肉眼的血尿と膀胱癌
今回は膀胱癌のお話です。泌尿器癌には腎細胞癌(腎臓の肉の中にできる) 腎盂尿管膀胱癌(尿の流れる粘膜にできる) 前立腺癌 精巣癌などがあり、膀胱癌はそのうちで最も多いものです。膀胱癌で最も多い症状は「無症候性肉眼的血尿」、つまり「朝トイレに行ったら突然血尿が出てビックリ」のような症状です。このような場合はすぐ泌尿器科を受診するべきです。さて、このような症状で泌尿器科を受診したら、第一に行うべき検査は膀胱尿道ファイバースコープです。外来で行い、砕石位(婦人科の台のようなもの)で行い、所要時間は1-2分です。局所麻酔の入ったゼリーを尿道に注入し、あとはおしっこの管を入れる要領と一緒です。膀胱癌は膀胱の筋層(粘膜の下)に浸潤するかしないかで治療法や予後が大きく違ってきます。図1は「筋層皮非浸潤性」膀胱癌で腫瘍のみを切除し、のちに予防治療を行うことで多くの場合治癒が望めます。図2は「筋層皮浸潤性」膀胱癌で、膀胱全摘が原則です。この場合は回腸導管などの「尿路変向」手術の併用を要します。「無症候性肉眼的血尿」にはほかに炎症、前立腺肥大症や抗凝固療法に合併するものなどがあり、必ず膀胱癌によるとは限りませんが「転ばぬ先の杖」として受診を強くお勧めいたします。

図1 図2