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留学・国際交流

ヨハネス・グーテンベルク大学 原智織さん(法学部)

2020年3月

図書館

上:学生カード、下:図書カード

以前、大学の中央図書館に行きました。中央図書館は社会・メディア・スポーツ学部(Sozialwissenschaften, Medien und Sport)の建物の隣に位置しています。入口を抜けるとPCホールや貸し出しカウンターなどがあります。ここで大学内の図書館で利用可能な貸し出しカードを作ることができます。館内には、社会学系の書籍やトルコ語関連の書籍、理系書籍など幅広く所蔵されています。
また、PCホールの端にある設定用のパソコンでは、洗濯機や食堂(Mensa)で利用する学生カード(Studi-Card)を大学内のコピー機で使用できるように設定できます。学生カードはプリペイドになっており、かざすだけで支払いが完了します。コピー機に関しては設定した暗証番号を打ち込まなければならないので、上記のパソコンで設定を完了させてから使用します。
ヨハネス・グーテンベルク大学は総合大学なので、同じ敷地内に非常に多くの学部が存在します。そのため学部をとおしてで豊富な書籍を利用できるのが魅力だと感じました。

Rosenmontag

2月下旬、ドイツ国内では謝肉祭が行われました。11月に紹介した、ElfterElfterのお祭りは、「5つ目の季節」の始まりのお祭りですが、今回は季節の終わりのお祭りです。「汚れた木曜日」から「灰の水曜日」にお祭り騒ぎがハイライトを迎え、中でも、「バラの月曜日(Rosenmontag)」には大規模なパレードが行われるので、仮装をしたり、民族衣装や仮面をつけたりして楽しみます。
マインツの謝肉祭でのカーニヴァルはドイツ三大カーニヴァルの一つにあたります。11時11分から16時過ぎまで、地元の様々な団体が楽器を奏でたり、踊ったり、周りにお菓子を投げたりしながら行進していました。カーニヴァルでは掛け声の「Helau!」を言いながら、お菓子をたくさんもらいました。
その日の夜は、野外ステージが行われます。広場は多くの人が集まり、お酒を飲んだり、音楽に合わせてみんなで踊ったりしました。
パレードの行進風景
100以上の地元団体が行進をしていました。
Brexitの風刺
このように、最近の社会問題や社会事象を風刺した行進車がいくつもありました。
野外ステージの裏側。表では多くの人で盛り上がっていました。

留学半分を終えて

冬学期が終わり、留学生活が半分を過ぎました。慣れない環境で何もわからない10月に比べ、問題なくメールが打てるようになったり、振り込みができるようになったり、困ったときにすぐに解決ができたりと、現在はだいぶ慣れたと思います。
特に、クラスで仲良くなった韓国人の友達とご飯を食べに行ったり、台湾人の友達と家でご飯を作って食べたり、一緒にカーニヴァルに行ったりしたのは本当に良い思い出です。仲良くしていた友達の何人かは、半期の留学を終えて自国へ帰っていきました。寂しい気持ちもありますが、幸い国が近いので、自分が日本に帰った後、彼らの国へ旅行して会いに行きたいと思います。

2020年2月

1月になり、学期末に向かい始めました。気候はさほど寒くならず、日も以前より伸びてきています。

パリ旅行

1月初頭、パリへ旅行に行きました。パリでは未だにストライキが続いているのですが、私たちが旅行で訪れた際は、2路線以外の全ての地下鉄が止まっていました。また、私はマインツとパリを電車で往復したのですが、行きも帰りも予定していた電車がストライキで運休になってしまい、直前で電車を変えるハプニングがありました。

観光はエッフェル塔や凱旋門、ルーブル美術館、オルセー美術館など、有名な観光地をいくつも周りました。今まで一度は訪れてみたいと憧れていたところに行って、それらを直接見られたことは本当に嬉しかったです。
エッフェル塔内での写真です。パリの街が一望できて楽しかったです。
ルーブル美術館。無料開放日には長い列ができていました。
パリの街にはたくさんの人が居ましたが、ストライキであったということもあり、混雑がひどかったです。とりわけ、車の交通量はひどく、あらゆるところで渋滞が発生していました。事故発生件数も増えているようで、実際、歩行者が道路をむやみに横切ったり、車が強引に走ったりと、いくつも危ない場面を見かけました。また、ドイツではトルコ系の移民が多いのですが、パリにはアフリカ系が多く、歴史的背景がうかがえました。ドイツでの暮らしに慣れていたので、外国に来たという感覚を久しぶりに感じました。
エッフェル塔の近くの川から撮った写真
ムーランルージュ。映画を模して友達と写真を撮りました。

学校生活

1月になり、再び学校が始まりました。ドイツの大学は2月まで授業があるので、1月は学期末前になります。たいていの学生は2月上旬に試験がいくつかあるので、図書館や自習スペースでは、多くの学生が試験勉強や課題レポートをしています。最近は法学部の図書館がいつも混んでいるので、私はカフェや家で勉強することが多いです。
ドイツ語の授業では期末試験以外に、ほぼ毎月中間試験がありました。また、毎回宿題が課されるので、専門科目よりもドイツ語の授業の勉強時間が長いと思います。
冬学期に受けた授業の中で、ドイツ語の発音講座が一番面白かったです。これは、ドイツ語の特徴的な発音や音の違い、文章の読み方などを主に扱った授業です。最初は20人前後の人数がいたのですが、徐々に出席者数が減り、10人もいないくらいの人数で授業をしていました。しかし、その分発言の回数が増えたため、ドイツでの授業を能動的に受けるきっかけになりました。また、1月末に宿題で詩の音読の録音があったのですが、その採点で先生に、綺麗に発音できているとほめられたのはとても嬉しかったです。

日常生活

普段は学校に行くだけなのですが、たまに出かけたり、合気道をやりに行きます。合気道は日本にいる時からやっていたのですが、外国で日本文化に触れる機会にもなるので、12月から道場に行くようになりました。外国人は女性でも力が強く、男性は体格がいいので、ついていくのが大変ですが、楽しく稽古ができています。
また、1月はドイツに来てから初めて映画館に行きました。マインツには2つ映画館があります。一つはドイツ国内に展開しているチェーンの映画館です。こちらでは、一日限定公開をしていた、日本のアニメ映画のドイツ語吹替を見ました。日本で見逃していた映画をドイツで見るのは不思議な感覚でしたが、面白かったです。また、その映画は1月28日に一回のみ、映画館チェーン全体でイベント上映する作品でした。映画館内で日本人は私しか居らず、日本の作品を外国の人々が見に来てくれていることが目に見えて嬉しかったです。もう一つは小さな映画館で、学生は5~6ユーロで映画を見ることができます。こちらでは、友達と「1917」という映画を見ました。英語音声をドイツ語字幕で見たので、少し頭が混乱しました。

最後に

2月は初頭にいくつか期末試験があるので、きちんと終えられるように励みたいと思います。また、半年で留学を終える友達が国に帰ってしまう時期なので、仲良くしている友達とできるだけ多く話して過ごしたいと思います。

2020年1月

12月に入り、ドイツ全体がクリスマスムードになりました。
今月は遠出をたくさんしたので、クリスマスマーケットとドイツ旅行について報告します。

クリスマスマーケット(マインツ)

ドイツでは多くの都市で11月末からクリスマスマーケットが催され、地元の方々や観光客で賑わっていました。マインツでも同様にクリスマスマーケットが開催され、中央駅前、大聖堂前広場、先月開催されたElfter Elfterと同じ広場の3か所でたくさんの出店が並びました。

クリスマスマーケットで出店されている典型的な料理はGlühweinやReibkuchen、Lebkuchen、Crepesなどです。寒い中で飲むGlühwein(グリューワイン)は身体が温まり、とても美味しかったです。Glühweinは赤ワインから作られるものが主流ですが、ドイツは白ワインの生産量が多いため、Weißglühwein(白グリューワイン)もありました。また、マーケットには家族連れも非常に多く、Kinderpunschという子供向けの飲み物があることも魅力の一つだと思います。ここで提供されるマグカップにはファンドが加算されており、カップを返還することでファンド分の金額が返ってきます。しかし、開催地によって異なるマグカップを使っているため、そのカップを返還せずに持ち帰る観光客は多いです。私がドイツ人の友人に、カップを持ち帰りたいと言うと不思議な顔をされたので、現地の人々にとっては違和感があるのかもしれません。

そして、Reibkuchenはつぶしたジャガイモを揚げた料理で、脇にリンゴソースが添えられています。リンゴソースはほんのり甘く、口の中がすっきりして美味しかったです。驚いたことは、飲食用スタンドに置かれていた調味料がケチャップの他は砂糖や砂糖シロップであったことです。私が、友人に砂糖の入った瓶を塩かどうかと尋ねると、当然のことのように砂糖だと答えていました。また、思いのほか多くの現地の方々が、砂糖やシロップを使って食べていました。
メイン会場の入り口です。夜のライトアップがきれいでした。
Weißglühwein(白グリューワイン)です。私はたまにアルコールがのどに直接当たり、むせる時があります。
ライプクーヘンは一つ注文すると3枚出てきます。

ニュルンベルク

中央広場にある美しの泉です。柵に二つ金の輪がかかっており、目を瞑り、願い事を心の中で念じながら、3回まわします。願い事を誰にも言わないでいると叶うと言われています。

ドイツ語の授業は留学生のみのクラスで、ヨーロッパ圏の人が大半です。また、ヨーロッパの人々はクリスマスに家族で過ごすことを大切にしているため、前後で長い休暇を取ります。そのためか、休暇前最後の授業は出席率が非常に低く、およそ半分の学生が地元へ帰っていました。
私は休暇前最後の授業後、ニュルンベルクへ向かいました。ニュルンベルクはバイエルン州の街で、マインツから直通のICEで3時間ほどの距離に位置しています。4日間毎日友人に案内をしてもらいながら観光しました。

ニュルンベルクのクリスマスマーケットはドイツ国内最大級であり、また、時期がクリスマス前最後の週末であったため、多くの観光客で賑わっていました。混雑がひどく、友人に、「現地の人は混雑が分かっているから、こんな時期にここには来ない」と言われてしまいました。ただ、ニュルンベルクは街全体に中世の景観を残しているため、マーケットと相まってとても綺麗な街であり、クリスマスマーケットの規模も非常に大きく、観光客が多く訪れる理由がよくわかりました。

Dokuzentrumの外観です。展示はドイツ語のみでした。

滞在2日目、Dokuzentrumへ行きました。ナチス台頭から戦時中のナチスの構想、実行したこと等の歴史が展示されています。日本でも多くの戦争の歴史を学びますが、それとはまた違う視点で、世界が今でも危険視しているナチスに関する歴史を、現地で改めて目の当たりにした時、考えさせられることが多くありました。特にジェノサイドやアウシュヴィッツに関する展示は胸が痛くなりました。

滞在3日目は、Memorium Nürnberger Prozessへ行きました。ここは戦後のニュルンベルク裁判に関する博物館で、裁判の仕組みや、各国の立場、裁判にかけられた人、ドイツの戦犯等に関することが展示されていました。ドイツの戦犯の中で、釈放された人とそうでない人の違いや、会社や医者も裁判にかけられた理由など、友人に尋ねながら博物館を回れたことで、大変勉強になりました。展示の中には東京裁判に関することも記載されており、A級戦犯の顔写真もありました。重刑を課されたドイツの戦犯の多くは政治家であり、写真もスーツ姿であったため、日本の戦犯は全員軍人に見えると言われ、経緯を説明しました。改めて戦時中の国の仕組みの違いが判り、興味深かったです。
ニュルンベルク裁判博物館
裁判所の法廷
4日目は、マインツへ帰る前に、1月にパリ旅行をするメンバーと顔合わせを行いました。私を含め日本人が2人、中国人が3人という構成で、会話の中にドイツ語、英語、中国語、日本語が混ざり合い、不思議な空間でした。
ニュルンベルクの滞在は、私にとって勉強になる物事が多くありました。歴史に関する博物館をこれからも多く訪ねたいと思います。

ドルトムント

12月下旬、ドルトムントへ観光に行きました。ドルトムントはサッカーが強いことで有名な都市なので、ジグナル・イドゥナ・パルクというサッカースタジアムを見に行きました。ジグナル・イドゥナ・パルクは黄色を基調とした大きなスタジアムです。そこでは見学ツアーに参加するつもりでしたが、残念ながらチケットが完売しており、参加することができませんでした。

その後は、クリスマスマーケットを訪れました。会場が点在していたため、街中を回りながら楽しみました。その道中にあった観覧車に乗ってみましたが、ゴンドラが吹きさらしの状態な上、速度が通常のものよりも格段に速く、景色とスリルが楽しめる不思議な観覧車でした。また、ドルトムントのクリスマスマーケットには世界最大のクリスマスツリーがあります。全長45メートルのツリーは綺麗で立派なだけではなく、迫力もありました。しかし、予想外の大きさに撮影が難しかったです。
ジグナル・イドゥナ・パルクの外観
世界最大のクリスマスツリー
観覧車からの景色。

ノイシュバンシュタイン城

ホーエンシュバンガウ城から撮影したノイシュバンシュタイン城。童話のような景観でした。

ドイツの中でもっとも有名な観光地の一つであるノイシュバンシュタイン城を訪れました。ノイシュバンシュタイン城はマインツからずっと南に位置しており、片道5時間半ほど要するのですが、往路で利用した電車が急に停車駅の変更を行い、予定よりも1時間ほど遅れて到着しました。
到着後、先にホーエンシュバンガウ城の見学をしました。城内は見学用に綺麗に装飾されていて、当時の様子を再現していました。次にノイシュバンシュタイン城の見学に行きました。残念ながら、こちらはチケットが完売してしまっていて城内見学ができなかったので、付近まで行って外観を見ました。しかし幸運なことに、城自体がアルプスの高いところに位置しているので、周りには雪がかかっており、快晴の状態で雪景色の中を観光することができました。白い外観と雪景色が相まって、非常に幻想的な様子でした。
城内の見学に関しては、観光客に日本人が多いためか、日本語オーディオガイドがあり、またお土産売り場には日本語ガイドブックがありました。

最後に

クリスマス休暇自体は3週間もない期間でしたが、多くのところに赴き、一度は見てみたいと思っていたものを見ることができ、充実した時間でした。年明けにはパリにも観光に行ったので、次回はそのことについても報告をしようと思います。

2019年12月

11月になり、気温が一桁台になりました。日の出日の入りが非常に早くなり、夜が長い時期になりました。
今回は私が現在住んでいるマインツという都市を紹介します。

Elfter Elfter

マインツがあるラインラント・プファルツ州はカトリックの影響が強い州です。そのため、11月11日にはカトリックの古い風習である、Fastnachtが開催されました。これはドイツの寒い冬を追い払う意味を持つ風習であるとのことです。マインツはFastnachtの中心地で、11月11日11時11分に「Fastnachtの11の決まり」が読み上げられ、お祭りが始まります。故にこのFastnachtは、“Elfter Elfter”という名前が付けられています。会場にはお酒売り場や音楽ステージがあり、皆で仮装しながらビールなどを飲み、歌を歌います。私もビールを飲みながら、ステージ音楽を聴き、場の雰囲気を楽しみました。
Elfter Elfterの会場。広場全体に人が居て、とても賑やかでした。
会場で購入したビール。ビールの値段にはカップのファンドが含まれており、お店に返すと2€ほど返還されますが、持ち帰ることもできます。

グーテンベルク博物館

グーテンベルク博物館入口

11月15日、ニュルンベルク在住の友人と、グーテンベルク博物館に行きました。ヨハネス・グーテンベルクは、マインツ生まれの活版印刷術を発明した偉人です。彼は、大学の名前にもなっているように、マインツにとって重要な人物です。グーテンベルク博物館には、彼が発明した印刷術を用いて印刷された書籍、彼の肖像画や関連物品、活版印刷の機械や器具などの活版印刷に関係する歴史的な物や、現代の新聞や本など現代の印刷物、さらに世界中の歴史的な印刷物が展示されていました。世界の印刷物には、日本のものもあり、日本初の英和辞典が展示されていました。

教会

マインツには二つの有名な教会があります。一つは、マインツ大聖堂です。この大聖堂はマインツで一番の観光地であり、ドイツ主教にとっても重要な教会です。ドイツの教会はゴシック建築が多いのですが、ヨーロッパらしいロマネスク建築が特徴です。教会内は厳かな雰囲気が漂っており、神聖な空間という感じがしました。また、この大聖堂の前は広場になっており、土曜日にはWochenmarkt(市場)が開かれ、12月にはWeinachtsmarkt(クリスマスマーケット)の会場にもなります。
17時前のマインツ大聖堂正面。
大聖堂前広場。クリスマスマーケットの準備中で、並んでいる樽は飲食スペースとして用意され、利用するためには予約がいります。

教会内のオルガン。教会内全体がとても神秘的で、その中にあるオルガンは一層綺麗でした。

もう一つ有名な教会は、ザンクト・シュテファン教会です。こちらは、マインツ大聖堂から徒歩15分ほどの丘の上にあり、ステンドグラスが有名な教会です。一度、第二次世界大戦中に焼けてしまったため、再建して現在の形を成しているそうです。私が訪れた時は雨が降っていて暗かったのですが、ステンドグラスが非常にきれいでした。良く晴れた日にまた行きたいと思います。また、ザンクト・シュテファン教会では音楽のイベントが頻繫に開催されていて、毎月第一木曜日には、オルガン奏者による教会内のオルガン演奏会などもあるそうです。
 

最後に

11月は生活が落ち着いてきたため、授業終わりに散歩をするなどゆっくり過ごした月でした。クラスの達と会話をする機会が増えたり、私の配達物を預かってくれていた同じ寮のドイツ人と友達になり家へ招待したりと、交友関係も少しずつですが広がってきました。また、11月は私の誕生日があり、ニュルンベルクに住む中国人の友人がぬいぐるみのプレゼントを送ってくれました。
12月はクリスマスに向けて、ドイツ全体がお祝いの雰囲気に包まれます。12月は少し遠出をしてもっとも有名なニュルンベルクと、ドイツ最大級のドルトムントのクリスマスマーケットに行く予定があり、非常に楽しみです。

2019年11月

法学部3年の原智織です。私は現在、ドイツ・マインツにある“ヨハネス・グーテンベルク大学”に留学しています。今月からこのレポートを通して、学校のことやドイツの生活のことを少しでも多くお伝えできればよいと思います。

マインツ中央駅です(東側)。西側出口は現代的な外観です。

私の住んでいるマインツという都市は、フランクフルトから電車で40分ほど、また、日本からの直通便が多い、フランクフルト・アム・マイン空港から電車で20~30分ほどの場所に位置しています。街並みは現代的ですが、中央駅前や旧市街は趣のあるドイツらしい場所です。街のことについてはまたの機会に詳しく紹介したいと思います。
マインツ旧市街にあるマインツ大聖堂です。市内最大の観光の場で、この付近の街並みはまさにドイツを感じさせる歴史ある風景です。

さて、ヨハネス・グーテンベルク大学は、毎年多くの留学生を受け入れている大学であるため、私たちのような交換留学生や、ヨーロッパの留学制度であるエラスムス生、正規入学の外国人学生など、ドイツ人以外の学生も非常に多い学校です。そのため、エラスムス生と交換留学生にガイダンス期間が設けられています。10月は海外生活を始めるにあたって必要な手続きをたくさん行ったので、主にそのことについて報告します。

学校でのガイダンスと海外生活を始める上での手続き等

ドイツの大学は10月が学期始まりです。授業開始日の10月14日まではガイダンス期間でした。期間中は、学生登録や寮契約のサイン、寮費(デポジットを含む)の支払い、奨学金の説明、ポータルサイトの登録、履修登録とドイツ語講座の申込み方法の説明など学校に関することのほかに、住民登録やVISA申請日の説明など公的手続に関する説明がありました。ドイツは非常に手続きが多く、また、学校内の手続きであっても管轄が細かく分かれているため、毎日違うオフィスで違う手続きを行いました。最後のガイダンス日にようやく10月の寮費と2か月分のデポジットを現金で払った後、奨学金受給と寮費の支払いのために銀行口座を開設しなければならず、学校内の手続きを終わらせた後もやらなければならないことが多くありました。

住民登録と口座開設

ドイツ人の朝は非常に早く、役所は朝7時30分から開いています。代わりに閉まる時間もとても早く、午後は開いないこともあり、予約をした人のみの受付ということもあります。私が9時過ぎに役所に行った時にはすでに多くの人がいて、40~50分ほど待ちました。ガイダンスの日に住民登録のフォーマットをもらいましたが、実際はパスポートと寮の契約書のみで、あとは簡単な質問に答えるだけでした。
口座の開設には、パスポート、住民票、Steuer-ID(納税者番号)が必要でした。Steuer-IDは住民登録をしてから2週間ほどで自宅に郵便で届きました。私は郵便で届く前に役所に直接聞きに行きましたが、パスポートを見せてすぐに発行してくれました。2回目以降の発行はお金がかかるそうです。また、住民登録の翌日に役所に行っても「まだできていない」と断られます。
ドイツは予約をすることが通例で、銀行口座を開設するために予約が必要でした。私が予約しに行った時の銀行員は、私の拙いドイツ語でも丁寧に対応してくれる優しい人でした。口座の開設に必要な書類をもって予約日に訪ねれば、すぐに対応してくれました。しかし、私が開設した銀行は通帳の概念がなく、オンライン登録が必要でした。口座の管理はスマートフォンのアプリで行っています。ドイツの多くの銀行はオンラインバンクを扱っていて、同様にアプリやブラウザで管理するようです。
すでに口座開設を済ませていた他の本学生や、他の日本人学生に話を聞いたところ、会社ごとに開設方法の容易さに違いがあったり、同じ銀行でも他支店の担当者から、Steuer-IDがまだ届いてなくても後日メールで送ればよいという対応を受けていたりと、様々でした。日本と違いドイツは会社ごとではなく担当者ごとにも裁量が違うようです。

履修登録

私は、ヨハネス・グーテンベルク大学のRechts- und Wirtschaftswissenschaften(法経済学部)に留学しています。主に勉強していることは法学です。履修登録の方法は、正規生とISSK語学学校と、エラスムス・交換留学生で違います。私たち交換留学生やエラスムス生のためのドイツ語講座はISSKに申し込みをします。大学の正規授業や留学生向けの授業を受ける場合はGISという大学内の留学生用オフィスに申し込みます。法経済学部のみフォーマットや提出先が異なり、私は法学の授業を受講するため、法経済学部に直接、登録用紙を提出しました。法経済学部の履修登録のフォーマットは、用紙に名前や国籍などの細かい個人情報と受講科目を書く必要がありますが、書いて直接オフィスに提出するのみなので、簡単に登録することができました。正規生は日本の大学同様、ポータルサイト上で期間中に履修登録をするそうです。
ドイツ語講座の申し込みは、申請期間内に、申込フォーマットを手持ちのZertifikat或いは、事前にオンラインで受験した試験結果と一緒にメールで申し込みする方式でした。こちらは、レベル別で申し込みをしなければならないため、申請したレベルのクラスが満員で受理がされず、オフィスを訪ね、担当者にメールを送り、最終的に受理されないまま授業に行き担任の先生に直接交渉を行うこともあり、苦労しました。現在は希望したクラスでの授業を受けることができています。

最後に

10月は新生活を始めるにあたって、多くの場面で自分が外国籍であることを強く自覚し、また同時に難しさも感じました。EU加盟国の国籍ならもう少し簡単だと思うこともあります。また、身の回りの物をそろえ、たくさんの手続きを行い、同時に授業も始まるというあわただしいスタートになり、なかなか明るい報告になりませんでしたが、同じ学校にトルコ人の友達ができ、一緒にカフェに行ったり、毎週水曜日に学校で開かれているSprachcafeでできた友達と話したりと、楽しいことも多く経験しています。来月以降、そういった話ができると良いと思いつつ、引き続き勉強を頑張っていきたいと思います。
大学駅(Universität)側の入口。本学の法学部キャンパスはビルなので、とても新鮮です。
法経済学部棟内の図書館。他にも自習スペースとして、ソファ席やオープンテーブル、パソコンが置いてあるテーブルなどがあります。明るくて静かで快適な空間です。
マインツ大聖堂付近のカフェです。トルコ人の友達と日曜日にここでお茶をして、私が持っていた本を見ながら日本の食べ物について話しました。