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お知らせ

2021.11.10

本学が実施する新型コロナウイルスに関連する研究等の活動について(更新 2021年10月現在)

日本大学では、新型コロナウイルス感染症により生じた様々な問題について、研究の側面から社会貢献を目指しています。本学で行われている新型コロナウイルスに関連する研究等について、詳細は以下をご覧ください。また、取材依頼等、お問い合わせはこちら(研究全般に関するお問い合わせ)へお願い致します。
 

研究活動

代表者の所属 研究代表者名 研究テーマ 内容
法学部 岩崎正洋 COVID-19と社会の変容:With Corona時代における福祉国家の再検討 本研究は、COVID-19パンデミックにより、政治、経済、公共政策などがどのような影響を受け、どのような変化を経験し、どのように対応したのかについて、社会科学における学際的な共同研究として行われる。とりわけ、社会が直面したのは、命を優先するか、経済を優先するかという政策課題の選択にかかわる問題であり、従来の社会科学が前提としてきた政府の役割および国家の機能に関する新たな見方を提供することになる。
法学部 竹本亨 ポストコロナにおける居住・就業形態の変化が都市構造や財政に与える影響 新型コロナウィルスの流行は人々の居住や就業形態に変化を促しているが、都市が郊外部へ分散化することは行政コストの増大など様々な影響を及ぼす。そこで、本研究ではポストコロナにおける都市構造の変化を捉え、その財政への影響を明らかにする。これは新型コロナウィルス問題によって変貌する都市構造に対応した新しい都市政策に資する研究である。
法学部 石塚壮太郎 緊急事態宣言の議会による統制 新型コロナウィルスに関する緊急事態宣言について比較憲法的考察を行い、憲法上の緊急事態条項の要否や緊急事態宣言の議会による統制のあり方、宣言に基づく規制に対する法的統制の必要性を検討した。拙著「ドイツーワイマールの教訓と『緊急事態宣言』の議会的統制」大林啓吾編『コロナの憲法学』(弘文堂、2021年)100頁以下を参照。
法学部 加藤暁子 医薬品アクセスと知的財産保護に資する知的財産法と公衆衛生学の接合の考察 新型コロナウィルスの感染拡大に対応する上で有用な医療製品等につき取得・維持されている知的財産権について、私益と公益のバランスをいかに取りつつ利活用を進めるかを、国内外の法的議論に基づき検討している。
文理学部 桒原正靖 SATIC法を用いた新型コロナウイルス感染症検査試薬の共同開発(塩野義製薬) 新型コロナウイルス感染症を迅速にその場で検査する検査キットの開発を行っている。実現すれば、市中のクリニックや空港の検疫等で広く活用できる。
経済学部 大槻 明 グラフマイニングに基づく学際性を考慮した学術貢献度評価指数CRA-index COVID-19に関する重要な論文を抽出するために学際性を重み付けに用いた新たな科学的貢献度指数CRA-index(to Consider Research Area - index)を研究開発した。COVID-19の根本的な対策を検討するためには、医学系の知見だけにとどまらず自然科学や社会科学といった学際的な見地からもCOVID-19の対策に資する知見を明らかにすることが重要であると考えられる。
経済学部 LI KE The Chance and Challenge to Network Economic and Business Patterns Under Public Health Crisis of Coronavirus  It is attempting to construct new theoretical models of economic and business pattern based on the network effect and platform under current coronavirus and afterwards. 
経済学部 平木貴子 外出等の活動自粛時による在宅時間の増加が学生の生活習慣およびメンタルヘルスに与える影響 新型コロナウイルス感染症対策で求められる活動自粛によって、身体活動は著しく低下している。そこで活動自粛期間中の生活習慣とメンタルヘルスを把握し、それらの関係を検討する。本研究によって、メンタルヘルスの低下を予防するために必要な生活習慣モデルを提示することが可能となる。
経済学部 江上弘幸 コロナ禍においてビデオゲームがメンタルヘルスに及ぼす影響とそのメカニズムの解明 コロナ禍で人々のストレスは増加し、ゲームのプレイ時間が増加した。本研究では、因果関係を識別するための計量経済学的手法により、ビデオゲームが平均的な人々のメンタルヘルスに対して与える効果の方向性や大きさを推定する。また、ゲームの効果の大きさが人によって異なる要因を機械学習で分析し、コロナ禍でビデオゲームが人々のメンタルヘルスに影響を与えるメカニズムについて考察する。
商学部 菅野正泰 COVID-19の金融証券市場に与える影響に関する分析 COVID-19の感染拡大状況を数理モデル(Susceptible-Infected-Recovered-Deadモデルなど)で計量化し、モデルから計算されるCOVID-19リスクパラメーターと株価リターン等金融市場変数との相互連関性を分析することによって、パンデミック下のファイナンシャル・リスクマネジメントに資することに貢献する。
商学部 吉原令子 英語教育における理論と実践 コロナ禍における新しい英語教育法(リモート授業の可能性と問題点)を探究する。
商学部 鬼頭俊泰 パンデミックと保険 ①新型コロナウイルス感染症によって発生した損失は保険契約によってカバーされ得るものなのか、②そのような損失は保険契約における不可抗力免責条項の対象となり補償の対象外とされる可能性があるのか、③企業が自主休業した場合、営業上の損失を保険契約によって補償されうるものなのか、をそれぞれ検討し明らかにした。
商学部 時田学 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が学生生活にもたらした変容 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大学生の生活様式や学びに与えている影響について検討する研究である。現在までに、大学生の身体活動量が低下していることを示すデータを取得するとともに、その問題解決にソーシャルサポートが資する可能性を見出している。本研究を展開することは、大学生の健康保持・増進に役立つばかりでなく、この社会状況における効果的な学びの形を明示することにもつながる。
国際関係学部 川口智彦 北朝鮮を中心とした北東アジアの国際関係 北朝鮮における新型コロナウィルス感染症の感染状況を「朝鮮中央TV」など、北朝鮮メディアを通して分析している。国際的な感染状況を把握するという意味で、間接的に貢献している。
危機管理学部 安藤貴世 感染症に対する国際法上の対処枠組みに関する研究 感染症をはじめ公衆衛生分野の脅威に対する国際的な対処・協力枠組みを規定した国際法として2005年の改正国際保健規則(IHR2005)が存在する。本研究は、新型コロナウイルス感染症への対応をめぐり浮き彫りとなった同規則の問題点について、特にその履行確保という観点から考察を行うものであり、具体的には、IHR再検討委員会による履行確保強化のための提案や、感染症に係る新たな条約作成の動き等に着目する。
危機管理学部 金山泰介 新型コロナウィルス感染症対策と警察権限行使について 新型コロナウィルス感染症対策に警察が参画する上での現行法上の限界を明らかにするとともに必要な立法措置等を提言する。
危機管理学部 金惠京 ①国際テロリズム防止策、国際法、東アジアの外交問題
②日韓英のコロナ鬱に関する学生比較調査
①新型コロナウィルス感染症対策における当方の研究上の貢献としては、国際的な協力体制の構築が挙げられる。2020年現在、各国の国境はほぼ閉じられ、それぞれが対策を講じているが、「台湾の国連等への不参加」「硬直した日韓関係」「米中対立」等の要因により、成功例や情報の共有が不十分である。「テロ防止のための国際法構築」「外交政策の検討」から得られた経験を通じて、国際協力について提言を行うことを予定している。
②大学生や大学院生のコロナ禍における鬱をはじめとする心身の不調に対する国際比較調査。同一の調査票を用いて、国や大学によるコロナ禍の学生の状況を比較し、SSCI登録の国際ジャーナルにおける論文、国際学会等を通じて成果の公開を進める。
危機管理学部 鈴木秀洋 ①新型コロナ禍の児童虐待・ⅮV対応のパラダイムシフトの研究
②新型コロナ禍の福祉避難所の制度設計・変更の研究
③新型コロナ禍の自治体相談窓口(主に保健・福祉部署) 対応 検証の研究
①従前の対面一辺倒のケースワークでは命を救えず感染拡大も防止できない。新たな手法を模索することで二重の意味で命を守る。
②災害時の命を守る避難所の環境を根本から見直すことで関連死を防ぎ感染対策も兼ねる。
③コロナ禍が未だ終息しない感染状況下・現在進行形の検証として、住民の福祉増進を基本理念とする行政相談の取組・実態を検証する。
理工学部 北村勝朗 コロナ禍におけるオンライン授業を通して大学体育は何をなし得たのか?:説明的文章完成法を用いた大学生の大学体育観の質的分析 コロナ禍で人々の心身の健康状態の低下が問題となっている。本研究は、オンラインによる大学体育実技授業の履修体験の分析を通し、心身の安定性向上、関係性構築、心身の解放感の実感といった大学体育の対面授業の意義を再確認すると同時に、オンライン授業との共存により、科学の知と感覚の知の融合という新たな価値創造型の学びの可能性を提案する。
理工学部 須川晃資 金属ナノ粒子の光特性を利用する非標識型バイオセンシング技術の開発 周囲のナノ空間における屈折率の微小変化を検出する原理を利用して、ウィルスをはじめとする種々の微小バイオ物質(分子)の超微量検出を可能とする。現在、屈折率に敏感に応答する金属ナノ構造をいくつか開発に成功している。
理工学部 轟朝幸 ポストコロナ時代の交通のあり方に関する研究 COVID-19の蔓延により、人々が外出を控えるような行動変容が日常化したため、移動を支える交通施設の整備・運用も大きな影響を受けている。その利用者と運用の実態を探り、ポストコロナにおける交通ニューノーマルのあり方や感染予防や需要回復にむけた方策について検討し、安心して楽しく快適に移動できる交通社会の構築に貢献する。
理工学部 冨田隆太 新型コロナウイルス感染症によるステイホーム中を対象とした共同住宅の音環境 COVID-19によるステイホーム中は、騒音トラブルの増加が報告された。
筆者らの研究室では、共同住宅の居住者を対象とした音環境のアンケート調査を1980年頃、1995年頃、2005年頃と実施してきており、ステイホーム中の居住者反応を調査することにより、さらに貴重なデータを蓄積することができる。これらの継続的な研究により、騒音トラブル防止の解決に繋がる知見を得ることが可能となる。
理工学部 福田敦 新型コロナウイルス感染症の流行に対する各国の対策が外出行動及び大気汚染へ与えた影響の分析 新型コロナウイルス感染症の流行に対して世界各国で実施された対策が人々の外出行動に与えた影響を分析することで、各対策の効果の違いを把握できる。また、その結果として大気汚染にどのような影響を与えたかを把握できる。
理工学部 依田光正 屋内外における段差昇降動作特性に基づく人と人との適切な距離に関する研究 本研究の主目的は、歩行に不自由を有する人による段差がある空間での歩行を含めた移動に際して、人の動作に配慮した福祉環境デザインの提言をおこなうことだが、研究成果のひとつとして、このような方々の段差昇降動作をおこなう際の動作空間について知見を得ることができる。これによって、屋内外問わず、段差がある場所で、移動に不自由を有する人も含めたソーシャルディスタンスの合理的な設定に寄与できる。
理工学部 押田佳子 東京都区部における新型コロナウイルス感染防止に向けた都市公園の利用制限プロセスに関する研究 新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止を目的に、都市公園が「感染拡大の場」とならないため、「通常時」「感染対策初動期」「緊急事態宣言下」を経て現在に至る各プロセスにおいて、公園管理者がどのような観点から利用行為制限をかけ、さらに各段階における公園管理上の課題ついて把握することで、今後の「衛生」と「安全」の観点に基づく公園管理の在り方を示唆する研究である。
理工学部 難波秀行 ①COVID-19による緊急事態宣言下における身体活動変化と心理社会的要因
②授業者からみたコロナ禍に行われた遠隔による大学体育実技の教育効果の検証
①新型コロナウイルスによる外出自粛による健康二次被害の予防に貢献する。コロナ禍において身体活動量の低下が全体的にみられたが、特に営業・販売、サービス業において減少者の割合が高かった。開放性の傾向が強い対象者において身体活動の減少が少なかった。感染予防に留意して、意図的に身体活動を維持増進することが重要であることを示した。
②遠隔による体育実技授業は、当初、体育教員には受け入れがたい状況があったが、遠隔授業により「対人コミュニケーションスキル」や「学校への適応」については達成しにくいが、「規則的な生活習慣」、「体力・身体活動の増強」、「自主性や自発性」の教育効果を一定の教員が感じていた。遠隔授業で経験したノウハウをアクティブラーニングに応用するなどポストコロナの新しい大学体育授業を作ることが重要であることを示唆した。
理工学部 泉山塁威 コロナ道路占用特例の歩行者利便増進道路(ほこみち)の移行/ウォーカブルシティ構築手法 新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる飲食店救済のための路上客席(道路空間活用)とウォーカブルな都市づくりへの移行など。
理工学部 井本佐保里 コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言下の子どもの外遊びに関する研究 外出自粛が求められ、また公園などの閉鎖が実施されていた中で、どのように子どもの外遊びの機会を担保していたのか、またその際に生じた課題について、小学生以下の子どもを持つ世帯に対するアンケート、インタビュー調査により明らかにする。その上で、長期的な視点でウィルス災害と共存する子どもの遊び場の整備やルール作りに対して提言を行う。
生産工学部 鈴木邦成 新型コロナウイルス禍における物流量の変化に関する研究 新型コロナウイルス禍において物流量は減少傾向にあることが確認されているが、医薬品、日用品、食品などの宅配などについては需要が増大している。だが物流システムに負担がかかれば、医薬品やマスク、消毒液などの供給が難しくなり、感染者数の抑制にも支障が生じる。本研究により、コロナ禍という非常時対応の効率的な物流システムを構築することで新型コロナウイルス感染予防の体制を側面から支援することができる。
生産工学部 遠田敦 振動による直感的ナビゲーションによる〈三密〉を回避したまち歩きに関する研究 画一的な経路ナビゲーションではなく、人間の直感的な興味関心によって駆動されるナビゲーションシステムにより、決まった経路だけが〈密〉になる状況を防いだ町歩きが実現されるとともに、密を回避した安全な町歩きによって商店街区経済の立て直しも期待できる。
生産工学部 大前佑斗 多様な対策を表現可能な COVID-19 感染伝播のマルチエージェントシミュレータ 医療リソース、緊急事態宣言、接触確認アプリ COCOA などが有する感染者数の削減効果をシミュレーションベースで明らかにすることができる。これにより、何をすれば感染拡大が収まるのか、人工社会において分析することが可能となる。
生産工学部 佐々木真 新型コロナウィルス感染者数の時空間ダイナミクス 新型コロナウィルス感染者数の統計データ解析を行なっている。感染者数の時空間伝播特性を明らかにする事で、都市毎の感染者数の予測を高精度化する事を目指している。
工学部 武藤伸洋 遠隔作業支援ロボットに関する研究 人の移動が制限される中、遠隔からロボットを操作することで、設備の点検や機器の設定作業などを現地に移動することなく実施することで、人の移動の減少に寄与する。
医学部 石原寿光 糖尿病の治療戦略の開発 糖尿病患者は、COVID-19が重症化しやすいため、その対策を立てることを目的とする。
医学部 權寧博 ①喫煙刺激によるSARS-CoV-2受容体遺伝子発現上昇のメカニズムの解明
②慢性肺疾患におけるSARS-CoV-2受容体遺伝子発現の病理組織学的検討
①喫煙はcovid-19のリスクファクターであり、喫煙によりSARS-CoV-2受容体遺伝子であるACE2の発現が上昇することがしられている。本研究は、喫煙による気道上皮におけるSARS-CoV-2受容体遺伝子発現上昇をモデルとし、SARS-CoV-2受容体遺伝子発現制御機構を明らかにし、発現を制御する手段を明らかにすることで、有効な治療法や感染対策法を探索する。
②慢性肺疾患患者は、covid-19における死亡リスクが高いことが報告されている。本研究では、COPDや肺線維症などの慢性肺疾患における炎症や組織構造の改変がもたらすSARS-CoV-2受容体遺伝子発現変化を解明し、慢性肺疾患におけるSARS-CoV-2感染による死亡リスクに対処する新たな予防法や治療管理法を模索する。
医学部 武井正美 光工学を利用した新型コロナウイルス除去によるクリーンな環境を実現するための技術開発 患者様、医療従事者に安全、安心な医療環境を提供する事を目的にする。紫外線や光触媒など光工学を利用した効率的で、安全な新型コロナウイルス不活化を行う事が可能か実証を行っている。具体的には、紫外線照射自動走行ロボットの開発、エアロゾルによる空気感染予防などクリーンな環境を提供できる方策を探究している。
医学部 中山智祥 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)抗体定量とワクチン接種歴およびウイルス遺伝子型(バリアント)との関連 新型コロナウイルスに対する血中に検出される抗体は罹患した患者さんやワクチン接種者で上昇する。しかし抗体がどのような病態でどの程度上昇するかは不明である。本研究は新型コロナウイルス感染症抗体定量とワクチン(ファイザー社製、モデルナ社製、アストラゼネカ社製)接種歴およびウイルス遺伝子型(バリアント)との関連を研究し、ワクチン接種後の国民にとって適切な感染防止対策のガイドライン作成に寄与する。
医学部 早川智 COVID-19母子感染の解析と予防 妊婦においても一定の頻度で新型コロナウイルスが感染し、その一部は母子感染を来す。しかし、胎盤にSARS-CoV-2の局在が見られても、大部分は母子感染に至らない。胎盤関門の機序を明らかにすることで母子感染の予防が可能となる。また、妊娠性糖尿病や妊娠高血圧症候群では母体の肺炎が重症化する可能性があり、その機序と予防法を明らかにすることで母児の生命予後に貢献できる。
医学部 森岡一朗 新型コロナウイルスの周産期感染の予防法と新生児管理法の確立 日本の新生児における新型コロナウイルス母子感染や水平感染の実態、関連する臨床因子・検査所見が科学的に明らかになり、日本における新生児への新型コロナウイルス感染の予防、周産期管理・新生児診療指針作成に繋がる。また、新型コロナウイルスに対する出生後早期の新生児への対応について、科学的エビデンスに基づく安全・安心の新生児医療の提供が可能となる。
医学部 相澤志保子 SARS-CoV-2遺伝子断片を組み込んだ組換えBCGワクチン・DNAワクチンの作製とその免疫誘導能・感染防御能の解析 SARS-CoV-2のタンパクをコードする遺伝子を組み込んだBCGワクチンとDNAワクチンを作製し、モデル動物に接種しその免疫誘導能・感染防御能を解析する
歯学部 今井健一 ①口腔の不衛生がCOVID-19の進展に及ぼす影響
②感染者唾液を用いたウイルス研究と新規検査法の開発
①口腔は、SARS-CoV-2の侵入門戸の一つであるとともに、下気道への入り口でもあるため、誤嚥性肺炎などと同様、口腔の不衛生に伴う口腔細菌の誤嚥はCOVID-19に対しても何らかの影響を及ぼしている可能性がある。口腔の健康を通して全身の健康に寄与するために、口腔とCOVID-19を含む呼吸器疾患との関連研究を進めている。
②野生株に比べデルタ株の感染力がなぜ強いのか? そもそも唾液中に含まれるSARS-CoV-2コピー数が多いこと、その多くが細胞に付随するウイルスであることを見出した。感染者唾液中のウイルスの性状研究を進めることにより、飛沫感染対策にエビデンスを提示出来ると考えている。また、唾液を使用した新たな検査法の開発も進めている。
歯学部 尾崎哲則 新型コロナウイルス感染症流行と歯科医療受療者の動向 新型コロナウイルス感染症流行前後で歯科診療の受診状況が医療保険の種別によって異なっており、このことについて留意した上で歯科保健施策を推進する必要がある。
松戸歯学部 泉福英信 ①銀イオン溶液のSARS-CoV-2および口腔バイオフィルムに対する阻害効果
②SARS-Cov2に対する光触媒および口腔外吸引機に使用している素材の効果
③コーヒーによるSARS-Cov2の口腔粘膜感染阻止に関する研究
①義歯の殺菌に使用されている銀イオン溶液がSARS-Cov2の殺菌にも効果があるか検証することと、義歯の表面にできるバイオフィルムに対してどのような効果があるか検証することを目的とする。
②SARS-Cov2に対する光触媒およびへパフィルターの効果を明らかにすることを目的とする。口外バキュームの廃気に使用している光触媒およびへパフィルターのSARS-Cov2に対する効果を検討する。この研究により、歯科医療における院内感染対策が充実し、積極的な歯科医療の推進に繋がる。
③コーヒーを摂取の仕方が、SARS-Cov2のACE-2への結合に対してどのように影響し、SARS-Cov-2の口腔粘膜細胞への感染抑制に寄与するか明らかにし、コーヒーによる感染抑制に対してどのように口腔常在菌が影響するか併せて明らかにすることを目的とする。国民の生活習慣が健康を守るかどうか明らかになる。
松戸歯学部 福本雅彦 歯科診療時のSARS-COV-2の影響と簡易迅速検出法の開発 現在歯科診療時に使用するエアタービンや超音波スケーラーによるエアロゾルの拡散が、SARS-Cov-2の感染拡大に関連することが指摘されている。その防止のために口腔外バキュームの使用が有効とされている。しかしながらそのエビデンスは現在のところ明確にはされていない。そこで本研究では、エアタービン使用時に口腔外バキュームを使用することにより飛沫の拡散がどの程度防止できるかを検証する。
松戸歯学部 遠藤眞美 学校給食における新型コロナウイルス感染症予防対策の地域格差是正の検討 特別支援学校を含む多くの学校で提供される学校給食は栄養摂取のほか、食べる機能の向上や他者とのコミュニケーションなど豊かな心と体を育む時間である。一方で、食事や食後の歯磨きは新型コロナウイルス感染症の飛沫感染と接触感染のリスクが高いために、学校給食を支援する教職員、児童生徒およびその保護者の中には学校給食時の感染に不安を抱いている場合が少なくない。安全でおいしい学校給食の実現には医学的支援が必要といえ、医療職と教育職による医教連携が重要と考えられる。そこで、教職員や教育委員会が学校給食に関して困っている内容や求めている医学的支援などをWEBおよび紙面でオンタイムで調査し、それらの解決に向けた「新型コロナウイルス感染症に対する学校給食支援マニュアル」などを過去の報告を参考にエビデンスに基づいて作成した。エビデンスが認められない内容に関しては新たな実験を行って解決策を検討してきた。完全終息に至っていない本感染症に対して,今後も同様の調査およびマニュアル作成を継続していくと同時に動画やアプリケーションなどを応用してより多くの場面で誰もが活用可能な情報および教育媒体を作成する予定である。それらの情報をWEBページ http://spc.ce.cst.nihon-u.ac.jp/を通して発信・提供することで、誰もがどこでも利用できるようにすることで地域格差なく効率的で効果的な医教連携の構築および強化の実現に貢献することを本研究の目的とする。
松戸歯学部 齋藤真規 オゾンナノバブル水灌流マウスガードのう蝕および歯周病予防効果の検討 近年、ウイルス感染症に対してオゾンが有効との報告があり、オゾン発生器などが実用化されている。オゾンナノバブル水はオゾンを含むナノサイズの泡である。オゾンナノバブル水は飲用ではないが、細胞毒性はないため、食品の洗浄や環境の消毒などに使用されいる。オゾンナノバブル水による手指消毒や含嗽で皮膚や粘膜に付着したウイルスを安全に失活させる可能性がある。
松戸歯学部 田中陽子 歯周病原菌による炎症制御と症候群および慢性疾患の関係性 歯周病原菌とその構成成分による炎症惹起および慢性化は炎症制御機構の破綻であると考えられる。現在我々は歯肉線維芽細胞、気管上皮細胞、肺上皮細胞を用いてシグナル伝達系および免疫担当細胞との関係性の解明から炎症制御システムの破綻がなぜ起こるかを検討中である。この解明が進むと呼吸器疾患を誘発する今回の新型コロナウィルス感染による炎症制御機構の解明にもつながり創薬への手がかりを明示できる。
生物資源科学部 石田正美 「コロナ禍のもとでのメコン地域の国境状況」 海外のコロナウイルス対策をレビューし、日本の対策への一助とする。
生物資源科学部 鯉江洋 動物の循環器生理学 本研究は感染症を対象としていないが、新型コロナウイルス感染症は人の心臓に深刻なダメージを与える報告がなされた。それにより動物の循環器にも影響があることが予測されるため研究の準備を行っている。
生物資源科学部 西尾俊幸 新規オリゴ糖の酵素利合成とその生理機能性評価 我々が酵素反応を利用して合成に成功した新規オリゴ糖N-アセチルスクロサミンは、腸管免疫を活性化して免疫力を高めることで、新型コロナウイルスに対する抵抗力を高める可能性を有している。しかし、純粋な本オリゴ糖を大量生産するのは現状では難しい。そこで、動物実験に供するため、発酵法により本オリゴ糖を含む機能性食品の製造を検討している。
生物資源科学部 袴田航 宿主因子を標的とする抗ウイルス薬開発に関する研究 これまでの研究により、既知阻害剤の5倍以上の抗ウイルス活性を示す化合物を得た。さらに抗ウイルス活性を向上させるため、標的酵素との in silico シミュレーションに基づき活性向上をが期待される誘導体を30種類程度合成した。また、抗ウイルス活性を有する新たな薬剤の探索にも着手した。これらの成果が得られればコロナウイルス感染抑制と予防効果だけでなく、将来的に発生が予測される新規ウイルス感染症への迅速な対応が期待できる。
生物資源科学部 長澤郁子 大学生の新型コロナウイルス感染症に関わる意識調査― 生活習慣の変化に着目して ― 新型コロナ感染予防対策による新しい生活様式の中で、生活習慣の改善と生活の中に運動を取り入れることへの大学体育の関わり方を探る。
生物資源科学部 畠山吉則 新型コロナウイルスを含むすべての病原体の検出を目指した検出手法の開発と実用化に向けた研究 従来の病原微生物の検出は「病原の推定」に基づいた「実証」によって判定されてきた。そのため「未知の病原体」は「病原の推定」とをの「実証」をする事ができないために、認知するまでに多大な時間がかかった。この従来概念を覆して未知の病原を検出する手法の開発を目指す研究を実施している。この研究は新型コロナウイルス以降に出現する新規病原微生物に備える研究である。
生物資源科学部 福澤めぐみ COVID-19感染拡大に伴う飼主と家庭飼育動物のライフスタイルの関係性 ペット飼育家庭の急激な生活スタイル変化はペットの心身にも少なからず影響を与えている。相互の関係性を検討することで、安易な飼育や飼育放棄等の増加抑制に寄与する。
生物資源科学部 山下正道 金製剤 auranofin の作用機序の解明 抗リウマチ薬として 40 年にわたって使用されている金製剤 auranofin の作用機序を総説にまとめ、感染症への適応拡大の一環として in vitro で培養ヒト肝細胞株における SARS-CoV-2 複製を抑制した事を記載した。
薬学部 辻泰弘 ①アビガン (AVIGAN) ®(一般名;ファビピラビル)の治療効果を予測するための薬物濃度測定系の確立
②ファビピラビル薬物血中濃度と治療効果および副作用の薬物動態解析
https://www.pha.nihon-u.ac.jp/news/202040708-1-55386/
同じ量の薬物を服用しても血液中の薬物濃度は患者によって異なり、それによって効果・副作用も異なるが明らかになってる。現在、新型コロナウイルス (COVID19) 感染症の治療のためにアビガン®が投与されている。本成果は、アビガン (AVIGAN) ®(一般名;ファビピラビル)の薬物濃度測定や分析・定量の際に応用でき、本薬の効果・安全性に関して科学的な裏付けを行うことなどへの発展が期待される。

その他の活動

芸術学部「東京小児科医会の新型コロナ差別問題への啓発ポスター制作」
放送学科48名、デザイン学科26名の学生が37作品を制作し、東京小児科医会から4作品選定された。

 

芸術学部ホームページ

東京小児科医会ホームページ