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知の新視界 脱領域的アプローチ

「西洋でも東洋でも、人間は窮境の底にあった時に初めて純粋な愛に目覚めるものである…」。純愛を共通のキーワードとした洋の東西を貫くこのアイデンティティーの洞察力は、本論文集の編者・秋山正幸名誉教授自ら筆をとった「蘆花の『不如帰』とジェイムズの『鳩の翼』の比較考察」の章のエキスだ。

グローバリゼーションと文化的アイデンティティーの間を埋めていく学際的、複眼的研究こそ二十一世紀必須のテーマであるとの認識には、文明の衝突より「調和」に目配りする学者の使命感が漂う。本学比較文化・比較文学会会員、イリノイ大学のA・オーエン・オールドリッジ名誉教授をはじめとする国内研究者が異質文化の相互理解を試みた論文は延べ三十五編。秋山名誉教授の古希を節目として新世紀の学問研究の可能性を広げようとする研究者たちの気概がみなぎる記念論集である。
書籍名 知の新視界 脱領域的アプローチ
著者名 名誉教授・常務理事 秋山正幸・編著
月号 2003年夏季号 No.96
価格 10,000円(税別)
出版社情報 東京都新宿区山吹町361、南雲堂