ニュースレター

整形外科センター

2018年3月号

整形外科医局長 上田 脩平
整形外科医局長 上田 脩平

春草萌えいづる季節を迎え、先生方におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。


小生は骨粗鬆症外来を担当させていただいておりますため、今回は当院脊椎外科における骨粗鬆症性椎体骨折の診断と治療についてお話させていただきます。


まず、診断についてですが、高齢者の急性腰痛症を診察するにあたり積極的に椎体骨折を疑うようにしています。2013年の脊椎脊髄病学会誌によれば、70歳以上の急性腰痛患者147例に対してMRIを撮影したところ新鮮骨折が36%であった報告されております。また、2006年の日本腰痛学会誌によると、骨折の理学所見として棘突起叩打痛の陽性率はわずかに29%と報告されております。確かに、叩打痛よりも寝返りなど体動時の痛みのほうが陽性率は高いように感じます。また、胸腰椎移行部の骨折では骨折高位の痛みではなく、腰仙骨部・後上腸骨棘付近の関連痛の方が圧倒的に多いことも注意が必要だと思います。X線画像では、椎体骨折急性期においては椎体変形がない場合があるため、終板や前壁骨皮質の連続性に注目し、動態撮影や時間を置いて再撮影することで椎体の変形を確認するようにしています。椎体骨折のほとんどは問題なく治癒いたしますが、稀に予後不良となる患者様もいらっしゃいます。そこで、治療する上で以下の2つのことに注意しています。1つは画像的な予後不良因子です。2013年のSPINEによると、後壁骨折の存在がADLやQOLの低下、疼痛残存、骨癒合不全、高度椎体圧潰、寝たきりや死亡率を引き上げると報告されているため、後壁の評価には注意するようにしております。また2013年の脊椎脊髄病学会誌には、MRIでT1びまん性低信号・T2高輝度限局を示すタイプは椎体圧潰が進行し経過不良であると報告されています。もう一つは、患者様一人一人のADLや生活環境です。患者様によっては高齢な上に認知症、パーキンソン病、COPD、心不全など合併症があるため、2,3週間の安静加療中にどんどん廃用が進み、骨はついたが全然歩けなくなってしまったということも少なくありません。老々介護や一人暮らしをなさっている患者様にとっては2,3週の安静加療が時に致命的となります。当院脊椎外科では以上の2点を意識して、保存加療、超低侵襲手術(30分程で行う骨セメントを用いた椎体形成術)、低侵襲手術(経皮的後方固定術)を選択しております。さらに、低侵襲手術の適応とならない高度圧潰に対しては骨切り術や椎体置換術を行っております。


椎体骨折に対して、入院安静加療や早期除痛を希望されている患者様、難治性の腰背部痛で困っている患者様がいらっしゃいましたら、是非一度、診察させていただけると光栄と思っております。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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