日大野球部、1部昇格。
勇躍!秋季東都リーグ優勝をめざす

スポーツ
2021年09月08日

4年ぶりに東都1部復帰を果たした野球部。要所において新たな指導力を有するスタッフを招聘。片岡昭吾新監督の下、徹底的に基礎固めに徹して、さらに持ち前のリクルート戦略の成功などが功を奏した。入替戦の戦いぶりから、過去23回ものリーグ優勝を果たしてきた、東都1部リーグでの今秋を占う。

投手の三本柱・赤星、市川、杉本が魅せた

エース・赤星は入替戦でも連日の登板にも見事に大役を果たした。秋のマウンドに期待がかかる

エース・赤星は入替戦でも連日の登板にも見事に大役を果たした。秋のマウンドに期待がかかる

獅子奮迅のエース・赤星優志投手(スポーツ科学部4年)の連日の快投ぶりは圧巻だった。
東都2部優勝を決めて、迎えた1、2部入替戦。今シーズンは1部2校と2部1位校の史上初の三つ巴となる変則的な入替戦となった。

本学は初戦の東洋大に2-1と勝利、翌日の立正大では12回裏にサヨナラのランナーを背負うピンチで、赤星投手はマウンドへと送り込まれた。

疲労が残る連投ながら、決め球のツーシームを駆使して上位打線に長打を許さず、サヨナラ負けを防いだ。こうなると俄然、ベンチは勢いを増した。

「総力戦でした。3人の投手をつぎ込み、継投の順番などでいろいろな選択肢を持ち、自信を持って戦うことができました。」

東都1部復帰は、片岡監督就任1年目の快挙となった。

投手の三本柱として確立した赤星、市川睦(法学部4年)、杉本幸基(スポーツ科3年)この3投手がいかなる場面でも動ずることなくマウンドで躍動をみせた。

接戦をモノにして安堵の笑みをこぼす主将の峯村

接戦をモノにして安堵の笑みをこぼす主将の峯村

打撃では、一発が期待できる3番の峯村貴希主将(経済学部4年)と4番DH小濃塁(経済学部2年)、コンスタントに適時打を放った林拓馬外野手(法学部2年)、強肩の高垣広大三塁手(経済学部3年)に守りの要・友田佑卓捕手(法学部2年)、代打の1番手若宮颯内野手(法学部4年)と、小兵身長162㎝ながら俊足でかき回した川畑光平(経済学部4年)などが、おのおのの個性を打ち出し、グラウンドで存在感を充分に発揮していた。

「決して受け身に回ったのではなく、中盤には立正大ベンチの声と気迫に押されそうになりましたが、そこは終始、落ち着いていたベンチでした。これが大きかったです。それもここまで周到に準備できた結果のように思います」

至極、冷静に語る片岡監督だ。
 

部員190人以上を牽引した若き指導者

コロナ感染予防対策をしながら、スタンドから応援する吹奏楽研究会

コロナ感染予防対策をしながら、スタンドから応援する吹奏楽研究会

入替戦で物を言ったのは、ひたすらに耐えて前を向き、チャンスを待つ我慢の野球。頼りになったのがゲームメイクできる3人の投手だった。

「多少、疲れがありましたが、いつでもイケるようにブルペンで準備していました。あとは、そうですね、秋には絶対に1部のマウンドで投げたい。その気持ちが勝りました」

赤星投手は、右肩と右ひじを軽くほぐしながら、調整の投球にあたっていた。

「憧れのマウンド神宮球場で、皆さんの声援を受けて、思い切りよく投げて勝ちたいです」
とエースは思いを新たにした。

4年ぶりの東都1部だ。当然ながら混戦必須なハイレベルで名高い『戦国東都』である。

本学応援ソングの定番『半歩』の心地よいリズムが、神宮球場の外野席から風に乗りバックネット裏まで届いてきていた。

秋季リーグ戦での対戦校は、いつもながらのしぶとさと根性がある亜細亜大、上位に定着まとまりにあふれて隙がない国学院大、勢いの波に乗ると手が付けられない中央大、粘りある駒沢大が得意とするしのぎ切る野球、少数精鋭青山学院大の華々しい攻守など、どこもハイレベルなチームばかりだ。

しかし、このところ全国大会における優勝から見放されている東都大学リーグ。

入替戦を2試合ともに1点差の僅差で勝ち切った本学の競り合いの強さは、秋への好材料となった。

片岡監督は、
「勝ちたいという意欲は我々スタッフも選手も一緒なのです。それだけに厳しい練習を課して、それがこの素晴らしい結果に結びつきました」

就任初年度ながら、総部員190余人をリードして、春の頂点へと昇りつめた。この経験は、秋季リーグ戦にも生かされるに違いない。

秋にも観たい“攻めの日大野球”

43歳で母校の指導者となった片岡監督。目指す目標はまだ先にある

43歳で母校の指導者となった片岡監督。目指す目標はまだ先にある

しかし、「1部昇格」は、今春に新チームが始まったときから掲げた目標のまだ通過点だ。

「新チームが始まった時から、目標に掲げたことがあります。春季リーグ戦で優勝、入替戦に勝利して1部昇格、さらに秋季リーグ戦優勝、全国大会の明治神宮大会で優勝することです。これをどのように遂行していくか、チーム全員で追及していきます」

控えめな口ぶりながら、しっかりと“優勝”の二文字に気持ちを込めた片岡監督。

選手たちは、この夏、千葉の習志野にある野球部グラウンドで地道な練習を続けている。

それも全員が1軍に上がり活躍したいとの夢を抱いている。ここに、より良き競争が芽生え、その相乗効果として我慢と粘り強さ、抜群の集中力となるのだった。

再び、立正大戦での本学らしいシーンがよみがえる。

延長13回表。3塁走者川畑が、チャンスに強い打者・林のショートゴロの間に、一気に本塁に滑り込み1点を奪取した。この絶妙で積極果敢な攻撃こそ、伝統あふれる“攻めの日大野球”である。

ベンチ上のスタンドやバックネット裏に座し、母校を声援する。これぞ大学野球の楽しみ方だ。

秋は大学野球の聖地・神宮球場へと応援に行こう。

それこそ本学の勝利という輝かしいシーンが待っている。

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