ニュースレター

消化器病センター

2017年9月号

消化器外科 病棟医 松野 順敬
消化器外科 病棟医 松野 順敬

日本大学病院消化器外科で主に手術、病棟業務を担当させていただいている松野順敬と申します。

常日頃、先生方からたくさんの患者様をご紹介いただき大変感謝しております。

幸いにも徐々に手術数、入院患者数ともに増加している状況で、入院された患者様に最適な治療を行い、なるべく早く退院していただけるよう日々努力しております。

手術を行った患者様は合併症なく、なるべく短期の入院で、早く元の生活に戻れるよう診療を行っておりますが、残念ながら一定の確率で合併症は起こってしまいます。

今回は、手術の合併症の中でも最も頻度が高い手術部位感染(SSI)についてお話しさせて頂きます。


SSIとは術後30日以内(人工物装着手術では1年)に発生する手術操作部位の感染のことで、感染の部位により表層切開創SSI,深部切開創SSI,体腔SSIに分けられます。表層切開創SSIと深部切開創SSIを合わせて一般に創感染と言われています。創感染のリスクファクターとしては、肥満、糖尿病、術中の出血量などが報告されていますが、論文によって内容は様々です。消化管手術における創感染の起こる頻度は疾患によって差がありますが、最も多いといわれている大腸癌では10-20%、胃癌でも約10%と高頻度で起こります。

創感染が起こると、処置の為平均で約1週間から10日間の入院期間が延長するといわれており、手術を受けられた患者様にとっては大変な不利益になります。

創感染予防のために、手術中の血中濃度の高い状態での抗生剤の投与、閉創前の手術創の洗浄、手袋の交換などを行っていますが、それでも一定の頻度で創感染は起こります。

創感染が起きた場合の処置の基本はドレナージです。創の発赤や腫脹を認めた場合、縫合した創を一部開放し、内容を排出、炎症が強い場合は抗生剤投与も併用します。創の一部開放でも炎症が改善しない場合は創を可能な限り開放し洗浄、ドレナージを行います。さらに炎症がひどく、創離開などが起きてしまった場合は全身麻酔での手術が必要になる場合もあります。


通常は病棟担当医と看護師で対応しておりますが、炎症が高度で感染後の皮下の欠損部が大きい患者様には皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN)と連携し、創部の陰圧吸引療法なども施行しております。残念ながらこれまで様々な対応を行っていますが、創感染の発生件数自体を無くすことは難しい状況です。

そこで、私たちが普段病棟で心がけていることは、毎日の病棟回診のなかで創感染の予兆を早期発見し対応することです。早く対応することによって、感染の悪化を防ぎ、その分入院期間が短くなり、患者様のQOLにも寄与すると考えております。

創感染だけでなく他の合併症が起きても、障害が少ないうちに適切な対応を行い、安全な医療を行っていきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願い致します。

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