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ミケランジェロの落書き

日本近代文学の研究者である著者は、大のイタリア好き。意表をつく題名だが、単なる旅行記でも、美術解説書でもない。「日本とイタリア比較文化そぞろ歩き」という副題が付いているように、イタリアの町を歩きながら、日本人から見たイタリア、日本人とイタリア人との考えの違いの原点はどこにあるのか、などを自分の目で確かめたいわば日伊比較文化論といえる。

目を引くのは、著者がフィレンツェのサン・ロレンツオ教会の地下にあるミケランジェロの部屋の壁に記された創作のための下書き(落書き)をつぶさに考察した際の記録だ。ミケランジェロの自画像や、代表作の1つバッカス像の両足の表情に似た男のたくましい両足のデッサンなど、500年前の落書きの貴重な写真など約60点の写真も収録されており、楽しく読める。本書は日本図書館協会選定図書に指定された。
書籍名 ミケランジェロの落書き
著者名 理工学部助教授 小野 末夫・著
月号 2002年冬季号 No.90
価格 1,800円(税別)
出版社情報 東京都千代田区飯田橋2-16-3、牧野出版