競泳 バタフライ 石川愼之助 選手
昨年はユニバーシアード・ナポリ大会を制し、インカレでは日本学生新記録を更新するなど、目覚ましい活躍を見せた(スポーツ科学部1年)。インカレ後の水泳の取り組み方、日大水泳部や2020年の目標などについて語っていただいた。
石川愼之助選手
―2019年はユニバーシアード・ナポリ大会の100mバタフライで優勝、インカレでも同種目で優勝をされましたが、ご自身で振り返ってみて、どんなシーズンでしたか?
いいシーズンでしたね。ユニバーシアードの優勝で手ごたえを感じ、その調子を維持してインカレを迎え、自分の実力を爆発させることができました。
―インカレでは日本記録まで0秒11差に迫る日本学生新記録で優勝されました。タイムが表示されたときには会場がかなり盛り上がったそうですね?
会場が揺れるほどのものすごい歓声で、想像を超えるタイムにレース直後は自分自身もかなり興奮しました。その後冷静になって、自分のステージが一段上がったと確信しましたし、意識も変化していきました。
―どのように意識が変わりましたか?
普段の生活では風邪やケガの予防などをより意識するようになりましたし、以前よりもいい練習ができるように努めています。インカレで出した51秒11は昨年の世界水泳の3位を上回るタイムです。もしかしたらオリンピックに出場できるかもしれないと考えていたのが、メダル獲得も可能だと実感できたことで、今までにはない特別な緊張感を持てています。
―記録が出たことがモチベーションアップにつながったのですね。現在の調子はいかがですか?
絶好調ではありませんが、4月の代表選考会に向けて順調に強化ができています。
―2019年は上京をするなど、環境の変化もありました。日大の水泳部にはどのような印象を持たれていますか?
進路を決める前にいくつかの大学で練習をさせていただいたのですが、そのときから雰囲気が好きですね。
―日大水泳部は、どのような雰囲気ですか?
練習には黙々と打ち込むのと、「よし、やるぞー!」と盛り上がってやるのと、2種類あると僕は考えていて、日大は後者なんですよね。今のメンバーはやることがきちんとわかっていて、しっかり練習をした後にはみんなで楽しく笑っています。そういったメリハリがあるのが自分には合っていますし、個性的でおもしろいメンバーが多いので楽しいです。のびのびとレベルの高い練習をできるのが日大水泳部です。
水泳以外では、山に入ったり河川敷でBBQしたり、外で思い切り遊んでいるときが楽しいと話してくれた
―なるほど。日本代表も雰囲気がよく、楽しそうな印象がありますが、日大水泳部と似ていますか?
代表はどちらかと言うと黙々タイプの方が多く、個人的には今以上に代表も楽しくしたいと考えています。同世代には僕みたいなタイプが多いので、2020では若いメンバーを中心に代表チームを作るんだという気持ちで、4月の選考会に臨みたいです。
―では4月の選考会でのライバルは、どなたになりそうですか?
世界水泳に出場した水沼尚輝さん、日大出身の小堀勇氣さん、安江貴哉さんなど、ライバルはたくさんいます。100mバタフライにはそうそうたる顔ぶれが並びますが、なんとか上位2番に食い込んで代表権を獲得したいですね。
―2020年の目標はやはり東京五輪の出場ですか?
東京五輪出場は通過点だと考えています。こんな大きなことを言って落選したらすごくヘコみますけど(笑)。それでも、これぐらいの気持ちでないと戦えないですし、出場するからには表彰台を目指さないと楽しくないですから。
―では東京五輪でメダルが目標ですか?
はい。ジュニアではユニバーシアードとユースオリンピックに出場していますが、メダルの有無で注目度も扱われ方も変わるという、シビアな経験もしています。ですからJOC派遣の大会で是が非でもメダルを獲得し、BIGになりたいですね。
―水泳選手としてBIGになりたいということでしょうか?
水泳選手としてはもちろんですが、最終的には人としてですね。五輪でメダルを獲得したら一生の勲章ですし、それが自国開催なら尚更ですよね。ですから僕の名前が影響力を持つというか、ある種のブランドになるぐらいの活躍をしたいです。
―是非そんな石川選手を見たいです!では最後に石川選手の競技における注目ポイントを教えてください。
ドルフィンキックが得意なので、ターン後に注目してもらいたいです。それと僕は身長が170cmなくて低めなのですが、泳ぎは大きいと自負しています。小さくても大きな選手に向かっていき、頑張る姿を見ていただきたいです。
<プロフィール>
石川愼之助
いしかわ・しんのすけ/スポーツ科学部競技スポーツ学科1年。2000年12月生まれ。愛知県出身。中京大中京高卒。100mバタフライの自己ベストは51秒11。
国際大会:19年ユニバーシアードリ・ナポリ大会 男子100mバタフライ優勝
国内大会:19年第95回日本学生選手権 男子100mバタフライ優勝