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お知らせ

2020.11.10

本学が実施する新型コロナウイルスに関連する研究について

日本大学では、新型コロナウイルス感染症により生じた様々な問題について、研究の側面から社会貢献を目指しています。現在、本学で行われている新型コロナウイルスに関連する研究について、詳細は以下の表をご覧ください。また、取材依頼等、お問い合わせはこちら(研究全般に関するお問い合わせ)へお願い致します。
 
代表者の所属 研究代表者名 研究テーマ 内容
文理学部 桒原正靖 SATIC法を用いた新型コロナウイルス感染症検査試薬の共同開発(塩野義製薬) 新型コロナウイルス感染症を迅速にその場で検査する検査キットの開発を行っている。実現すれば、市中のクリニックや空港の検疫等で広く活用できる。
経済学部 LI KE The Chance and Challenge to Network Economic and Business Patterns Under Public Health Crisis of Coronavirus  It is attempting to construct new theoretical models of economic and business pattern based on the network effect and platform under current coronavirus and afterwards. 
経済学部 平木貴子 外出等の活動自粛時による在宅時間の増加が学生の生活習慣およびメンタルヘルスに与える影響 新型コロナウイルス感染症対策で求められる活動自粛によって、身体活動は著しく低下している。そこで活動自粛期間中の生活習慣とメンタルヘルスを把握し、それらの関係を検討する。本研究によって、メンタルヘルスの低下を予防するために必要な生活習慣モデルを提示することが可能となる。
商学部 吉原令子 英語教育における理論と実践 コロナ禍における新しい英語教育法(リモート授業の可能性と問題点)を探究する。
商学部 時田学 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が学生生活にもたらした変容 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大学生の生活様式に与えている影響について検討する研究である。特に、大学生の心身の健康を身体活動量やソーシャルサポートの観点から検討することを目的としている。COVID-19の影響を受けている状況において本研究を行うことは、現状の学生の健康状態を把握することに資するばかりでなく、今後、社会が似通った状況に陥った際の対処方略の計画に寄与する。
国際関係学部 川口智彦 北朝鮮を中心とした北東アジアの国際関係 北朝鮮における新型コロナウィルス感染症の感染状況を「朝鮮中央TV」など、北朝鮮メディアを通して分析している。国際的な感染状況を把握するという意味で、間接的に貢献している。
危機管理学部 金山泰介 新型コロナウィルス感染症対策と警察権限行使について 新型コロナウィルス感染症対策に警察が参画する上での現行法上の限界を明らかにするとともに必要な立法措置等を提言する。
危機管理学部 金惠京 ①国際テロリズム防止策、国際法、東アジアの外交問題
②日韓英のコロナ鬱に関する学生比較調査
①新型コロナウィルス感染症対策における当方の研究上の貢献としては、国際的な協力体制の構築が挙げられる。2020年現在、各国の国境はほぼ閉じられ、それぞれが対策を講じているが、「台湾の国連等への不参加」「硬直した日韓関係」「米中対立」等の要因により、成功例や情報の共有が不十分である。「テロ防止のための国際法構築」「外交政策の検討」から得られた経験を通じて、国際協力について提言を行うことを予定している。
②大学生や大学院生のコロナ禍における鬱をはじめとする心身の不調に対する国際比較調査。同一の調査票を用いて、国や大学によるコロナ禍の学生の状況を比較し、SSCI登録の国際ジャーナルにおける論文、国際学会等を通じて成果の公開を進める。
危機管理学部 鈴木秀洋 ①新型コロナ禍の児童虐待・ⅮV対応のパラダイムシフトの研究
②新型コロナ禍の福祉避難所の制度設計・変更の研究
③新型コロナ禍の自治体相談窓口(主に保健・福祉部署) 対応 検証の研究
①従前の対面一辺倒のケースワークでは命を救えず感染拡大も防止できない。新たな手法を模索することで二重の意味で命を守る。
②災害時の命を守る避難所の環境を根本から見直すことで関連死を防ぎ感染対策も兼ねる。
③コロナ禍が未だ終息しない感染状況下・現在進行形の検証として、住民の福祉増進を基本理念とする行政相談の取組・実態を検証する。
理工学部 依田光正 屋内外における段差昇降動作特性に基づく人と人との適切な距離に関する研究 本研究の主目的は、歩行に不自由を有する人による段差がある空間での歩行を含めた移動に際して、人の動作に配慮した福祉環境デザインの提言をおこなうことだが、研究成果のひとつとして、このような方々の段差昇降動作をおこなう際の動作空間について知見を得ることができる。これによって、屋内外問わず、段差がある場所で、移動に不自由を有する人も含めたソーシャルディスタンスの合理的な設定に寄与できる。
理工学部 押田佳子 東京都区部における新型コロナウイルス感染防止に向けた都市公園の利用制限プロセスに関する研究 新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止を目的に、都市公園が「感染拡大の場」とならないため、「通常時」「感染対策初動期」「緊急事態宣言下」を経て現在に至る各プロセスにおいて、公園管理者がどのような観点から利用行為制限をかけ、さらに各段階における公園管理上の課題ついて把握することで、今後の「衛生」と「安全」の観点に基づく公園管理の在り方を示唆する研究である。
理工学部 井本佐保里 コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言下の子どもの外遊びに関する研究 外出自粛が求められ、また公園などの閉鎖が実施されていた中で、どのように子どもの外遊びの機会を担保していたのか、またその際に生じた課題について、小学生以下の子どもを持つ世帯に対するアンケート、インタビュー調査により明らかにする。その上で、長期的な視点でウィルス災害と共存する子どもの遊び場の整備やルール作りに対して提言を行う。
理工学部 須川晃資 金属ナノ粒子の光特性を利用する高性能光デバイス、センシング技術の創製 当該分野のセンシング技術では、一塩基ミスマッチレベルの検出も報告されており、ラベルフリーな新型コロナウィルスの検出技術として活用されうる
理工学部 泉山塁威 コロナの路上客席に関する道路占用許可の緊急措置の実態把握とウォーカブルチェック 新型コロナウイルス感染症に伴うパンデミックにより、感染症対策により飲食店の客席減、売上減に対応するため、道路空間の路上客席の促進が図られている。これらの実践事例の実態把握をすることで、今後の路上客席の可能性と課題を考察し、With/Afterコロナの道路空間や飲食店経営に向けた一助となることを目指す。
理工学部 轟朝幸 ポストコロナ時代の交通のあり方に関する研究 COVID-19の蔓延により、人々が外出を控えるような行動変容が日常化したため、移動を支える交通施設の整備・運用も大きな影響を受けている。その利用者と運用の実態を探り、ポストコロナにおける交通ニューノーマルのあり方や感染予防や需要回復にむけた方策について検討し、安心して楽しく快適に移動できる交通社会の構築に貢献する。
生産工学部 大前佑斗 多様な対策を表現可能な COVID-19 感染伝播のマルチエージェントシミュレータ 医療リソース、緊急事態宣言、接触確認アプリ COCOA などが有する感染者数の削減効果をシミュレーションベースで明らかにすることができる。これにより、何をすれば感染拡大が収まるのか、人工社会において分析することが可能となる。
生産工学部 遠田敦 振動による直感的ナビゲーションによる〈三密〉を回避したまち歩きに関する研究 画一的な経路ナビゲーションではなく、人間の直感的な興味関心によって駆動されるナビゲーションシステムにより、決まった経路だけが〈密〉になる状況を防いだ町歩きが実現されるとともに、密を回避した安全な町歩きによって商店街区経済の立て直しも期待できる。
生産工学部 鈴木邦成 新型コロナウイルス禍における物流量の変化に関する研究 新型コロナウイルス禍において物流量は減少傾向にあることが確認されているが、医薬品、日用品、食品などの宅配などについては需要が増大している。だが物流システムに負担がかかれば、医薬品やマスク、消毒液などの供給が難しくなり、感染者数の抑制にも支障が生じる。本研究により、コロナ禍という非常時対応の効率的な物流システムを構築することで新型コロナウイルス感染予防の体制を側面から支援することができる。
工学部 武藤伸洋 遠隔作業支援ロボットに関する研究 人の移動が制限される中、遠隔からロボットを操作することで、設備の点検や機器の設定作業などを現地に移動することなく実施することで、人の移動の減少に寄与する。
工学部 渡邊博之 SCORM対応学習管理システムの開発 新型コロナウィルスの感染予防として3蜜を避けるため、遠隔授業が行われている。遠隔授業で課題を行う場合、国際標準規格に対応した学習支援システムであれば、独自システムに比べて、教材やデータ活用の普及が高まることから、教育分野において新型コロナウィルスの感染予防に貢献する。
医学部 森岡一朗 新型コロナウイルスの周産期感染の予防法と新生児管理法の確立 日本の新生児における新型コロナウイルス母子感染や水平感染の実態、関連する臨床因子・検査所見が科学的に明らかになり、日本における新生児への新型コロナウイルス感染の予防、周産期管理・新生児診療指針作成に繋がる。また、新型コロナウイルスに対する出生後早期の新生児への対応について、科学的エビデンスに基づく安全・安心の新生児医療の提供が可能となる。
医学部 武井正美 光工学を利用した新型コロナウイルス除去によるクリーンな環境を実現するための技術開発 患者様、医療従事者に安全、安心な医療環境を提供する事を目的にする。紫外線や光触媒など光工学を利用した効率的で、安全な新型コロナウイルス不活化を行う事が可能か実証を行っている。具体的には、紫外線照射自動走行ロボットの開発、エアロゾルによる空気感染予防などクリーンな環境を提供できる方策を探究している。
医学部 權寧博 喫煙刺激によるSARS-CoV-2受容体遺伝子発現上昇のメカニズムの解明 喫煙はcovid-19のリスクファクターであり、喫煙によりSARS-CoV-2受容体遺伝子であるACE2の発現が上昇することが知られている。本研究は、喫煙による気道上皮におけるSARS-CoV-2受容体遺伝子発現上昇をモデルとし、SARS-CoV-2受容体遺伝子発現制御機構を明らかにし、発現を制御する手段を明らかにすることで、有効な治療法や感染対策法を探索する。
医学部 權寧博 慢性肺疾患におけるSARS-CoV-2受容体遺伝子発現の病理組織学的検討 慢性肺疾患患者は、covid-19における死亡リスクが高いことが報告されている。本研究では、COPDや肺線維症などの慢性肺疾患における炎症や組織構造の改変がもたらすSARS-CoV-2受容体遺伝子発現変化を解明し、慢性肺疾患におけるSARS-CoV-2感染による死亡リスクに対処する新たな予防法や治療管理法を模索する。
医学部 早川智 COVID-19母子感染の解析と予防 妊婦においても一定の頻度で新型コロナウイルスが感染し、その一部は母子感染を来す。しかし、胎盤にSARS-CoV-2の局在が見られても、大部分は母子感染に至らない。胎盤関門の機序を明らかにすることで母子感染の予防が可能となる。また、妊娠性糖尿病や妊娠高血圧症候群では母体の肺炎が重症化する可能性があり、その機序と予防法を明らかにすることで母児の生命予後に貢献できる。
医学部 相澤志保子 SARS-CoV-2遺伝子断片を組み込んだ組換えBCGワクチン・DNAワクチンの作製とその免疫誘導能・感染防御能の解析 SARS-CoV-2のタンパクをコードする遺伝子を組み込んだBCGワクチンとDNAワクチンを作製し、モデル動物に接種しその免疫誘導能・感染防御能を解析する
松戸歯学部 福本雅彦 歯科診療時のSARS-COV-2の影響と簡易迅速検出法の開発 現在歯科診療時に使用するエアタービンや超音波スケーラーによるエアロゾルの拡散が、SARS-Cov-2の感染拡大に関連することが指摘されている。その防止のために口腔外バキュームの使用が有効とされている。しかしながらそのエビデンスは現在のところ明確にはされていない。そこで本研究では、エアタービン使用時に口腔外バキュームを使用することにより飛沫の拡散がどの程度防止できるかを検証する。
松戸歯学部 齋藤真規 オゾンナノバブル水灌流マウスガードのう蝕および歯周病予防効果の検討 近年、ウイルス感染症に対してオゾンが有効との報告があり、オゾン発生器などが実用化されている。オゾンナノバブル水はオゾンを含むナノサイズの泡である。オゾンナノバブル水は飲用ではないが、細胞毒性はないため、食品の洗浄や環境の消毒などに使用されいる。オゾンナノバブル水による手指消毒や含嗽で皮膚や粘膜に付着したウイルスを安全に失活させる可能性がある。
松戸歯学部 遠藤眞美 学校給食における新型コロナウイルス感染症予防対策の地域格差是正の検討 学校給食は栄養摂取だけでなく、食べる機能の向上や他者とのコミュニケーションなどにより情緒が育まれる時間である。一方で、食事は新型コロナウイルス感染症の主な感染経路である飛沫感染と接触感染のリスクが高い。そこで、学校に通う児童生徒が安全においしい給食を通して体と豊かな心を育めるように教職員や教育委員会、学校組織が困っている内容や必要と考えている医療支援などの実態を調査し、学校給食における医教連携の強化をはかるための実現可能で適切な感染予防を含めた環境整備に関する学校給食支援マニュアル等を作成する。その後、それらの情報をどの地域でも、誰でもが活用できるようにWEBページなどの情報提供方法を工夫しながら、効率的で効果的な医教連携の在り方を検討する。
松戸歯学部 田中陽子 歯周病原菌による炎症制御と症候群および慢性疾患の関係性 歯周病原菌とその構成成分による炎症惹起および慢性化は炎症制御機構の破綻であると考えられる。現在我々は歯肉線維芽細胞、気管上皮細胞、肺上皮細胞を用いてシグナル伝達系および免疫担当細胞との関係性の解明から炎症制御システムの破綻がなぜ起こるかを検討中である。この解明が進むと呼吸器疾患を誘発する今回の新型コロナウィルス感染による炎症制御機構の解明にもつながり創薬への手がかりを明示できる。
生物資源科学部 袴田航 宿主因子を標的とする抗ウイルス薬開発に関する研究 成果が得られれば新型コロナウイルス感染抑制と予防効果が期待できる
生物資源科学部 鯉江洋 動物の循環器生理学 本研究は感染症を対象としていないが、新型コロナウイルス感染症は人の心臓に深刻なダメージを与える報告がなされた。それにより動物の循環器にも影響があることが予測されるため研究の準備を行っている。
生物資源科学部 西尾俊幸 新規オリゴ糖の酵素合成と生理機能性評価 我々が酵素反応を利用して合成している新規なオリゴ糖は、直接的に抗ウイルス活性を示すことは無いと考えられる。しかし、これらのオリゴ糖は腸管免疫力を高める可能性はあるので、新型コロナウイルスに対する抵抗力を高める可能性がある。
生物資源科学部 長澤郁子 コロナ禍における学生身体活動および生活習慣について 自粛生活の中でスポーツ活動の必要性を感じ、新しい生活習慣の中で、どのような活動が健康の維持・増進につながっていくのかを検証する。
薬学部 辻泰弘 アビガン (AVIGAN) ®(一般名;ファビピラビル)の治療効果を予測するための薬物濃度測定系の確立 https://www.pha.nihon-u.ac.jp/news/202040708-1-55386/
同じ量の薬物を服用しても血液中の薬物濃度は患者によって異なり、それによって効果・副作用も異なるが明らかになってる。現在、新型コロナウイルス (COVID19) 感染症の治療のためにアビガン®が投与されている。本成果は、アビガン (AVIGAN) ®(一般名;ファビピラビル)の薬物濃度測定や分析・定量の際に応用でき、本薬の効果・安全性に関して科学的な裏付けを行うことなどへの発展が期待される。アビガン®は、新型コロナウイルス感染症治療薬として2020年10月中に承認申請が予定されている。