熱くなれ2020!!
日大アスリートとともに

競泳 自由形 吉田啓祐 選手

スポーツ
2020年03月20日

東京五輪を最高の通過点に

昨年は日本選手権で優勝を果たし、初の日本代表に選出された吉田啓祐(スポーツ科学部1年)。ユニバーシアード・ナポリ大会、インカレでも結果を残し、日本競泳界の未来を担う選手として存在感を示したが、その裏ではケガに苦しんでいたという。激動の2019年シーズンや2020年の目標などについて話をうかがった。

吉田啓祐 選手

吉田啓祐 選手

―2019年をご自身で振り返ってみて、どんなシーズンでしたか?

いいことも悪いこともあった年です。大学入学、日本選手権で初優勝、日本代表初選出はいいことです。悪いことはケガが多く、ヘルニアにもなり、泳げない時期が長期間あったことです。改めて振り返ると、どちらかと言えば悪いシーズンだったのかもしれません。

―大変な1年だったのですね。それでも日本選手権、ユニバーシアード、インカレでは結果を残されたのはよいことなのではと思いました。

自分ではそうは思いません。日本選手権もユニバーシアードも400mでは結果が出ましたが、それ以外は納得できるものではありませんでした。インカレでは総合優勝もできましたが、本来の実力を出し切れたとは言えません。僕だけでなくスポーツ選手は全員同じだと思いますが、全てのレースでいい結果を残して初めて納得できるのだと思います。

―先日はKOUSUKE KITAJIKA CUP2020に出場しましたね。現在(2020年1月)の調子はいかがですか

今の調子は良くないです。年末年始は泳ぎ込んだつもりだったのですが、結果は出ませんでした。理想の泳ぎができないのは、昨年に2つの手術をした影響もあるのですが、まだまだ練習が積めていないということだと思います。

―手術は腰のヘルニアでしょうか?

いえ、扁桃腺と左足親指の基節骨です。扁桃腺が腫れることが多く、昨年の夏にはそれが原因で初めて救急車に乗りました。ストレスでも腫れることがあって、大事な大会前に練習ができないこともあり、手術を決意しました。足はインカレの2週間前に自分の不注意で骨折をしてしまい、ずっと痛い状態でした。扁桃腺の手術後は練習ができないのがわかっていたので、同じタイミングで手術をしました。

―骨折した状態でインカレに出場して優勝されたのですか?

まぁ、そうですね(笑)。

―それはすごいですね。では懸念材料がなくなり、コンディションは上がってきているのですね?

そうですね、体の調子は良くなってきています。練習を積み重ねていけば、さらに良くなるので、これからの吉田啓祐に注目してもらいたいです。

吉田選手

日大の練習環境について、長水路が使えることや、寮の食事はバランスが良いだけでなくおいしいのがうれしいと話してくれた

―楽しみにしています。大学に入学してもう少しで1年が経ちます。高校と大学では何か変わったことはありますか

ケガが多くなったのは気の緩みがあったのだと思います。高校時代は練習だけでなく日々の生活も竹村知洋監督に指導していただいたのですが、大学では自分自身でしっかり管理しなくてはならなくて、知らず知らずのうちに甘くなっていました。

―それに気づいてから何か取り組みは変わりましたか?

今一番気をつけているのは食生活です。先日、瀬戸大也選手の記事を読み、食生活を変えたことで、コンディションを維持できているとおっしゃっていたので、それからはバランスの良い食事を心がけています。

―以前はどのような食生活だったのでしょうか?

ファストフード、炭酸飲料、あとはコンビニで自分の好きな物を買って食べていました。今は寮でバランスの良い食事を出していただいていますし、コンビニでもヨーグルトなどを買っています。

―昨年は世界水泳やユニバーシアードに出場されていますが、実際に世界と戦い、どのような印象を持たれましたか?

世界の選手は体も大きく、泳ぎもダイナミックです。身長差がある分、今より大きな泳ぎをする必要がありますし、技術面でも工夫しなければならないと感じました。

―なるほど。世界大会のレースで意識されていることはありますか?

相手選手にしっかりとついていくことですね。しつこく戦って最後にかわすのが自分のスタイルだと思っています。現状では世界を相手に最後にかわすことができないのですが、ラスト50mでもう一段ギアを上げられるようにこれから練習をしていきたいです。そのような泳ぎをみなさんにも見ていただきたいですね。

―ありがとうございます。では2020年の目標を教えてください。

東京五輪に出場することです。コーチからも「オリンピックは甘くない」と言われていますし、その言葉の重みをこれまでの経験で僕自身も感じています。今の実力ではメダルを獲得することは難しいので、東京五輪をいい形で経験し、4年後のパリ五輪につながる最高の通過点にしたいです。

―最後にライバル選手を教えていただけますか?

ライバルはいません。でも目標としているのは松元克央選手です。速さはもちろんですが、人間的にも尊敬できる方です。決しておごることがなく、とても優しいですし、話をすると魅了されます。僕も松元さんのような選手になりたいですね。

<プロフィール>
吉田啓祐
よしだ・けいすけ/スポーツ科学部競技スポーツ学科1年。2000年4月生まれ。佐賀県出身。日本大学豊山高卒。400m自由形の自己ベストは3分47秒1。
国際大会:19年ユニバーシアードリ・ナポリ大会 男子400m自由形 優勝
国内大会:19年第95回日本選手権 男子400m自由形 優勝