして約130人を収容できる閲覧室兼自習室エリアを設けました。静粛な環境のもと集中して学修できるスペースを提供しています。同じフロアにはグループ学習室も計7ブース(定員3~8人)用意しました。壁全面がホワイトボードになっており、学生同士の勉強や少人数の授業などで工夫しながら使ってもらいたいと思っています。グループ学習室は、分館ホームページからオンラインで予約できます。

交流の輪を広げる

ラーニングコモンズ

ラーニングコモンズ

新分館の入退館ゲートを通るとすぐ左手に、ディスカッションしながら学修できるラーニングコモンズがあります。可動式のテーブルと椅子が置かれ、パーティションで区切ることも可能です。ここには各学年で使用する教科書、参考書が置かれ、自由に閲覧できます。

廊下側の壁は全面ガラス張りになっており、明るく開放的な空間で、学生同士の交流の輪が広がる最適の場所になるのではないかと思っています。ここが今後どのように活用されていくのか、私たちも楽しみにしています。

学生からの声

旧分館を知る歯学部3年生の学生に、新しい分館の使い心地や今後の期待について、ハードとソフトの両面から語ってもらった。

歯学部3年生の男性

明るい雰囲気で、専門図書も探しやすい配架

新分館は、私たちが日ごろ使う校舎に入ってすぐの場所にあり、とても身近で利用しやすくなりました。私は1年次から、授業のレポートを書くため参考文献を探しに旧分館を利用していましたが、新分館はさらに専門書が探しやすい配架になっていると感じます。入り口付近には一般図書や雑誌なども置いてあるので、自分の興味や趣味に合った本を探す楽しみも増えそうです。

また、地下には学内での試験会場にも使われる広い閲覧室ができました。普段は自習用にも使えるので、授業の合間などに訪れる学生が多くなるのではと思います。可能であれば個別ブースのように間仕切りなども設置してもらえるとありがたいですね。

歯学部3年生の男性

ホームページで電子書籍も

新しくできたラーニングコモンズやグループ学習室を使うのが楽しみです。学生が気軽に立ち寄ったり集まったりして、いろんな目的で活用できる場になりそうです。

私は、分館の新しいホームページも注目しています。もともと電子書籍は充実していましたが、以前のホームページでは文字が読みづらく検索もしにくかったというのが本音です。今回デザインなどが一新されて、見た目も親しみやすくなり、格段に利用しやすくなりました。本の検索や学習室の予約を、私たち学生が普段から持ち歩いているiPadなどから簡単にできるのも便利だと思います。

歯学部3年生の女性

友達と勉強教え合える場に

新分館に初めて来たとき、とても明るくて親しみやすい印象を受けました。早速、本も借りましたが、関連図書がテーマ別に並んでいて探しやすくなりましたね。

ラーニングコモンズのエリアは、テーブルや椅子を自由に動かせるので、一人でも友達同士でも、目的別に好きなようにレイアウトを変えて使えます。また地下のグループ学習室は、壁がホワイトボードになっているのでとても便利ですよね。これからCBT(共用試験)や国家試験に備えて、友達と一緒に勉強を教え合える貴重な場になると思います。人気になりそうなので、みんなが平等に使えるよう予約のルールづくりもぜひお願いしたいです。

歯学部3年生の女性

学生のニーズに応えてくれた新分館

新分館は、学生の様々なニーズに応えてくれていると感じます。
例えば、会話可能なエリアができたことです。図書館というと私語厳禁のイメージがありますが、このような場所ができたのは嬉しいですね。

講義で使うすべての教科書や参考書がおいてあるのも助かります。分館内で自習する際に重い書籍を持ち込まなくて済むからです。

また、飲み物の持ち込みが可能になったのも嬉しいですね。蓋付きの飲み物であれば分館内に持ち込めるので、一息つきたい時やリラックスしたい時には助かります。今後はカフェのようなスペースの併設も期待しています。

私は学生選書の委員をつとめていますが、各学年1人ずつ計6人が2カ月に1度集まり、学生目線で読みたい本、読んでほしい本を10冊ほど購入してもらっています。私は動物やHow toものを選んでいます。貸出もしているので、立ち寄った際はぜひ手に取ってみてほしいですね。

今後の取り組みについて

新しい分館に期待や要望の声が寄せられる中、髙橋教授が、さらなる工夫・改善の取り組みに向けて語った。

ビブリオバトルや映画鑑賞会も

講義で使う教科書や参考書

講義で使う教科書や参考書

新分館が、いろいろな意味で利用しやすくなったという意見を聞いて安心しています。一方で学生たちからは、閲覧室兼自習室エリアの机と座席のレイアウト変更についての要望が多く出ました。現状、このエリアは4年次に実施するCBT(共用試験)向けのレイアウトなのですが、多くの学生がさらに利用しやすくなるよう、試験を行わない平常時はレイアウトを変更するなどの対応をする予定です。

必要な改善点については図書館事務課や図書委員会の教員とも共有し、グループ学習室やラーニングコモンズの使用状況等も確認しながら、さらに学生の教育支援のためにできることを積極的に取り組んでいくつもりです。

将来的には、本好きの学生たちに集まってもらい、各自のお気に入りの本を紹介するビブリオバトルや選書ツアー、さらに映画の観賞会や講演会なども開催していきたいですね。

本を片手に、夢語り合えるような場に

髙橋教授

髙橋教授

図書館というと何か硬くて重々しいイメージを抱く学生が多いと思いますが、いま大学図書館のあり方は大きく変化しています。読書や学修といった目的がなくても構いません。とにかく一度足を運んでもらえたら、きっと日々の学生生活を充実させる新しい発見があるはずです。

私たちは今後も学生の皆さんの意見に耳を傾けながら、学生に寄り添った分館になるよう、図書館事務課と共に尽力していきます。そして一人でも多くの学生に来館してもらい、本を片手に、仲間同士で将来の夢を語り合えるような学生にとって居心地のよい場所にしていきたいと考えています。

【動画】施設設備を充実してほしい。

「学生の街 お茶の水で学ぶ~日本大学図書館歯学部分館~」