就職について考える
きっかけがほしい

KAIZENプロジェクト
2022年04月05日

就職セミナー@東京国際フォーラム

学生一人ひとりが「就職力を身につける」充実のキャリア教育。

“就活解禁日”の3月1日。東京国際フォーラムEホールで、日本大学主催の「合同企業研究会・就職セミナー」が2年ぶりとなる対面式で開催された。コロナ感染防止対策が徹底された中で、130社以上がブースごとに会社説明を行い、あちこちで熱心にメモを取りながら聴き入る日大生の姿が見られた。なお今回のセミナーでは新たな取り組みとして、参加を希望する学生に対し、一定の条件をつけた事前予約制が導入された。

入学時から始まるキャリア教育、
産官学連携の人材育成プログラムも

学生時代を“人生における最も重要な時期”のひとつと考える日本大学が力を入れている一つに、入学時から始まるキャリア教育がある。多彩な学びと実践の場を土台に、学生一人ひとりにきめ細やかな就職支援を行っている。働くことについて考えながら、じっくりと「就職力」を身につけるための大学の取り組みについて、学生部の野口眞一特任事務長に話を聞いた。

就活セミナーに参加条件

本学主催の合同企業研究会・就職セミナーは、例年400社以上が参加していましたが、長引くコロナ禍でも対面式を実現できるよう今回は130社程度に絞り、午前と午後に分けました。

一方で初めて実施したのが、「参加目的が明確な学生のみ参加できる」とした事前予約制です。せっかく企業側と直接対話ができる機会ですから、学生には、就活に向けた目的意識をしっかり持って臨んで欲しいという思いがありました。申込みフォームには、このセミナーに何を求めているか、どんな情報を手に入れたいかなどを書いてもらいました。内容は企業側にも見せて、当日のさまざまな質問に答えられるよう準備していただきました。双方にとってのメリットが大きいと実感しており、事前予約制は今後も続ける予定です。

入学時から働くことを考える

学生部 野口眞一特任事務長

学生部 野口眞一特任事務長

大学で今一番求められているのは、低学年次からの充実したキャリア教育だと考えています。近ごろの新卒採用は、多面的な自己分析を含めたエントリーシートの提出や、学生同士で企画立案をするようなインターンシップなど、選考過程からさまざまな分析力やスキル等が試されています。本格的な就活に突入する3年後期になってから自分の将来を考え始めるのでは、そのまま出遅れてしまうケースも少なくありません。

本学では、学生一人ひとりが1年次から「社会で働くとはどういうことか」について考え、社会人になるための心構えも学びながら、総合的な就職力というものを基礎からつくり上げられるよう、学内カリキュラムをアップデートしてきました。

入学時には働くことをテーマにしたガイダンスを各学部で実施し、授業でも専用のプログラムを組んでいます。1・2年次のキャリアガイダンスや2年次のインターンシップガイダンスを経て、3年次には就職ガイダンスを皮切りに公務員・教員ガイダンス、就職試験対策講座、マナー講座、業界研究会、模擬面接、先輩たちの就活報告会、OB・OG相談会などさまざまなプログラムが用意されています。多様な学びと実践のなかで、学生自身が、自分の理想とする働き方を目指せる企業への就活準備に入っていける環境となっています。

地方・企業と連携した独自プログラム

国際フォーラムでの就職フォーラムには多くの学生が参加した

国際フォーラムでの就職フォーラムには多くの学生が参加した

昨年度からは、地方公共団体や企業と連携し、産官学による共同人材育成プログラムもスタートさせました。例として、過疎化が進む自治体の移住・定住促進を視野に、まず観光客誘致に向けて学生たちが地域の魅力を再発見する取組みです。すでに、北九州市を舞台に実施し、秋田・福井・京都においても実施に向けて調整中です。

公募で集まった学生たちはチーム別に情報を収集整理し、PRのプレゼンテーションを行いながら、実際に社会で必要とされるスキルを鍛えていきます。企業側にとっては、今どきの学生がどんな価値観を持っているのか、自分たちの会社をどんなふうに見ているのかを知る機会にもなり、参加申し込みが増えています。

また、地方で働く魅力について幅広く知ってもらうために、「地方就職UIJターンセミナー」を年2回(6・2月)開催しています。全学部・全学年が対象で、日本大学と就職支援協定を結んでいる全国の38の地方自治体が、現地の企業や実際の生活について詳しく教えてくれますので、ぜひ低学年のうちから参加してみてください。

桜門会のOB・OG人脈

桜門会社長会のブース

桜門会社長会のブース

本学には118万人以上の卒業生でつくる校友会「桜門会」、さらに出身大学別で国内1位を占める2万人超の社長でつくる「桜門社長会」があります。

今回の就職セミナーでも17社にご協力いただき、桜門社長会のブースを設けました。企業が求める人材とは何か、就職活動に必要なスキルや展開の仕方などを直接レクチャーしてもらいました。学生にとっては、働くことについてより身近に感じる機会になったようです。

本学独自の就職支援サイト「NU就職ナビ」では、特別に企業と本人に許可をもらった上でOB・OGの名簿も提供しています。この名簿を見て、学生たちは各自で訪問アポイントを取ることができます。

今は民間の就職サイトから簡単に新卒採用エントリーができますが、就職活動というのは、学生自らが企業に売り込むことが不可欠です。どうしてもその企業に入りたいという熱意や誠意を、エントリーシートというものだけではなく、ぜひ会社を訪問して伝えてください。人事担当者に顔と名前を覚えてもらうことも含めて就職活動なのだということを再認識してもらえれば、志望企業の内定につながりやすくなると思います。

留学生向けのガイダンスも

本学では、1000人以上の留学生を対象にした就職支援にも力を入れています。在学時から留学生向けのガイダンスを開催し、在留資格や日本の雇用制度について理解を深めてもらうほか、留学生向け求人の情報を提供しています。就職セミナーにも「東京外国人雇用サービスセンター」にブースを出してもらっていますが、今年はコロナ禍で入国できていない留学生が非常に多く、ウェブ上での実施も検討中です。

"日大の就職セミナー"で得られた経験・気づき

就職セミナーの会場では学生から「初めての対面式で刺激になった」「OBの経営トップから直接アドバイスをもらえた」など、大学主催ならではのメリットを実感する声が聞かれた。

生物資源科学部3年

生物資源科学部3年

いろんな企業と出会える対面式はありがたい

本格的に就活に動き始めたのが1月からです。オンライン授業が多かったので、周りの学生の動きもよく分からず不安でした。久しぶりに友達と近況報告もしながら、対面式でいろんな企業を回るつもりです。こういう対面式のセミナーは学生としてはありがたいですね。

商学部3年

商学部3年

セミナーは視野広める機会に

セミナーでは、これまで名前を聞いたことはなかったが、大きな業界シェアを有する企業からも話が聞けて、就活の視野を広める機会になりました。最近は企業説明会もオンライン式ばかりで空気感をつかみづらかったのですが、今日は社員さんの様子を見ることで会社の雰囲気も分かりました。

国際関係学部3年

国際関係学部3年

担当者の名刺もらい次につなげる

今日は3社のブースに行きました。会社の担当者の方から名刺をもらうこともできたので、今後は個別に連絡を取りたいと思っています。対面型の合同企業就職セミナーに参加したのは初めてで、一つの企業だけでなく、ほかの通りすがりの企業とも偶然出会える良いきっかけになりました。

国際関係学部3年

国際関係学部3年

説明会で予想以上の情報も

事前に調べて気になっていた2社の説明を聴きました。ある会社は、商品は知っていましたが、大学の医学部とコラボして人体への影響について細かい実験を重ねていることを知り、関心度が高まりました。別のメーカーでは担当者から、女性の社員数や海外展開などについて思いがけず良い情報も聞けました。直近の民間の就職イベントがオンラインになったこともあり、こうした大規模な対面の説明会に参加できて本当に良かったです。

国際関係学部3年

国際関係学部3年

担当者の話が心に響いた

私はもともと県警を志望していたのですが、今日は警視庁のブースで担当職員さんと話す機会がありました。その方の入庁理由が自分の心に響いたので、警視庁も考えてみるつもりです。今後は大学で実施している公務員試験の対策講座も受けたいですね。今日の就職セミナーは参加条件として事前の書類提出がありましたが、就職について改めて考える機会になりました。

理工学部3年

理工学部3年

添削してもらい自信につながる

昨年まで学部内の「未来博士工房」プロジェクト活動などで忙しかったので、実質的な就活は年明けから始めました。今日は、以前から興味のあった会社の説明会を聞けたのが良かったです。社員さんの生の声を聞いて、会社についての新しい発見もありました。これまで大学の就職指導課の方には書類の添削をしてもらっていて、自信につながっています。今後は面接対策の指導もお願いする予定です。

理工学部3年

理工学部3年

幅広い業界に行けると分かった

コロナ禍で友人とも会える機会がなかったので、今日は近況報告も含めいろいろ刺激になりました。専攻が航空宇宙工学なので、航空系の企業を考えていたのですが、鉄道や自動車など幅広い業界でも、自分の身につけたものを活かせることが分かりました。いろんな会社に応募していこうと気持ちを新たにしました。

理工学部3年

理工学部3年

会社トップと1対1で話せる貴重な機会

面接のアドバイスをもらえると聞いて、桜門会のブースに寄りました。企業側が面接で大切にしていることや、経営者としての意見を聞くことができました。またキャリア形成についても、自分の漠然とした夢の具体化に向けて、3年後・5年後の目標を叶えるために必要なことをアドバイスしていただき、参考になる本も教えてもらえました。経営トップの方と1対1で話せるなんて経験は人生初で、本当に貴重でした。

全学に専任のスタッフ70人を配置し、学部間の連携による強力な体制のもと、タイムリーできめ細やかな就職支援を推進していく。

事務長

本学では、就職支援の専任職員約70人を各学部に配置しています。学部ごとのプログラムも多いため、職員らが本部のプログラムなどに参加しながら各学部の活動にフィードバックする工夫もしています。外部講師を招いたエントリーシート添削等のスキルアップ研修や、企業の人事担当者との積極的な情報交換などで、タイムリーな就職支援につなげています。

学生の皆さんには、ぜひ各学部の就職指導課にもコンタクトを取って、各種支援プログラムや個別アドバイスを受けていただきたいですね。私たちは、ときに厳しいことを言うかもしれませんが、そうした経験や気づきが、社会人になるための大きな財産となり、本番の就活では「思ったよりスムーズだった」と感じてもらえるようになるはずです。

【動画】就職について考えるきっかけがほしい。 日大就職セミナー@東京国際フォーラム