脳腫瘍・頭蓋底センター

脳腫瘍・頭蓋底センター概要

科長からの挨拶・特色

 腫瘍・頭蓋底センターでは、脳神経外科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、放射線治療科、麻酔科など、関連診療科の専門と連携したチーム医療を実践しています。各専門分野の知識と技術を駆使し、治療成績と根治性に加えて、安全性の高い技術・手術機器開発にも携わっています。
 母体となる日本大学医学部附属板橋病院 脳神経外科(板橋病院)はJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ:Japan Clinical Oncology Group)に参加しており、がん患者さんの診療の質と治療成績の向上を図ることを目的にした「脳腫瘍グループ」41施設(2021.10現在)に選出され、より良い治療法の開発と提供のため臨床研究にも取り組んでいます。特に頭蓋底(脳の深いところ)の治療は誰でも手術ができる分野ではないため、日大脳外科講座では日大医学部機能形態学系生体構造医学分野など基礎系講座とも連携し、技術トレーニングを行うなど若い世代から人材育成も行っています。板橋病院と日大病院(駿河台)はスタッフ間のシームレスな連携で、臨床・研究・教育の両立を柱に、大学脳外科としての役割を果たすべく取り組んでいます。私たち脳腫瘍・頭蓋底センター医療チームは、脳腫瘍・頭蓋底疾患のすべての患者さんに安全で確かな医療が提供できるよう全力で診療・治療にあたります。

脳腫瘍・頭蓋底センターからのお知らせ

 当センターでは、医療関係者向けセミナーの開催や、一般の方向けの情報発信を行っています。お知らせは、脳神経外科診療科ページをご覧ください。日本大学医学部附属板橋病院ホームページ特設サイト「がんの治療法」でも脳腫瘍について患者さん向けに説明があります。また、日本大学病院ニュースレターでも健康にまつわるいろいろな情報を掲載しています。


脳神経外科以外の診療科との連携

 脳神経外科診療科以外の特に眼科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科領域の先生方からご紹介いただく症例では、重大な頭蓋内疾患に関連することが非常に多くなります。先生方の迅速なご判断により早期にご紹介いただき、治療によって患者さまの生命やQOLが失われることなく社会生活に戻る一翼を担って参りたいと思います。眼科・耳鼻咽喉科領域では説明のつかない視力・視野障害や複視、眼球結膜充血などの症状から脳外科疾患を疑われる方がおられましたら、手術症例か否かなどに関係なくいつでもご相談ください。
 隣接した日大歯学部付属歯科病院の口腔外科と連携し、三叉神経痛に対する治療も行っております。外科治療以外にも麻酔科医による外来診療(ペインクリニック)もあります。歯科・口腔外科関連疾患が除外されても歯痛、顔面の痛みが持続するなど三叉神経痛が疑われる苦痛を有する症状の方がいらっしゃればお気軽にご相談ください。


脳腫瘍・頭蓋底疾患の治療

科長からの挨拶・特色

 脳腫瘍は誰もがかかる病気ではありません。多くの種類(疾患名)が存在し、発生部位も様々であるため適切な手術法や治療法も個人によってそれぞれ異なります。また脳腫瘍の手術は、他の臓器の「がん」手術のように、病変のある周辺部位を大きく“脳”ごと切除するような手術ができません。脳を区域で切除してしまった場合、脳には複雑な神経の伝達機能があるため、その部位がつかさどる体の機能を損傷してしまうからです。脳腫瘍の外科手術の場合、脳の機能を温存したり改善したりすることが重要で、腫瘍病変だけをできるだけを安全に多く摘出することを目指すのが脳腫瘍の治療になります。脳腫瘍の診断に必要な画像技術や手術手技の向上により、予後は良好になりつつありますが、診断や治療には、詳細な検査データから、あらゆる戦略を考えて治療計画を立てることが必要です。脳腫瘍・頭蓋底センターでの脳外科手術は、技術が熟練した医師だけで行われるのではなく、さらに神経モニタリング専門医も手術チームに加わります。患者さんにご満足頂ける治療を提供し、医療安全と治療成績を重視し、入院から退院まで患者さんのための医療チームが専門分野を駆使し治療にあたります。患者さんが納得して治療が受けて頂けるように、日々脳外科医療に真摯に取り組み、来院をお待ちしております。疾患に関連したことは安心して何でもご相談ください。


あらゆる脳腫瘍・頭蓋底疾患に対応しています

 脳腫瘍は、腫瘍のある場所や種類によって病名があり、非常に多くの種類が存在し、発生部位も様々なため適切な手術法や治療法も個人によってそれぞれ異なります。腫瘍のある場所が頭蓋底(脳の深いところ)にあれば、なお詳細に治療方針や手術戦略を決める必要があります。画像や血液検査など詳細なデータから、戦略を考え脳腫瘍に対する治療を行うことになります。
 頭蓋底には(脳幹・内頸動脈・椎骨動脈・12対ある脳神経のすべて・脳下垂体・海綿静脈洞・眼球・内耳)など、人としての活動や生命維持に重要な組織が密集した複雑な構造をしています。脳外科の各専門分野の中でも頭蓋底外科は高度で専門的な知識、技術が必要とされます。

 疾患の詳しい説明は、日本大学脳神経外科講座ホームページでもご説明しています。


  • 悪性腫瘍:神経膠腫(グリオーマ),悪性リンパ腫,転移性脳腫瘍
  • 頭蓋底腫瘍:髄膜腫,神経膠腫(星状細胞腫,神経膠芽腫,退形成性神経膠腫,乏突起神経膠腫 など),神経鞘腫(聴神経腫瘍,三叉神経鞘腫 など),胚細胞性腫瘍,中枢神経系腫瘍
  • 間脳下垂体腫瘍:下垂体腺腫,ラトケ嚢胞,頭蓋咽頭腫
  • 頭蓋底疾患:三叉神経痛,顔面痙攣,舌咽神経痛,視神経管骨折,脊索腫,眼窩内腫瘍,嗅神経芽細胞腫
  • その他:真珠腫(類上皮腫,軟骨肉腫類上皮腫を含む),グロームス腫瘍,コレステリン肉芽腫,鼻腔腫瘍,副鼻腔腫瘍(篩骨洞腫瘍,蝶形骨洞腫瘍を含む),鼻副鼻腔乳頭腫,中耳腫瘍,外耳腫瘍


神経モニタリング専門医が加わる手術チーム

 日本大学脳神経外科講座では、機能脳神経外科分野(パーキンソン病・不随運動などの専門分野)における世界的な先駆的施設としての地位を確立してきた伝統があり、精度の高い脳機能マッピング/モニタリングが可能な神経モニタリング専門医を有しています。特に、脳の深いところにある腫瘍などは、術中モニタリングを監視しながらの手術が非常に重要になります。脳の機能を保護し、温存することが重要になる脳腫瘍・頭蓋底の外科治療は、技術が熟練した医師だけで手術をするのではなく、専門チームとしてそれぞれが専門分野を駆使し患者さんの治療にあたります。手術中は、神経モニタリング専門医によって、脳機能が障害されていないかを監視(モニタリング)し、言語野や運動野といった脳の重要な機能の部位を確認(マッピング)しながら行う手術は、体の様々な機能に指令を出す役割をしている脳を、できる限り損傷されないよう回避する役割を担います。


画像で見る脳腫瘍と頭蓋底疾患の外科治療

 一般的にも良く知られているCT、MRI、PETを始め、多くの診断機器の目覚ましい進歩は、脳・脊髄などの形態を捉えるだけでなく、病的部位の画像化、数値化も可能にしています。中枢神経系の形態、状態などをより正確に把握することができます。脳神経外科疾患の診断においては、適切で精密な検査と画像診断は治療戦略を導き出す上で欠かすことはできません。


 脳腫瘍<鞍結節部髄膜腫>
腫瘍が視神経(目の神経)を圧迫したため、視力や視野(見え方)に障害が出ていました。眼科からの紹介で発見されました。


 脳腫瘍<前床突起髄膜腫>
腫瘍が視神経(目の神経)を圧迫したため、視力や視野(見え方)に障害が出ていました。眼科からの紹介で発見されました。


 

 脳腫瘍<蝶形骨縁髄膜腫>
腫瘍が巨大化し、広範囲に脳を圧迫したため、進行性認知障害が出ていました。術後、認知機能は正常化しました。


 

 脳腫瘍<悪性リンパ腫>
頭痛と失見当識で来院されました。開頭生検後、放射線・化学療法をしました。軽快退院されています。


 

 脳腫瘍<悪性神経膠腫>
頭痛で来院されました。腫瘍摘出後、放射線照射と内服による化学療法で治療しました。


 

 脳腫瘍<神経膠芽腫>
頭痛・視野障害を主訴に来院されました。腫瘍摘出後、放射線照射と内服による化学療法を追加治療しました。
症状は軽快し、内服治療を継続しながら職場復帰しています。


 

 頭蓋底疾患<内頚動脈上下垂体動脈分岐部動脈瘤 クリッピング術>
破裂瘤によるくも膜下出血のため突然の頭痛で救急搬送され、緊急手術で動脈瘤をクリップしています。


 

 頭蓋底疾患<内頚動脈眼動脈分岐部動脈瘤 クリッピング術>
未破裂動脈瘤が増大してきたため、動脈瘤をクリップしています。


 

 頭蓋底疾患<脳底動脈瘤分岐部破裂動脈瘤 クリッピング>
突然の頭痛と意識障害で救急搬送され、破裂瘤による重症くも膜下出血と診断、血管内治療では対応が困難であったため、動脈瘤をクリップで止血しました。


 

 頭蓋底疾患<脳底動脈穿通枝破裂動脈瘤 クリッピング>
突然の頭痛と意識障害で救急搬送され、破裂瘤による重症くも膜下出血と診断、急性期には出血点が不明でしたが、脳血管撮影で破裂瘤が描出されてきました。血管内治療では対応困難であったため、動脈瘤をクリップで止血しています。


 

 頭蓋底疾患<椎骨動脈解離性動脈瘤 クリッピング>
突然の意識障害で救急搬送され、椎骨動脈破裂解離性動脈瘤による重症くも膜下出血と診断、有窓型の椎骨動脈でいずれにも解離(裂けている)が及んでいるため両方ともに遮断することで病変部は血栓化しています。


 脳腫瘍<下垂体腫瘍および一部の頭蓋底腫瘍>
最新の神経内視鏡を用いた経鼻的手術を第一選択として手術加療を行っています。

神経内視鏡手術では、開頭することなく、鼻から内視鏡で腫瘍を切除します。

私たちにご相談ください

 脳腫瘍・頭蓋底センターでは、脳神経外科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、放射線治療科、麻酔科など、関連診療科の専門と連携したチーム医療を実践しています。





脳腫瘍・頭蓋底医療チーム<病棟看護師>より,患者さんへ

 頭部疾患を診断され,治療を受ける決断,社会生活を中断しての入院,大きな手術を受ける不安など,様々にストレスを感じていらっしゃるのではないでしょうか。
 入院された皆さんを支えるチームの一員である病棟看護師は,患者さんを大切な家族の一員と考え,どのような場面でも優しさをもって関わる事をモットーにしています。どうぞ安心して脳腫瘍・頭蓋底センターをご利用ください。日大病院がある神田駿河台は,江戸幕府が江戸城を守る砦として駿府の役人を住まわせたことによって地名が付いたという高台に位置します。その高台に建つ病院の11階に入院病棟はあります。ハイブリット手術室を備えた手術室やICU(集中治療室)だけでなく,病棟でも集中的ケアが必要な場合や重症度の高い患者さんが苦痛の多い時期に適切な治療,看護が受けられるよう集中ケア室が設置されています。
 経験5年目以上のエキスパートナースによるチームで集中ケア室を担当しており,日々安心・安全な看護を心がけています。手術後の回復期には早期にリハビリや退院に向けてスムーズに移行できるよう適切な環境とスタッフを整えています。手術及び治療を悩みながら決断された患者さんや御家族さまに満足していただけるよう,これからも日々精進してまいります。
 回復の折には,都心中央部にありながらも歴史を感じる雰囲気漂う,緑の多い神田界隈を散策するのを目標にされてみるのはいかがでしょうか。一緒に乗り越えましょう。



脳腫瘍・頭蓋底センター研究実績(欧文)

2021年度業績(2021.9まで)(2015-2020研究実績日本大学脳神経外科講座

  • Shun Yamamuro, Masato Kobayashi, Koji Shibuya, Naoki Otani, Atsuo Yoshino. Investigation of factors that contribute to the outcome of endoscopic transsphenoidal surgery as reviewed from our own cases. Interdisciplinary Neurosurgery 25: 101235, 2021.
  • Yamamuro S, Negishi H, Shijo K, Yoshino A.Treatment-responsive case of focal clivus IgG4-related hypertrophic pachymeningitis mimicking meningioma; case report.Acta Neurol Belg. 2021 Apr 8. doi: 10.1007/s13760-021-01667-5. Online ahead of print.
  • Sumi K, Otani N, Mori F, Yamamuro S, Oshima H, Yoshino A:Venous hypertension caused by a meningioma involving the sigmoid sinus: case report.BMC Neurol. 2021 Mar 17;21(1):119.
  • Sumi K, Suma T, Yoshida R, Kajimoto R, Kobayashi M, Katsuhara T, Hirayama K, Tang X, Otani N, Yoshino A:Massive intracranial hemorrhage caused by intraventricular meningioma: case report.BMC Neurol. Jan 16;21(1):25. doi: 10.1186/s12883-021-02056-4,2021

上顎洞血管腫に関連する論文(日本大学病院耳鼻咽喉科

  • Hisashi Hasegawa, Hiroumi Matsuzaki, Tohru Furusaka, Takeshi Oshima, Shinobu Masuda, Toshiyuki Unno, Osamu Abe. Maxillary sinus hemangioma: usefulness of embolization according to classification. Braz J Otorhinolaryngol. Jul-Aug 2017;83(4):490-493.


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