循環器病センター
2022年12月号
フットケアは連携の賜物
65歳以上の高齢者の70%が足に関して何らかのトラブルを抱えていると言われております。内訳は胝(たこ)、鶏眼(うおのめ)、陥入爪(巻き爪)、外反母趾などです。
加齢による影響(知覚の鈍麻、視力の低下など)で異常を見逃しやすく、そこに慢性疾患の影響(糖尿病、心疾患、末梢動脈疾患、静脈疾患など)が加わると、些細な足の病変が潰瘍化し趾を失うケースがよく見られます。
多忙な外来診療業務の合間に、特に主訴もないのに靴下やストッキングを脱がせてまで足の診察することはなかなか大変なことと思われます。しかし患者さん自身が足の異変に気付き、受診した段階ですでに切断以外の選択肢がなかったり、体力的に切断できない場合もあります。そうした事態は予防的なかかわりを持つことで十分に防ぎ得ます。
予防的フットケアを実施するときにみる足は、ほとんどが靴との因果関係によるものです。当院フットケア外来では状況に応じて1~3か月おきに足の状況を診察させていただき爪切り、胼胝+鶏眼の処置、スキンケア、自宅でのフットケア、靴の選び方の指導もさせていただきます。 慢性疾患の治療は、フットケア外来を窓口に循環器内科、糖尿病科、皮膚科、整形外科など多職種チームでのかかわりを行い治療し、かかりつけの先生方の専門性との連携で患者さんの足を救っていけましたら幸いです。
特に基礎疾患のある足病変の方のご紹介を宜しくお願い致します。
(簡単で結構ですので紹介状をご持参下さい)
2023年1月より
フットケア外来
(火)AM 大場医師/田岡医師
(木)PM 大場医師
胼胝 潰瘍形成 感染併発
陥入爪 出血+感染
青色足趾 足趾潰瘍+壊死