アイセンター
2022年4月号
春暖の候、皆様ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
常々、多くの貴重な患者様をご紹介いただきありがとうございます。
今月のニュースレターは日本大学病院視能訓練士の後藤肇が当院での蛍光眼底造影検査の体制についてご紹介させていただきます。非侵襲性の光干渉断層血管撮影(OCT angiography)の普及により蛍光眼底造影検査を行わなくても診断や病態の把握が可能となる症例も多くなっていますが、蛍光色素の漏出や血管透過性亢進などは確認できないため、蛍光眼底造影検査は重要な検査の1つです。当院では蛍光眼底造影検査は基本的には予約制で一日の検査数は平均約5~6件毎日行っており、一か月の総数は約100~120件です。蛍光眼底造影検査が撮影可能なスタッフは5名在籍し、臨床試験(治験)の検査に必要な技術認定も積極的に取得しています。蛍光眼底造影検査が撮影可能な機器に関してはHeidelberg社製のSpectralisが2台、Topcon社製の眼底カメラが2台、Optos社製の超広角走査レーザー検眼鏡Californiaが1台となっております。これだけの豊富な検査機器と検査可能なスタッフが常在しているため、原田病や網膜動脈閉塞症等の緊急性が高い症例だけでなく、初診日にすべての検査を終了する目的で当日中に臨時造影検査として柔軟に対応出来ることも当院の強みの一つです。臨時造影検査は一か月の総数の半数近く約40~50件にも上ります。
蛍光眼底造影検査は初期どの部位からどの画角でスタートするか、周辺部撮影は必要か等、疾患により撮影方法は様々です。それぞれの疾患に対して何が重要か把握する必要があり、撮影する際はどのように撮影するのがベストかスタッフ間で連携して情報を共有することにより日々技術の向上と知識を深めています。また副作用が出現したときの対応はフローチャート化されており、経過をカルテに記載し主治医に報告し指示を仰ぎます。重度な副作用の場合にはアイセンターにいる医師は直ちに検査室に向かいますが、さらに状況に応じて他科医師への応援要請、院内コードブルーへの依頼もしており、患者様が安心して検査が受けられるような体制を整っています。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。